今から海に行く人のために、サメに出会った時の生き残り術
2015/08/19 17:45 JST
(ブルームバーグ):サメと人間の「巡り合い」についてのデータベース、グローバル・シャーク・アタック・ファイル(GSAF)は引き込まれる読み物だ。
サーフィンの世界チャンピオン、ミック・ファニング氏が先月ホオジロザメに出くわして以来、サメのニュースは引きも切らない。
オーストラリアの東沿岸では巨大なイタチザメが捕まった。東京の近くの海水浴場は2メートル超のサメが現れ閉鎖された。行方不明だったマレーシア航空370便の機体の破片が見つかったインド洋の島の周辺はあまりにサメが多いので2年前にサーフィンが禁止された。「シャークネード」(竜巻に乗ってサメが襲ってくるというTV映画)が現実になったのかと思うほどだ。
GSAFには西暦5年までさかのぼる計1万6855件のサメと人間の出会いのデータが納められている。このデータの管理責任者ラルフ・コリアー氏は正真正銘のサメの専門家だ。1960年代からサメを研究し、ホオジロザメが相手を襲う時に「目をむく」ところを初めて記録した。同氏によれば、サメに襲われる事件は年間100件前後で、30年代に比べて2倍近くに増えている。これは海に入る人間が増えたせいで、サメの嗜好(しこう)の変化によるものではないと同氏は説明した。
「サメは何千年も前からそこにいるのであって、最近になってサーファーのそばへ来るようになったわけではない。人間が彼らの家に入ってきたので様子を見に来るのだ」と同氏は語った。
様子を見るついでにちょっと味見もするらしい。コリアー氏によると、サメが人間をかむのはたいてい好奇心からだという。今年に入って20回もサメ事件があり2人が死亡したオーストラリアでは、そんなことを確認している余裕はサーファーにない。彼らはサメ退治を主張しているが、コリアー氏によればサメは広範囲を動き回るので効果はない。
用心して、以前にサメが出没したビーチでは泳がない、光るものは小魚のように見えるので宝石類は外す、水が濁っている所ヘは行かない、一人で泳がない、傷ついた動物のようにバシャバシャしない、サメのエサになる動物に注意する、アシカたちが一目散に逃げ出したらすぐ水から上がる。これが同氏のアドバイスだ。
ちなみに、GSAFによれば素手でサメを撃退したのはファニング氏が最初ではない。1966年にイタリアで、2005年にハワイのマウイ島で、撃退した事例がある。
原題:Shark Attack! What to Do When Jaws Comes Chomping: Opening Line(抜粋)
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更新日時: 2015/08/19 17:45 JST