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 ファーストリテイリングは10月から、国内の衣料専門店「ユニクロ」で働く社員を対象に、希望に応じて週休3日制を選べるようにする。多様な働き方を認めて、人材をつなぎとめるねらいがある。

 原則として、客の多い土日を含む週4日働き、休みは平日に3日とする。出勤日の労働時間を1日8時間から10時間にするため、週あたりの労働時間は40時間で変わらず、給与水準も同じになる。まずは特定の地域で働く「地域正社員」の約1万人を対象とし、2千人ほどの選択を見込む。格安衣料品店「ジーユー」や本部の従業員に広げることも検討している。

 法律で定められた1日8時間労働の例外となる「変形労働時間制」のしくみで対応する。この制度は、客の多い土日祝日だけ長時間営業する飲食店や、決算の発表直前に仕事が立て込む経理の仕事などで使われている。

 ユニクロで働く地域正社員は、いまの約1万人から1万6千人に増やす方針。だが、2012年のユニクロの新卒採用者のうち3割超は、3年以内に辞めている。人手不足感も広がるなか、働き方の選択肢を増やして、早期の離職を食い止めたい考えもある。国内のファーストリテイリングの従業員は、パートやアルバイトも含めて約5万人。(奥田貫)