こんにちは、ひらりさです。
月曜に関東では震度5の地震がありましたね。それに際して執事喫茶からの地震安否確認メールが届いたのに感動し、ふらっと画像つきでツイートしたら、うっかり1万以上RTされてしまい、今も通知が鳴り止みません。
ぼっちの非モテだから誰からも「地震大丈夫?」なんてLINE来なかったけど、メールボックス見たら、会員登録してる名古屋の執事の館から「お嬢様、ご無事ですか?」って件名の安否確認届いてた……最高かよ…… pic.twitter.com/jQGom9CeBv
— ひらりさ (@hirarisa_R) 2015, 5月 25
そのうえ、どうやらツイートが中国語訳されて「微博」で拡散されたとライブドアニュースで紹介されていたんですが、 「日本の『恋人・友達なし』女性に執事喫茶からのあたたかいおもてなし!」 と、なぜか私の肩書がものすごくさびしい人になっていました。 彼氏はいないけど友達はいるよ! いるよね……?
地震に遭遇した「恋人・友人なし」女性に執事カフェから届いた1通のメール=中国ネット「無性に感動が込み上げた」「歴史問題なんて関係ない!」 http://news.livedoor.com/article/detail/10153541/
しかし友達がいようがいなかろうが恋人がいようかいなかろうが、 仕事と私生活のバランスに悩み、周囲と自分のキャリアの比較で悩み、 執事喫茶からの心あたたまるメールをみて逆に「つまり私に安否確認メールをくれるのは執事喫茶の自動送信サービスくらいってことなんだよな……」とひねくれて落ち込み、七転八倒しまくるのが、アラサーというお年ごろ。
そんなアラサー女の心をえぐる漫画として以前は『東京タラレバ娘』を大紹介いたしましたが、 (そして先日発売した2巻にも心えぐられまくってもはや死にそうですが) 今回ご紹介したいのは、1巻が発売されたばかりの『波よ聞いてくれ』。
『無限の住人』で凄惨な剣戟活劇を展開した沙村広明さんがアフタヌーンでの新連載の主人公に選んだのが、なんと彼氏なくしたばかり・職も微妙になくしそう・ たぶん友達もあんまりいなそう……な25歳崖っぷち女・鼓田ミナレなのです。
物語の幕開けは、札幌のとある酒場でミナレがクダを巻き、居合わせたおじさんに絡んでいるシーンから。
「波よ聞いてくれ」1話より
彼氏に振られたばかりのミナレ、っていうか正確に言うと、実家の親父が病気で倒れて金が足りないという彼氏(福岡出身、博多男児の光雄)に50万円貸したところトンズラされたミナレが、 彼氏がいかにひどい男だったかをおじさんにとうとうと語っています。
そして気がついたら朝自宅で寝ていたミナレ。彼氏の愚痴をさんざん言って多少すっきりしたところで仕事場に出かけ、勤務していると、いつも店内で流れている北海道のローカルラジオ局MRSの番組から、なぜか自分が彼氏について愚痴りまくっている音声が流れてきます。
いったいどういうことなんだ???と大混乱の彼女、あわててMRSに乗り込むものの、なぜかマイクを手渡され、何がなんだかわからぬうちにラジオデビュー、そのうえ冠番組を持ってほしいと提案され……どうなるミナレどうするミナレ?!
「波よ聞いてくれ」1話より
というてんやわんやを描いていくのが『波よ聞いてくれ』です。
アラサー女を主人公にした漫画は多々あれど、鼓田ミナレのキャラは、他の追随を許さないパンチのききっぷり。正直、自分と重ねあわせて感情移入……という感じでは一見ありません。
しかし、ページをめくるごとに不思議と、読んでいるこちらにも重なる部分が見えてくる。
黙っていればそこそこモテそうだけど口を開くとダメさと自分勝手さが露見するミナレ、
自立した女性感を一見かもしだしつつもダメ男にひっかかってしまうミナレ、
とりあえず職にはついているものの将来の展望も何もないミナレ、
「今恋愛運がだだ下がってるから仕事運が反比例的に上昇するはずなのに!」と 鏡リュウジ先生の占いに頼りまくっているミナレ、
身近で自分を好いていてくれている同僚の好意にのっちゃいたい気持ちも ありつつもそこでふみとどまってしまう(結果困窮する)ミナレ、
そんでもって、「こいつは何かやだ」と思いつつも、そいつが別の女に 粉をかけているとなんとなくもやもやした気持ちになるミナレ……。
「波よ聞いてくれ」1話より
どうでしょうか? アラサーの方にはめちゃくちゃ身に覚えがあるんじゃないでしょうか。
こうした「あるある」が描かれていると、どうしても胸が苦しくなるのがアラサーというお年ごろなわけですが、『波よ聞いてくれ』がすごいのは、ジェットコースターのようなミナレの性格が状況をかきまわすために、共感する部分もありつつも、きちんとフィクションとして、距離をおいて物語が楽しめるところ。
はたしてミナレはラジオDJとして一旗あげられるのか、そして光雄から50万円を取り戻せるのか(すっかり過去の人と思っていた光雄、最新話で大変なことになってました)、絶妙な緩急をつけた会話のキャッチボールで進行する、山あり谷ありの物語、正直このためだけにアフタヌーンを購読したい勢いです。1巻発売というタイミングで、あなたもぜひ波に乗ってみませんか?
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