バルミューダが2015年5月27日に発表したオーブントースター「BALMUDA The Toaster」。
発表直後から行っている蔦谷家電やザ・コンランショップでのイベントは大盛況。バルミューダとしては初めて参加したという「インテリアライフスタイル展」でも、当初1日1000食分の試食を想定していたものを、急きょ3日間で5000食に増やした。しかし、初日にテレビでの露出もあり、予想を大きく上回る人が訪れ、連日午後には試食品がなくなる状況。カタログ7000部もあっという間に消えたほどの圧倒的な集客があったという。
販売状況も良く、発表同日にバルミューダオンラインストアで始まった先行予約受付は初回分を早々に終了。その後は二子玉川 蔦屋家電、ザ・コンランショップ(キッチン、丸の内)他、百貨店などで先行予約を開始すると予約が殺到。現在までほぼ客注状態が続いている。公式サイトやFacebookから発信される情報、日々更新されるレシピが拡散されることで、この人気はしばらく続きそうだ。
バルミューダとしては“してやったり”感もあるのではないかと思っていたが、広報担当の阿部洋氏は「ここまでの反響があるとは思っていなかった」とどこまでも低姿勢。「1日の生産台数が限られている」(阿部氏)ため、在庫の確保にはまだ苦労しそうだが、年内には入手しやすい状況にしたいとも話す。ただ「今は新しいものが好きな男性が買い求めるケースが多いと予測している」(阿部氏)が、今後、比較的じっくり検討する傾向のある女性が買い求めるようになると、さらに入手しづらくなる可能性もある。
こうなるとGreenFanが高級扇風機という新しい市場を生み出したように、BALMUDA The Toasterが高級トースター市場を作るような気もしてくる。
とはいえ発表会の場でも語られていたが、今回、キッチン家電第1弾としてトースターが選ばれたのは、なにも高級トースター市場を作りたいからではなく、寺尾玄社長が「毎朝パンを食べる」からであり、何よりバルミューダが考える気持ち良さや良い体験を提供するためだ。五感をフルに使う「食べるという体験」を豊かにする道具作り。作るのは家電ではなく道具だと語ってきた寺尾社長が、BALMUDA The Toasterを機に目指すものとはなんだろうか?