防衛相:「流出経緯を調査」 安保法案成立前提の資料

毎日新聞 2015年08月19日 22時50分(最終更新 08月20日 03時24分)

参院平和安全法制特別委員会で共産・小池晃氏の指摘に対し、自席から反論する中谷元防衛相=国会内で2015年8月19日午後3時28分、藤井太郎撮影
参院平和安全法制特別委員会で共産・小池晃氏の指摘に対し、自席から反論する中谷元防衛相=国会内で2015年8月19日午後3時28分、藤井太郎撮影

 安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は19日、一般質疑を行った。中谷元(げん)防衛相は自衛官中心の防衛省統合幕僚監部(統幕)が法案成立を前提として作成した内部資料の存在と外部への流出を認め、「流出の経緯などを鋭意調査している。強い危機感を持ち、情報保全の徹底を図りたい」と釈明した。

 防衛省側は資料について、統幕が自衛隊の幹部に法案の内容を説明するため5月下旬に作成し、主要部隊の指揮官ら約350人が参加した5月26日のテレビ会議で使用したと説明した。

 中谷氏は「法案の内容を分析・研究したもので、成立後に行うべき内容は含まれていない」として、作成したこと自体に問題はないとした。一方で外部への流出については「極めて遺憾だ」と述べた。

 これに対し、共産党の小池晃氏は11日の特別委で資料を示した際、中谷氏が「国会審議中に法案の内容を先取りすることは控えるべきだ」と述べたことなどを挙げて反発。民主党の大野元裕氏も国会会期の延長決定前に資料が作成されたことに触れ、「統幕が国会延長を予期したものをつくり、防衛相も(内容を)確認していなかった」と批判した。【青木純】

最新写真特集