古賀智子、岩本翠、二階堂祐介
2015年8月20日02時14分
海に浮きながら海中を観察できるシュノーケリングの事故が各地で相次いでいる。7、8月に夏休み中の家族連れら22人が死亡した。裾野が広いレジャーだが、手軽さゆえに安全対策が見過ごされがちだ。安全に楽しむための講習も広がっている。
白い砂浜が広がる沖縄・伊良部島(宮古島市)の渡口の浜。兵庫から観光で来た男性会社員(47)ら家族3人が10日、シュノーケリング中におぼれ、死亡した。
男性は小学生の息子(12)と娘(8)、義父(72)と楽しんでいたが、子ども2人は途中で「潜れないから」と救命胴衣を外した。その後娘が流され、助けようとした男性と義父がおぼれた。娘は近くにいた人に救助されたが、息子は海底で発見された。
県警によると、一家は自前で装備を持ってきており、シュノーケリングの経験があったが、海は台風の影響で荒れていた。
静岡県南伊豆町の弓ケ浜海水浴場では7月20日、男性会社員(24)が死亡。シュノーケルをつけて泳ぐのは初めてだったが、救命胴衣は着けていなかった。救助にあたった海上保安庁関係者は「シュノーケルに入った海水を飲み、パニックになった可能性もある」と指摘する。千葉県でも今夏、館山市と勝浦市で死亡事故が4件あり、いずれも救命胴衣を着けていなかった。
海保によると、今年7月1日~8月16日、海でシュノーケリング中に水難事故に遭ったのは全国で37人。うち死者は22人にのぼった。
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朝日新聞社会部
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