2015年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

2013.07.03 (Wed)

ミャンマー料理店『Nong Inlay』

電車の音が鳴り響く高田馬場駅を出て上を見上げると2本の線路が通っている。
その2本の線路を辿りつつ下をよく見ると、一瞬見逃しそうなほど狭い路地が目に入る。
あれ?こんなところに路地なんてあったっけ?
そう思いながら進んでみると、目の前に飛び込んできたのはずらっと立ち並ぶ小さな料理店の群。そのうちの1つが、『Nong Inlay』数少ないミャンマー料理店である。

Nong Inlay03


 ミャンマーは7つの州に別れている国である。それぞれ住んでいる民族、環境が異なるため、食べ物や料理にも大きな違いがあるのだそうだ。Nong Inlayが提供するのは、国境が隣国のタイに接している地域、シャン州の料理だ。山岳地帯に位置するシャンの料理は、油が少なく、ヘルシーなものが多い。だんだん気温も上がって来たこの頃、何か爽やかなものを食べたいと思ったときにピッタリである。

メニュー


■ 揚げシャン豆腐 ................600円
 シャン地方の特産物は、シャン豆腐!
 Dahr豆(=ひよこ豆)を使っている。
 この豆腐は豆を潰すところから全て手作り。

■ シャン豆腐の和え物..........700円
 生姜と唐辛子風味を和えてシャン豆腐の上にかけた料理。
 結構辛いが、唐辛子が健康を整えるのにいいそうだ。
 血流がよくなるので冷え性にお困りの方へおすすめ!

■ 豆腐そば...........................800円
 とろっとした豆腐のスープの中に、つるつるしたお米の麺が入っている。
 こってりした物が食べたいけど、カロリー高いのは嫌だな、と思ったときにおすすめ。
 ちなみに、“豆腐”と付いているが、日本の豆腐の味はしない。
Nong Inlay

Nong Inlay01
シャン豆腐の和え物    豆腐そば

Nong Inlay
■ お茶葉のサラダ ..................800円
 この料理は、現地でおやつによく食べるのだそうだ。
 中のお茶葉や香辛料はその日によって変わることもある。

■ 豚とお米の皮無ソーセージ ...700円
 豚肉とお米を発酵させてつくったもの。独特の風味がする。

■ 牛とお米の皮無ソーセージ ...700円
Nong Inlay

 上の牛バージョン!

■ 竹蟲...................................900円
 竹蟲は、竹の中にいる蟲のこと。
 炒めてあるので、香ばしいがあるのだそうだ。
 写真を見て抵抗を受ける方もいるだろうが、なんと人気メニューの1つなのだとか。
 実際取材しているときも、隣で注文している方がいた。
 輸入量に制限があり、出せる数が決まっているため、
 確実にこの料理を食べたい方は、事前に電話で確認した方がいいだろう。
Nong Inlay
Nong Inlay


Nong Inlayの内部は狭い造りになっている。家庭的な雰囲気が漂うその店で、取材を受けてくれたのは、来日して9年目のメイさんだ。家族全員で日本に住んでいる。

【More・・・】

日本での苦労
Nong Inlay02

「お子さんはいらっしゃるのですか?」
「小学6年生の息子と小学4年生の娘がいますね。先生には、自分の国の言葉も教えてあげて欲しい、と言われます。」
メイさんのお子さんたちは、日本の小学生たちとともに日本の公立学校に通っている。日本語に慣れるのにまだまだ苦労しているのだそうだが、自分の母国語を保つのもなかなか大変そうだ。

「ではメイさんは日本語をどこで?」
「日本に来てから、日本語学校に通って学びました。そこにはいろんな国籍の人がいて楽しかったですよ。友人もできたし。まだ会話は難しいけど。」
実は、ミャンマーにもすでにたくさんの日本語学校があるらしい。1級から5級までの日本語検定もあるようで、日本が好きなミャンマー人の多くが受験しているのだとか。
「ミャンマーで日本語学校に通った人は大体日本に来る。話す力は日本に来ないとなかなか身に付かないし…。やっぱり日本に住むと早く覚えられるね、日本語が。」


日本とミャンマーの違い
Nong Inlay

「日本は好きですか?」
「日本は自由な国だから好き。ミャンマーは厳しくて、自分の生き方ができない。世間の目を常に気にしなきゃいけないし、朝は早いし....(笑)」
ミャンマーは仏教の国。そのせいか分からないが、実家の朝はいつも5:00から始まるので大変なのだとか。日本だと7:15に起きればいいから実家よりリラックスできる、とメイさんは言う。それでも早いな・・・と思ってしまう筆者。

Nong Inlay
「ミャンマーで男の子は神様。旦那さんの方が地位が高くて、妻は下。日本より差がくっきりしてます。年上の人に話しかけるのも気を使う。」
でも、家族をとっても大事にするのがミャンマー人の習慣。1年に1回は必ずミャンマーに帰国しているそう。
「祖父母は祖国にいるから、たまに戻る。(笑いながら)帰らないと子どもたちが忘れちゃうから。」
そして、祖国ミャンマーに戻るときは日本の食品、醤油や麺つゆ、のりなどを持っていくのだそうだ。

「あと、ミャンマーはもっと貧困が目に見えるね。」
10人のうち9人は貧乏なのではないか、と話すメイさん。海外に留学する裕福な人がいる中、サンダルすら履けず、物乞いをする人々もいる。
「日本の政府は本当に国のためにお金が使われているのが目に見える。だけど、ミャンマーだと国民のお金が何に使われているか分からない。自国の情報が出て来ないの。」
2010年にやっと総選挙が行われ、長い軍事政権から民主化へ道を進めたミャンマー。これからどう変わっていくのだろうか。

特別なお客様
「Nong Inlayには、どんなお客さんが来られるのですか?」
「辛いのが好きな人は良く来る。アメリカ人が多いかな。中国人も増えてきた。」
Nong Inlay

もちろん、早稲田生も多い。辛さは、本場よりも少し控えめにしているとのこと。辛さの加減も、店を営み、お客さんの反応を見て調節することを覚えた。
「あと、よくミャンマーに旅行する前に来る人が多いです!そして、旅行し終わった後にまた来てくれる。嬉しい。」
東南アジアへの旅行者が増えるこの頃。行く前に現地の情報収集をしたい、料理を試したい、というときにNong Inlayは最適だ。電気の通り具合や気温など、メイさん並びに従業員の方が現地の情報を詳しく教えてくれる。

「そういえば、今年の2月、天皇様の次男の方、秋篠宮様が来られました。友人の方が紹介してくださったみたい。」
上のメニューに挙げた以外にも、ナマズのスープやカエルの料理など、他の料理店では滅多に食べられない料理が数多くあるところが目に留まったのだろう。狭いNong Inlayの店の中にボディーガードも入って、違う世界が広がっていた、とメイさんは話す。

Nong Inlay


「ありがとうございました!」
取材を終えた後、メイさんはキッチンに入っていった。休暇中には、日本を旅行することが好きだというメイさん。普段の料理に飽きた人から、ミャンマーについて知りたい人まで、いろんな人にぜひおすすめしたい店だ。



Nong Inlay
住所: 東京都新宿区高田馬場2-19-7 タックイレブンビル 1F
電話: 03-5273-5774
営業時間: 11:30~23:30(L.O.23:00)
     ランチメニュー(平日のみ)11:30~14:30
     ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
定休日: 年中無休


View Larger Map

聞き手: 岡村 美慧
スポンサーサイト

テーマ : おいしい店紹介 ジャンル : グルメ

02:56  |  ミャンマー  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  編集  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://amuche.blog.fc2.com/tb.php/17-f6421d45

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |