環境科学院はペンニョン島や首都圏一帯に設置されている大気測定所の観測値を見ても青酸ソーダ流入の可能性は低いとの結論に達した。青酸水素が分解されるときに発生するナトリウム(Na)イオンの国内大気中濃度は、事故が起きた12日以降、通常と同様の濃度を保っていることが測定で分かったからだ。ホン課長は「青酸ソーダが分解されれば、大気中の青酸(CN)とナトリウムイオンの濃度が高くなるため、大気中のナトリウム濃度が通常とほぼ同じという今回の観測値は青酸ソーダが国内に流入した可能性がほとんどないことを意味するもの」と語った。
事故後、微細粉じん・鉛・カドミウムなど、政府が常時測定している有害物質20種類の濃度も通常の数値を保っていることが分かった。
環境科学院関係者は「天津の事故による有害物質の国内流入など、異常な兆候は韓国では全く発生していないことを示す証拠だ」としている。中国では「今後、雨が降れば、青酸ソーダが雨水と反応して青酸水素に変わり、さらに危険になる」という懸念が広がっている。しかし、そうなっても青酸水素が風に乗って韓国に流入する可能性は極めて低いと環境科学院では話している。
環境科学院のソン・チャングン大気質予報センター長は「青酸水素と青酸ソーダは水によく溶ける性質がある。大気中の青酸水素はほとんどが雨に溶けるので、国内流入の可能性はほぼない」と語った。
環境科学院は国民の不安を解消するため、今後毎日、事故現場から吹いてくる風の方向や青酸ソーダ・青酸水素の国内流入の可能性などについて分析を実施する予定だ。