中国政府は、9月3日の抗日および反ファシスト戦争勝利70周年(戦勝節)に合わせ、外国の元首を招待して大規模な祝賀行事を用意している。まず3日の午前10時から12時にかけて、北京の中心部に当たる天安門広場で、およそ1万人の兵力と最新兵器を総動員した閲兵式を行う。閲兵式が建国節(10月1日)ではなく戦勝節に行われるのは、今回が初めてだ。外国の元首の招待も、過去に例がなかった。北京の外交消息筋は「中国は、戦勝から70年で日本を抑え、アジアの覇権国の地位を取り戻したことを示そうとしているようだ」と語った。
閲兵式の直後には、外国の貴賓が出席する歓迎レセプションを開催する計画だ。その後、習近平国家主席と外国首脳の2国間・多国間会談が開かれることもあり得る。夕方には、文化公演が予定されている。外交消息筋は「もし、訪中した外国首脳が閲兵式に出席しなかったら、中国側は『ゴルフ大会に出席して、ゴルフをやらずに食事をしていっただけ』と考えかねない」と伝えた。
一方、今回の戦勝節の行事をめぐり、米国のバラク・オバマ大統領は不参加の立場を明らかにした。周辺国にも、事実上不参加の要請を行ったという。英国・オーストラリア・日本の各首脳は、いずれも出席しない。米国側は「韓国に対し、出席しろとかするなとか言ったことはなく、誰を送るのがいいと勧めたこともない」という。とはいえ米国側の意中は、韓国が察して不参加を決めてくれれば、というものだという。
外交消息筋は「今回の戦勝節の行事を通して、中国が外交・軍事分野で米国中心の体制を崩し、新たな世界秩序をつくる意図を持っている、と米国は考えているようだ。こうした行事に、伝統的な友邦である韓国が引き立て役として出るべき理由があるのか、ということ」と語った。