今月14日に日本の安倍首相が戦後70年談話を発表し、翌15日に朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が光復節(日本による植民地支配からの解放を祝う日)演説を終えた直後から、韓国政府は行き詰まった日本との関係修復に向け本格的に動き出した。当面の目標は年内に韓国、中国、日本による3カ国首脳会談を実現させ、これを足場に韓日首脳会談の開催にまでこぎ着けることに定められているようだ。
安倍談話は、われわれの観点からすれば内容のない巧妙な言葉遊びにすぎないものだった。安倍首相は日本によるかつての侵略戦争や植民地支配などについて、直接の反省の言葉は使わず「3人称過去形の謝罪」という新しい形を使った。その結果、安倍政権が韓国に対して今後も配慮する考えのないことが、この談話を通じてあらためて明確になったといえるだろう。
ところが韓国外交部(省に相当、以下同じ)は安倍首相が談話を発表したその日には何の反応も示さず、翌日になって声明ではなく論評を発表しただけで、しかもそれさえやむなく出したと感じられるほどだった。朴大統領も光復節演説の中で安倍談話について「残念な部分が少なくない」と短く言及しただけで終わった。このように安倍談話への反応が何か抑制されているように感じる理由は、要するに韓国政府が日本との関係を修復したいと考えているからに他ならない。韓日関係は朴大統領就任から2年6カ月間、首脳会談はもちろん閣僚級の会談さえ何度も取りやめになるなど、今も最悪の状態が続いている。安倍政権の歴史認識があまりにも逆行しているため、これを懲らしめるという意味合いから、韓国側の方から外交ルートをほぼ断ち切ってしまったからだ。このような異常ともいえる状態を修正しようと今になって政府が動きだしたわけだが、これはある意味あまりにも遅きに失したという感を拭い切れない。