鎌倉投信が発行した「結いだより」(第34号)で、鎌倉投信が運用し、私も投資しているファンド「結い 2101」の昨年12月の運用状況(月次)を確認しました。

12月は2社の新規組入れがありました。 

1つは介護事業とカラオケ事業等を行なっている九州の企業である株式会社ウチヤマホールディングス(JASDAQ上場) 。この会社のことは知りませんでしたが、IR資料をざっと見る限りでは、いかにも「鎌倉投信が投資しそうな会社」でした。

そして、私が気になったのが、もう1社です。

 
それは、その会社が「非上場企業」であり、株式ではなく「社債」への投資だからです。

しかも、いきなり組入れ比率のトップになっています。

私はこの教育・翻訳ソフトウェア開発の会社(みらい教育研究所株式会社)のことは全く知りませんが、HPを見ると平成19年に設立された資本金70百万円弱、従業員25名の会社であることが分かりました。

現時点では、詳細は分からないですが、一人の受益者として意見を申し上げたいと思います。

【意見】
鎌倉投信では、①株式の本源的価値(投資先企業の成長)、②企業規模(小さな企業にも投資)、③流動性(売買量が少なくても投資)のリスクを積極的にとる方針であることは承知しています。ですが、私には今回の投資には少し抵抗・違和感があります。

①投資先の本源的価値
・非上場であり、情報不足なので、判定不能です。(コメントできません。)

②企業規模
・これもデータがないので正確なところは分かりませんが、既往の組入れ企業との比較においても、相当程度、小さな企業であることが推測されます。

③流動性
・たとえ新興市場であっても株式を上場している場合は、一定の合理的な価格で売り注文を出せば、必ず買い手は見つかります。ですが、社債への投資は企業が借入を行う場合と同様、すぐに代わりに与信を行なってくれる金融機関・企業は現れません。
・仮に相応に信用力が高い場合であっても、市場で売買できる上場企業の株式と、非上場の社債では流動性は大きく異なります。

以上は、今回投資した会社のHPを見ての印象です。なお、当社の信用力については実際には非常に高いことも十分想定されます。よって、当該企業自体を特別に問題視しているわけではありません。

以下は上記の認識を踏まえたうえでの提言です。

1 公募投信であることの再認識
・「結い 2101」は公募投信です。特定の受益者を対象とした私募投信ではありません。私も鎌倉投信に対しては、金銭リターンを超えた社会的なリターンも含めた取組みを評価して投資していますが、今回の投資は少々公募の投資信託の範疇(受益者の想定)を超えているのではないでしょうか?
・これから、純資産の額をもっと増やして、採算ベースに乗せていくためにも、一定のハードルをかけるべきと思います。(もちろん、このハードルの高さに関する受けとめ方は人によって異なりますが)

2 説明・透明性の改善を要望
・仮に今後も非上場企業の社債への投資を続けていくのであれば、その企業の社会的な意義等だけでなく、信用力に関するデータや情報も開示してほしいと思います。
・この点については、説明会の場では一定程度行なっている、あるいは今後行う予定があるのかもしれませんが、オンラインベースで十分な説明が必要です。
・社債への投資条件が分からないので何とも言えませんが、投資条件が企業の信用力に見合ったものとなっているのか、債務償還能力に問題はないのか等気になります。(リスク・リターンが見合っていないと、特定企業への便宜を図っている、なんてことを考える人もいます。)

以上、いろいろ申し上げました。

信じて託す「投資信託」ですから、ごちゃごちゃ言うな!と言われるかもしれませんが、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2012において、見事4位に入賞(私は昨年に続き「結い 2101」に今回も投票)したファンドであり、更なる発展を祈るからこそ、少々小言を申し上げておきます。




(追記)2013/1/13
社債の条件が判明しましたので、リンクを貼っておきます。(社債条件→リンク
・金額:50百万円
・利率:3.6%
・無担保
・期限:2022/12/28(期間10年)

(追記)2013/2/8
結いだより第35号でみらい教育研究所が紹介されました。(→結いだより

(追記)2015/5/26
・みらい教育研究所は2015/4経営継続を断念。負債総額4億円(うち鎌倉投信「結い2101」で保有する社債50百万円)
・基準価格への影響はマイナス0.37%
・なお、鎌倉投信としては今回の当社会社清算を受けて改善策を講じていくとしている。詳細は以下の「結いだより」第62号の運用コラム参照。(→PDFリンク

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