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 白紙撤回された新国立競技場の建設計画の経緯を検証する文部科学省の第三者委員会(委員長=柏木昇・東大名誉教授)は19日、東京都内で第2回会合を開いた。日本スポーツ振興センター(JSC)が、東京五輪開催決定前の2013年7月の時点で、ザハ・ハディド氏のデザインを忠実に再現した場合、当初計画の1300億円の約2・7倍に及ぶ3462億円となるとの試算を設計会社から示されていたことが明らかになった。文科省やJSCはこれまで、この当時の試算を「3千億円超」としか説明していなかった。

 JSCはその後、規模縮小の検討に入り、14年5月に1625億円とする基本設計案を公表したが、最終的には2520億円に膨らみ、計画は白紙となった。

 検証委の古阪秀三・京大院教授(建築学)は「(それぞれの段階の金額が)何を基にし、何が含まれていたのか検証する必要がある」と話した。検証委は9月中旬にも報告書を取りまとめる方針。