今年1〜6月の韓国からの輸出のうち、中国向けは最大の25・5%に達している。一方、中央日報によると、韓国国民が投資する中国株ファンドは7月時点で7兆4000億ウォン(約7873億円)で、海外株式投資全体の約39%にのぼる。
製造業の景況感を示す韓国の7月の製造業購買担当者指数(PMI)は47・6と、中国(47・8)を下回る水準だ。6月の46・1から改善されたものの、生産や新規受注が悪化したほか、雇用も昨年11月以来最速の比率で減少しているという。
MERSの傷跡も深い。聯合ニュースによると、国内線の航空機は回復してきたというが、国際線の旅客数は6月が12%減、7月は15%減と落ち込みが続く。
今年4〜6月期まで5四半期連続で前期比0%台の低成長が続く韓国経済の構造的な問題について「財閥制度が諸悪の根源だ」と語るのは、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏。
「確かに4〜6月期はMERSの影響が大きいが、韓国経済の構造問題を放置してきたツケが回っているともいえる。韓国はこれまで財閥による寡占経済を利用して輸出特化路線を鮮明にしてきた結果、経済をいびつなものにした。背景には力のある者に頼ろうとする“事大主義”があり、財閥依存や中国依存にもつながっている」と指摘する。
そんななか、朴槿恵(パク・クネ)大統領は13日、財閥トップを含む6527人の特赦を実施した。系列会社の資金横領などで懲役4年の刑に服していた大手財閥SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長ら財界人14人を含む計約6500人が、刑の執行免除や減刑などの対象となった。崔氏は14日に釈放され、SKグループの会長職に復帰した。財閥にメスを入れるどころか、景気回復へ財閥依存を強める朴政権には、抜本改革などできそうもない。