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【中国・天津倉庫爆発】
「神経ガスの成分検出」の報道 否定の見方も 情報錯綜
【北京=矢板明夫】中国・天津での大規模爆発で、国営中央テレビ(CCTV)は19日までに、現場に出動した消防幹部の話として、爆発が起きた付近の大気から、神経ガスの成分が検出されたと伝えた。ただ、これを否定する見方も出ており、情報は錯綜(さくそう)している。
香港紙、文匯報(電子版)によると、北京公安消防総隊の幹部は、「シアン化ナトリウムと神経ガスの2種類の有毒な気体が前日に続き検知されている。指標としては最高の値だ」と語った。
CCTVは、北京化工大学の化学専門家の話として、神経性ガスを一定濃度で吸い込むと、呼吸困難や心臓停止が起こり、死に至る場合もあると伝えた。
しかし、天津市の環境保護局は19日、神経ガスは検出されていないとの見方を示した。検出したと伝えたCCTVのニュース番組も同日、インターネットで見られなくなり、番組の内容を報じた記事もニュースサイトから削除されているもようだ。
現場の倉庫には、猛毒のシアン化ナトリウムが約700トン保管されていたことを当局が確認している。成分が周辺の下水道から検出されたとの報道もあり、防護装備を備えた中国軍の化学戦専門部隊が投入されていた。