ロシア人は先週人民元に起きたような3%の通貨切り下げという考えに肩をすくめる。結局ルーブルはほぼ毎日それと同じように変動しているからだ。
だが、ロシアがプーチン大統領の「アジアへの旋回」戦略の一環で、いまだかつてないほど中国との関係を重視するなか、中国経済の減速は無視しづらい状況にある。
ロシアは今月、第2四半期に同国経済が前年比で4.6%縮小し、景気がさらに後退したと報告した。
中国は一つの国としてはロシアの最大の貿易相手国であり、今年上期の輸出入額は306億ドルとなった。ロシアの税関のデータによると、これは前年より28.7%の減少だ。それでも、ロシアの対中国貿易の減少幅は他国のそれに比べて小さく、これは中国がロシアの貿易シェアを10.8%から11.4%に拡大したことを意味する。
モスクワの調査会社ルネサンス・キャピタルのエコノミスト、オレグ・クズミン氏は、中国の経済規模の大きさを考慮すると、成長減速下でも同国は引き続きロシアにとって良い機会を提供し続けるだろうと言う。「物理的な量で見ると、輸出量は依然としてかなりの規模だ。中国は今でもロシアから大量に購入している」
■大規模プロジェクトにも影響
同氏はさらに、両国の経済関係強化の主眼が壮大なスケールの契約を基盤とする政治プロジェクトに置かれている点を指摘する。例えばガスプロムと中国石油天然気集団(CNPC)が昨年締結した30年間のガス輸出契約がこれにあたる。「大部分、政治的な意図に基づく決定だ」と同氏は言う。「国内総生産(GDP)の資料などで政治が脅かされることはない」
とはいえ、こうした大規模な政治プロジェクトでさえも中国経済の失速による影響は免れない。
エネルギー分野では、ガスプロムが中国西部へ輸出する新たな契約を締結したいと望んでいる。市場を独占する国営企業の同社にとって、最大生産能力を大幅に下回る量のガスしか生産していない既存の西シベリアガス田からのガスの輸出が可能となる「西部ルート」の確保は重要だ。
だが、関係筋は交渉の進捗は遅いと言う。英国オックスフォード・エネルギー研究所のガス調査委員長であるジョナサン・スターン氏は、この一年にわたった中国のガス需要の急減が同国を有利にしていると言う。
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