自民:武藤衆院議員が離党 未公開株トラブル発覚
毎日新聞 2015年08月19日 17時10分(最終更新 08月19日 20時57分)
自民党の武藤貴也衆院議員(36)=滋賀4区=は19日、未公開株購入をめぐる金銭トラブルが発覚し、「自身のプライベートに関する件でこれ以上、党に迷惑をかけるわけにはいかない」などとして、谷垣禎一幹事長に離党届を提出した。党本部は同日付で離党届を受理した。
19日発売の週刊文春によると武藤氏は昨年、「国会議員枠で買える」とソフトウエア会社の未公開株購入を知人らに勧め、23人から計約4000万円を集めた。株は実際には購入されず、出資金の一部が戻っていないという。
武藤氏をめぐっては、安全保障関連法案に反対する学生団体を、「『戦争に行きたくない』という自分中心、極端な利己的考え」などとツイッターで批判し、与党内でも問題視されていた。
武藤氏は離党届提出後にコメントを発表した。「先日の(ツイッターでの)発言の件で迷惑をかけたばかりであるのに、さらに党に大変な迷惑をかけていることを心苦しく思う」と離党理由を説明した。
谷垣氏は、離党届受理後に安倍晋三首相(総裁)に経過を報告。首相は「それは仕方ありませんね」と述べたという。
谷垣氏は党本部で記者団に「こういう問題は自身がきちっと説明されなければいけない」と強調。安保関連法案への影響については「計りがたい」と否定しなかった。
安保関連法案への世論の批判が強まるなか、速やかな離党で幕引きを図った形だが、野党に新たな追及材料を与え、今後の国会審議にも影響しそうだ。民主党の福山哲郎幹事長代理は記者会見で「なぜ議員辞職ではなく離党なのか。説明を求めたい」と述べた。【影山哲也】