動画全盛時代に効果的な売場づくりとは?   デジタルサイネージ×ファッションの可能性 《後編》

LE JUN 二子玉川ライズ S.C.店の外観 Photo by: Fashionsnap.com

 動画全盛時代において、ファッションブランドのイメージ訴求で欠かせない存在となったイメージムービー。売場づくりもそれに応じた内容に変化しており、大型サイネージを使った店舗演出が増えてきました。デジタルサイネージはファッションとの親和性が高く、本企画前編では「SUIT SELECT(スーツセレクト)」を例に動画によるブランド訴求を紹介しましたが、後半ではデジタルサイネージに今後期待される、秘めたる可能性について取り上げます。

〈前編はこちら

  もっと詳しく>>アパレル業界 デジタルサイネージ特集

 今回の事例は、株式会社ジュン(以下、ジュン)がSC(ショッピング・センター)向けに展開する「LE JUN(ル ジュン)」。イオンモール幕張新都心の1号店を皮切りに、7店舗でデジタルサイネージが導入されています。

【ジュングループの新進業態「LE JUN」の場合】


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国内初の「ヨーロピアン・コンフォート・ブランド」として、2013年冬から出店をスタート。20代〜50代のファミリーを含む大人世代をターゲットに、国内10ヶ所にリアル店舗を展開。商品にはUSUAL(日常)、WORK(仕事)、TRIP(旅)、CARE(ケア)、FAMILY(ファミリー)の5つのシーンを連想させる要素を落としこみ、メンズ・ウィメンズの他、キッズや雑貨も含めたライフスタイルを提案している。

 前編の「SUIT SELECT」同様、「LE JUN」もサイネージに映すコンテンツを中心とした店舗づくりが展開されているようです。ブランドのプレス&プロモーションを担当する谷川浩康氏に話を伺いました。

ブランドコミュニケーションは動画がベース。1号店からデジタルサイネージを採用
「(LE JUNとしては)コンセプトである"ヨーロピアン・コンフォート"というフィルターを通してお客様にブランドを刷り込むことを重視していたので、それを店頭でより効果的に伝える手段として、動画でアイデンティティを見せていく戦略を当初から考えていました。最初のシーズンは5つの各シーンを動画で見せる方法をとりましたが、2015年春夏シーズンでは、さらにサイネージを有効活用すべく、ブルーデニム/白シャツ/カラーTシャツの3つの商材にそれぞれフォーカスを当て、各商材に関連した動画を店外のサイネージに流して打ち出しました。店内でも、その映像のスチール写真などをPOPやタペストリー、タブロイドにも連動させてお客様にご案内し、共通したクリエイティブとしてアウトプットすることで商品訴求につなげています」

動画だけではない、SNSツールを活用した新たな試みがスタート
「サイネージの活用の方法は、もっといろいろあるのではないかと思っています。ディスプレイとしての情報発信の目的は果たしているけれども、インタラクティブな仕掛けで顧客の興味をひく方法はまだ何かあるはずじゃないかと。そこでトライアウトとして、二子玉川ライズ S.C.店で新しいことを始めてみました。SNSを使い、店舗という空間でコアなファンと繋がるきっかけづくりをサイネージを通じて出来ないかと考えたのです」

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インスタグラムハッシュタグ「#lejun」を使って専用のウェブページを作成し、これを店頭で放映。80秒間に1回更新される仕組みになっている。サイネージに映ったものを店頭で探す、または、店頭にない場合はオンラインショップで購入するというようなオムニチャネル的な効果も期待しているという。 ※LE JUN ソーシャルボード

コーポレートキーワードをサイネージに落とし込み、サイネージ業者やITチームも巻き込んだ企画に
「ジュンではこれまでのライフスタイル提案から踏み込み、「ソーシャルスタイル」という言葉を打ち出していきたい思いがあります。そこで今回は、インスタグラムの投稿内容をソーシャルボードにタイムリーに見せていく方法をシャープさんの技術の方と相談しながら進め、搭載してみました。プロモーション的な取り組みでは初めて情報システム部と連携したのですが、今後もプロモーションチームだけではなく、IT関連チームも巻き込んでいかないといけないなと感じました」

店舗スタッフも共同で考えるサイネージの活用法
「シーズンムービーは制作側で作っていますが、実際に店頭で回していくのはスタッフ。ショップスタッフ自らがサイネージに触れていくことで、動画を含めて"自分たちのツール"という意識が高まり、一人一人が、"こういう思いでやってる""こういうお客様とつながっている"ということを語れるようになればいいと思います。今回のインスタグラムを使った施策の反応もショップスタッフからヒアリングをして他店舗に広げていくかどうか検討しようと考えています」

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サイネージ活用の最終目標は商品付加価値の創出
様々な可能性が広がるデジタルサイネージですが、「ただの賑やかしに終わってはいけない」と谷川氏は言います。
「ブランドとしてコトやモノの話はありますが、実際にサイネージを使ってどのように表現していくかは、それを得意としているクリエイターの方とも共同でやってみたいですね。単に客寄せのありきたりなコンテンツではなく、我々のブランドコンセプト『ヨーロピアン・コンフォート』を付加価値として捉えてもらえるようなこと。ゴールとしては、付加価値をどのようにお客様に伝えることができるかという手段の一つとしてサイネージを活用していきたいです。またEC事業部を巻き込み、店頭とウェブがリンクするオムニチャネルのような活用の仕方も取り入れていきたいです」

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