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企業の法務部は
「専守防衛」から脱却できるか

 これまで口先だけに終わってきた「プロ・パテント(知的財産重視)」の考え方がようやく日本に根付く契機になるのだろうか。

 これまで口先だけに終わってきた「プロ・パテント(知的財産重視)」の考え方がようやく日本に根付く契機になるのだろうか。

 今国会で知的財産がらみの改正法が2本成立した。職務発明の「特許を受ける権利」を原則、従業員個人から企業に移す特許法と、営業秘密の不正取得に対する刑罰を強化する不正競争防止法の改正である。いずれも経済界の要望を受けた改正だが、法律だけ変えても、それを取り巻く関係者の意識が変わらなければ事態はよくならない。日本が知財立国をめざすうえで、変身する必要のある3つの組織を取り上げたい。

戦わない法務部

 これまで日本企業の法務部は知財に関して、守りの姿勢に徹することが多く、米国企業のように手持ちの知財を使って、ライバルを追い詰めたり、競争優位を築こうとしたりする攻めの発想は乏しかった。

 そのへんのニュアンスを見事に表現しているコメントがあったので少し長めだが紹介しよう。政府の知的財産戦略本部における川上量生KADOKAWA・DWANGO社長の発言である。

KADOKAWA・DWANGOの川上量生社長(右)

 「企業の法務部というのは、大体どの企業でも今日一日が無事に過ぎればいい、できれば一生何ごとも起こらなくてもいいと、そう考える人が大体法務部に入ってくることが多いのですが、要するに戦おうとしない、実戦経験が不足している」

 「実は私の会社でも以前から法務部員に年間1件は必ず訴えろと、年間10件は必ず内容証明を出せと、これはノルマだと言っているのですけれども、冗談と思われて、実行してもらえないのです。ですが海外の権利行使に強い企業は実際にそれをやっています。日本は何が問題なのかというと、みんな特許で訴えないのです。訴えないから、戦ったことのない軍隊みたいなもので、弱いのです。戦ってみたら実は特許権が全然意味のない権利の取り方をしていた、ということにようやく気づくのです。数だけ競って、中身は伴っていないことがすごく多い」