【ソウル聯合ニュース】25日に5年間の任期の折り返しを迎える韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領がスピード感のある外交を行う様子を見せている。15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)70周年記念式での演説で明らかにした「確固たる原則と柔軟な対応」という外交方針に基づき、外交における業績作りを本格化させる見通しだ。
悪化した南北関係と、冷え込んだ韓日関係を反転させ、未来指向の枠組みを構築することを目標に、原則を維持しながらも実利的かつ柔軟な対応で状況を改善するという戦略を立てたとみられる。
◇任期後半は中国、米国の順で訪問か
朴大統領の任期後半における首脳会談の日程は中国から始まるとみられる。
青瓦台(大統領府)は来月3日に行われる中国の抗日戦勝記念式典に朴大統領が出席するかについて、「諸般の事項を踏まえ慎重に検討している」としているが、政府関係者は出席の可能性が高くなったとの見方を強めている。
今回の行事は中国が軍事力を披露する性格のもので、韓国首脳の出席に対し米国内では否定的な論調があるものとみられるが、韓中関係や北朝鮮核問題に対する中国との協力、日本の動き、韓国の抗日運動史などを総合的に考慮した場合、出席は避けられないとの見通しだ。青瓦台の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は17日の会見で「今週後半に(出欠の公式発表が)可能という言葉はまだ有効」と説明した。
また10月16日には韓米首脳会談が米・ワシントンで行われる。中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大により、6月から延期になった会談だ。
韓米首脳会談が10月、中国訪問が9月だとすれば、訪問は中国、米国の順となる。また朴大統領が昨年11月に提案した韓中日3カ国首脳会談も今年の下半期に開催される可能性がある。韓中日は3月の外相会談を通じ、「最も早い都合の良い時期」に首脳会談を開催するよう努力するとした。韓中日首脳会談は10月の韓米首脳会談前後に開かれる可能性が高いとみられる。
◇南北関係、韓日関係に注目
韓国の外交の二大課題である南北関係と韓日関係のうち、まず日本との関係の進展に注目が集まっている。
朴大統領が光復節の演説で「韓日関係の未来」を強調したため、韓日首脳会談開催の可能性がさらに高まったとの評価が出ている。
これに対し、青瓦台はひとまず慎重な態度を見せている。青瓦台関係者は「演説には韓日関係改善に対する朴大統領の意志のほか、条件も含まれている」とした上で、「日本が(過去の歴史問題に関して)どのような行動を取るのか注目しているというメッセージ」と話した。
来月中国を訪問することになれば、これをてことして活用する一方、韓米日の協力を重要視する米国との10月の首脳会談で日本への圧力を加えるとみられる。
特に朴大統領が中国を訪問した場合、日本に対する刺激になりそうだ。
まず中国の抗日戦勝記念式典に朴大統領が参加すること自体が日本に対するメッセージになる。
さらに韓中日3カ国首脳会談の開催に消極的な中国を会談に出席させることができれば、北東アジアの外交を韓国がリードすることにもつながる。
ただ、歴史問題に対し、日本が特別な態度変化を見せず、首脳会談だけが行われた場合、成果を得ることもできずに、対日外交の原則を変えたという批判が起こる可能性もある。
さらに後半期の外交日程は北朝鮮問題に対する意味も非常に大きい。朴大統領が9月に中国を訪問することになれば、中国と共同で北朝鮮に対し、対話の場に出るように促し、挑発に対しては断固として対応するという立場をあらためて明らかにして北朝鮮の挑発を抑止する外交を展開できる。
もし北朝鮮が朝鮮労働党創建70年の10月10日前後にミサイルを発射するとすれば、韓米首脳会談で、北朝鮮の挑発に対する2国・多国間対応を協議することになるとの見方も出ている。