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【政治】

交流で平和築く島 沖縄知事応接室のびょうぶは語る

 沖縄県庁で知事ら幹部が要人などと対面する第一、第二知事応接室には、漢文が書き込まれたびょうぶがそれぞれ置かれている。

 びょうぶに書かれているのは、いずれも一四五八年に琉球王国の尚泰久(しょうたいきゅう)王が鋳造させ、首里城正殿に掲げていた「万国津梁(しんりょう)の鐘」に刻まれている文章。「万国津梁」は世界を結ぶ懸け橋の意味。琉球王国が朝鮮や明、日本と親密な関係を保ち、船で各国へ渡っていたことなどが記されている。

 十六日に翁長雄志知事が中谷元・防衛相と会談した第一応接室には、二〇一二年に書家の茅原南龍(ちはらなんりゅう)氏から寄贈されたびょうぶ(高さ二百十六センチ、幅三百四十四センチ)が置かれている。第二応接室には、一九九五年に書家の豊平峰雲(ほううん)氏から贈られたびょうぶがある。

 沖縄県庁秘書課は「文章は十五世紀中葉の琉球の海外貿易交流と県民の気概を表現している。県民は万国津梁の意味を広く認識している。世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな『美(ちゅ)ら島』を実現しようとの県の目標にも沿っている」と説明する。 (篠ケ瀬祐司)

 

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