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【ゴルフ】

ジェーソン・デー 号泣V

2015年8月18日 紙面から

◇全米プロ<最終日>

 ▽メジャー最終戦▽16日、米ウィスコンシン州コーラー、ウィスリングスストレーツ・コース(7501ヤード、パー72)▽晴れ、気温31度、強風▽賞金1000万ドル、優勝180万ドル▽77選手

 【コーラー(米ウィスコンシン州)テッド・ムース】首位から出た27歳のジェーソン・デー(オーストラリア)が67をマークし、通算20アンダーでメジャー初優勝を果たした。メジャーで優勝スコアが20アンダーの大台に達したのは史上初めて。ジョーダン・スピース(米国)が3打差の2位に入り、ロリー・マキロイ(英国)に替わって世界ランキング1位となった。岩田寛(34)は通算7アンダーの21位、松山英樹(23)=レクサス=は通算3アンダーの37位、小田孔明(37)=プレナス=は通算6オーバーの72位に終わった。

◆鬼門・最終日に67

 メジャー戦で勝ちきれない試合が続いたデーが、ついに栄冠を手にした。勝利が確実になった18番、グリーンに上がると涙が止まらない。30センチのウイニングパットを丁寧にカップインさせると、ほぼ号泣状態。駆け寄ってきた息子のダッシュ君を抱き上げる。これまでの苦労を知っている観客は、大きな拍手でヒーローをたたえた。

 2011年のマスターズと全米オープンで2位になり、メジャーに最も近い男といわれた。しかし、最終日に崩れる試合の連続。今年に入っても、6月の全米オープンはめまいと闘いながら首位で最終日を迎えたものの力尽き、7月の全英オープンではプレーオフ進出を1打差で逃した。過去20度のメジャー出場でトップ10が9度あった。

 プロになるまで、恵まれた家庭環境ではなかった。6歳からゴルフの手ほどきをしてくれた父親が、12歳の時に他界。「それからは本当に貧乏だった。シャワーを浴びるのも苦労した」。けんかをしたり酒を飲んだりと荒んだ生活をしたこともあった。だが、フィリピン出身の母や姉が家庭を支えてくれている姿を見て改心。自分が一家の柱になろうと、全寮制のゴルフアカデミーに入ってプロを目指した。ルームメイトから借りたタイガー・ウッズの本を読み、「自分も感動を与えられる選手になりたい」と決意した。

 今季の米ツアーでドライビングディスタンス3位と飛距離が武器だが、何より闘争心あふれるプレーが持ち味。ツアー屈指の“ナイスガイ”として知られ、人気も抜群だ。世界ランキングは現在5位。デーは「これからもっともっとメジャーに勝って、世界ランク1位を目指したい」と言い切った。

 

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