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 「極めて不十分な内容」「真剣な気持ちが十分伝わる」。戦後70年の節目に発表された安倍晋三首相の談話(安倍談話)をめぐり、新聞各紙の社説は評価が割れた。テレビは、NHKと在京の民放キー局の大半が記者会見を中継するなど、力を入れて報道した。

 安倍談話は14日に閣議決定され、安倍首相が発表した。過去の首相談話で盛り込まれた四つのキーワード(植民地支配、侵略、反省、おわび)を中心に、各紙が15日付の社説で論評した。

 朝日新聞は「何のために出したのか」との見出しで批判した。「侵略」「植民地支配」は「主語はぼかされた」と指摘し、「反省」「おわび」は「歴代内閣が表明したとして間接的に触れられた」とした。恵村順一郎・論説副主幹は「安倍首相の歴史認識がぼやかされている。村山談話からの後退は明らか」と述べた。