ヘッジファンド弱気転換は買いシグナルか-米株式市場に期待感
2015/08/17 13:00 JST
(ブルームバーグ):米国株の大口購入者の一角が極めて弱気に転じたのは買いの好機だとの声が投資家の間で広がりつつある。
世界経済トレンドに注目し収益機会を狙うヘッジファンド は約5500億ドル(約68兆4000億円)を運用しており、過去1カ月は株価下落で利益を得る取引を行っていた。その結果、ショート(空売り)ポジションの比率は強気な取引を22ポイント上回り、2009年1月以降では最も弱気なスタンスが示されているとクレディ・スイス・グループは指摘した。
こうした中でトレーダーが切望しているのは、米株式相場に利上げを跳ね返す力があることが明らかになればいわゆるマクロファンドが再び株式市場に一斉に戻ってくるというシナリオだ。S&P500種株価指数は10%以上の調整のない状況がほぼ4年間続いており、過去3番目に長い上昇局面となっている。
ギャムコ・インベスターズの成長株担当の投資責任者、ハワード・ウォード氏は「弱気ムードの急拡大ほど、株式相場にとって短期的に明るい指標は恐らくない」と指摘。「過去6年にわたり上昇相場に区切りをつけようとするこれまでの努力はほぼ全て失敗した。今回も失敗の公算が大きい」と付け加えた。
マクロファンド運用者が過去2回弱気ムードになった後、株価は上昇した。3月には株価が急落する中でファンドによるショートが膨らんだ後、S&P500種は反発 して最高値を付けた。2014年1-3月(第1四半期)も同様の展開で、2月に同指数は最大5.8%下落したが、その後反発して高値を更新した。
懐疑的な見方の台頭は株式相場の回復力の一因だ。空売りはその後に借りた証券を買い戻す必要がある。8月10日と12日の株価上昇では、こうしたショートカバーの動きが鮮明で、弱気派の人気銘柄で構成されるゴールドマン・サックス・グループの指数 は他の銘柄の2倍のペースで上昇した。
原題:Hedge Funds So Down on U.S. Stocks That Gabelli Says Time to Buy(抜粋)
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更新日時: 2015/08/17 13:00 JST