今年10月に結婚する予備校講師のキムさん(29)は最近、結婚式のことが心配でたまらない。結婚式に来てくれそうな友達をいくら考えてみても5人くらいしかいなく、式当日に花嫁控室が閑散としてしまうのではと思うと、夜もおちおち寝ていられないのだ。そこでキムさんは「10月から12月にソウル市内で結婚する女性同士でお互いに式の招待客役になってくれる人を求む」という書き込みを結婚予定の女性向けネット掲示板にアップした。
書き込みをして二日間で10人以上の女性が応じてくれた。式の場所・日取り・年齢を考えてその中から5人を選び、「招待客助け合いチーム」を作った。キムさんは「お金を払って招待客役をしてくれるバイトを探す方法もあるが、結婚に関する情報も共有できるし、『落ち着かない気持ちを打ち明けられる友達になれたら』と思って『助け合い』をすることにした。新郎や家族には大学時代のアルバイト仲間だと紹介するつもりだ」と言った。
結婚を前に、招待客を「助け合い」で調達する女性が増えている。結婚前の女性がよくアクセスするサイトには、「招待客助け合いメンバー募集」という書き込みが数十件以上あり、それぞれに多い時で30件ほどレスが付いている。このため、「『招待客助け合い』に関する情報を提供する」と宣伝するブライダル写真専門業者も登場した。
「招待客助け合い」は結婚を控えている女性5-6人が順に互いの結婚式に出席する一種の「契」(日本語では講=相互扶助団体)だ。結婚式前に会って交流し、式1カ月前のウエディングドレス選びから式当日の花嫁控え室や幣帛(ペベク=韓国の伝統婚礼)に同行する。金銭のやり取りがないという点で、結婚式の招待客役のバイトを雇うのとは違う。
「招待客助け合い」が流行しているのは、一面識もないアルバイトを雇って式場の客を多く見せる従来の「招待客バイト」に抵抗感があるからだ。「招待客助け合い」に志願したイさん(30)=女性=は「『招待客助け合い』なら、『バイトを雇う=他人をだます』という罪悪感から開放されるし、あらかじめ会ってある程度お互いのことを知った上で結婚式に出席するので、夫や夫の実家にバレる心配も少ない」と言った。
だが、最近では先に結婚した女性が「助けてもらう」だけで、後に結婚する人たちの式の時には連絡が途絶えるケースが後を断たないため、保証金を10万-30万ウォン(約1万1000円-3万2000円)ほど預けることもある。「助け合い」をする約束だったのに結婚式を欠席したら、この保証金は返ってこないシステムだ。