韓米両国は北朝鮮問題について、双方とも「緊密に協力している」と主張している。しかし韓国は米国が北朝鮮問題にもっと関心を持ち、より積極的に行動することを望んでいるが、一方の米国は北朝鮮の核問題で進展が見られないにもかかわらず、韓国が南北関係の改善に動き出すことを警戒している。これは北朝鮮の核問題にとどまらず、北朝鮮問題全般に対する中長期的なビジョンや戦略が、韓米両国の間で共有されていないことから来る認識のズレだ。北朝鮮の核問題に決着がついた後の北朝鮮問題など、いわば長期的、包括的でなおかつ立体的な共通の戦略を今こそあらためて練り直すべきだろう。
米国議会や安全保障問題の専門家の間でくすぶる「韓国の安全保障ただ乗り論」も心配の種として浮上している。韓国が自国の安全保障のために十分な努力を怠っているとの批判が高まりつつあるのだ。韓国の国力や国際的な地位を考えると、米国の安全保障政策に韓国はもっと貢献すべきといった声も上がっている。さらに韓米FTAの合意の履行が不十分で、韓国だけが恩恵を手にしているとの批判も高まっている。韓米FTAは両国にとって利益になると訴え、これを支持してきた米国側の識者が、最近はむしろ韓国への批判を強めているのだ。為替レートを人為的に操作しているとの批判も根強い。そのためわれわれは自ら防衛力を高めるため一層積極的に努力し、米国の安全保障政策に貢献できることがあれば、積極的にこれを行って韓国の戦略的価値を高めていかねばならない。米国の不満や批判をかわすには、今こそこれらを実行に移すことが求められているのだ。
韓米同盟は韓国にとって最大の戦略的資産だ。これを最高の状態で維持することは、決して簡単なことではない。自画自賛に溺れず現実からの逃避を警戒しながら、韓米同盟を今後も維持・発展させるための努力を今後も怠ってはならない。