【寄稿】韓米同盟を今後も最高の状態で維持するには

【寄稿】韓米同盟を今後も最高の状態で維持するには

 韓国と米国の両政府は韓米関係の現状について「これ以上ないほど最高の状態」とコメントしている。しかし米国の議会関係者や専門家に会うたびに、このコメントに疑問を抱かざるを得なくなる。表面的に見れば韓米両国の間には早急に解決すべき懸案や意見の隔たりはないように見える。しかし一歩踏み込んで中をのぞけば、韓国に対する米国の不満が徐々に大きくなっていることを誰もが感じるだろう。ただ「韓米関係に問題がある」と明言してしまえば、外交・安全保障政策に大きく影響するのはもちろん、それに伴う負担が耐えがたいため、実際は問題や不満があるにもかかわらず、韓米両国ともこれを率直に口にできないようだ。中国の影響力拡大やそれに伴う対中政策、韓日関係と韓米日による安全保障面での協力、北朝鮮の核問題や対北朝鮮政策、韓国による安全保障のただ乗り、韓米自由貿易協定(FTA)の履行など、韓米両国の考え方や認識の違いはさまざまな分野で徐々に大きくなっているのだ。

 中でも最も懸念されることは、中国への対応とその考え方に大きな違いがあるという事実だ。米国は中国への対応について韓国の立場に一定の理解を示してはいるが、安全保障面での懸案については、中国に言うべきことを何も言えない韓国への不満が非常に高まっている。このような現状を反映するかのように、米国務省のラッセル次官補は「南シナ海問題について韓国も自らの考えを表明すべきだ」と発言した。これは韓国にとって決して見て見ぬふりをできるような軽い問題ではない。韓米同盟の基盤を一層確かなものとし、これをより戦略的な同盟へと格上げするためには、東アジアの安全保障に大きな影響を及ぼす中国の問題について韓国も自らの考えを率直に伝え、対話を通じて米国と共通の認識を広げていかねばならない。

 米国は韓日関係の改善と韓米日による安全保障政策での協力強化を望んでおり、この次元で韓国がもう少し前向きな態度を取ることを望んでいる。米国は韓国の安全保障に果たす日本の役割、つまり韓半島(朝鮮半島)有事の際の後方支援を以前からずっと強調してきた。一方の韓国も韓日関係の改善に努力しており、これについては米国も一定の評価をしている。しかし韓国は中国の反発を恐れ、韓米日による安全保障協力については今なお消極的な態度を取り続けている。しかしいずれ両国はどこかで一致点を見いださねばならない。例えば安全保障分野の中でも非戦闘面で協力可能な分野を模索するのであれば、中国の反発もある程度かわすことができるはずだ。また韓米日の協力関係が一層緊密になれば、米日同盟の緊密化に対して外側からの批判ではなく、内側の立場からけん制することも可能になるだろう。

崔剛(チェ・ガン)峨山政策研究院副院長
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