【コラム】中国はどんな国になろうとしているのか

 2000年代初めは中国にも「いつの日か私たちも西方の影響を受けて、北欧式社会民主主義と多党制へと発展するだろう」と語る知識人が少なくなかった。しかし、習近平体制発足を前後して「中国の現実には共産党体制が合っている」という論理が主流になった。インターネット上は多党制の欠点や西側の政治の弊害に関する書き込みがあふれ、知識人の間にもこうした認識が広まっている。

 習近平主席は「中華民族の偉大なる復興」のモデルとして、強大国だった唐についてよく言及している。唐は中国の歴史上、異例なほどの包容力と多様性を示した真の大国だった。新羅の崔致遠(チェ・チウォン)や金雲卿(キム・ウンギョン)のように外国人も試験に合格すれば官僚になれたし、軍隊も匈奴(きょうど)・鮮卑・高句麗などの外国人が将軍として活躍できた多民族軍だった。外国の制度や思想、文化も盛んに取り入れ、中国のものにした。

 こうしたことと比べると、今の中国は開放度や多様性という面で後退しているという印象が否めない。中国政府はこのほど新しい国家安全法を作り、インターネット・宗教・経済・金融・エネルギーまで国家安全保障の観点から統制することにした。

 中国が周辺諸国を対等に考えて尊重し、協力・共生する平和志向の大国になるのか、それとも他国の制度や価値を認めずに自国の基準にばかり固執する覇権国になるのか、地球上の全ての人々が見守っている。もし後者の道を選ぶなら、世界は中国の台頭を大きな脅威と感じるだろう。

池海範(チ・ヘボム)北東アジア研究所長
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