父ちゃんがキャバクラに通っていました
悩み事があってずっともやもやしているので吐き出してみよう。
先月、母ちゃんと父ちゃんが2人暮らししている実家に帰った。
ある平日の夕方。母ちゃんは仕事、母ちゃんより早く帰ってきた父ちゃんは一番風呂を楽しんでいた。18時前くらいだったか。
父ちゃんの携帯が鳴った。仕事の電話だったら知らせてあげたほうが親切だと思って携帯を覗く。私、未だに10年前の思春期を引きずっていて、父ちゃんとはどう接したらいいか分からない。そう思うと、飾り気のない単純な会話の種になりえると思い立ったのかもしれん。
みき@××(キャバクラの店名)という名前と、新宿歌舞伎町の区役所通りの看板でよく見るグルグル巻いた髪とバサバサのつけまつげを付した女性の顔写真。
超かわいい子だった。店名と名前からプロフィールをググってみたら同い年だった。
貧乏で、共働きで、移住したくて、貯金していて、父ちゃんは過去にもいろいろやらかしていて、その度反省して、母ちゃんは500円のTシャツばかり着ている。悔しくて、情けなくて、キモくて、腹が立った。
だから、私は風呂あがりの父ちゃんに、大きめの声で言った。え!とびっくりして、しばらくした後、もう行かないと言っていた。母ちゃんには内緒にしておきたかった。面倒だと思ったから。母ちゃんが帰ってくる前に話し合いは済んだ。平和的解決、自分は救世主だと思った。
仕事で使うからと、3万円を母ちゃんに貰っては夜から出掛けることもあったし、LINEのアイコンとかカバー画像とかも頻繁に変えていた。そういうことに無頓着でオンチなあの父が。怪しいといえば怪しかったし、過去の事件も踏まえるときっと母ちゃんは勘付いていたんだと思う。それでも母ちゃんが何も言わないのはなぜだったか。
母ちゃんが守っていたものを、ひょっこり帰ってきた来客がつぶさに明らかにして壊してしまったんだ。
そもそも別にキャバクラくらいいいじゃないか。私ももう25歳。
父ちゃんだって今まで私を育てるために仕事頑張って、仕事が終わって帰ってきても自分の部屋もなくテレビくらいしか楽しいことがなくて、母ちゃんはネットでいろんな化粧品買って楽しんでる。キャバクラ嬢の友達何人かいるけど、別にどうってことない。
益々父ちゃんと話する機会を失ってしまった。人間として超嫌いだけど、父は父だ。感謝しているし人生を楽しんで欲しいし、幸せになってほしい。
私はもう25歳。
言わなきゃよかったと自責したときにはもう、母ちゃんも帰ってきていて何事もなかったかのように普段の父ちゃんに戻ってしまっていた。ごめんよ父ちゃん。ごめんよ母ちゃん。