悲しいことではありますが、大きな事故が起こると、きまってインチキがばれてしまいます。
そして、今回も、どうもいろいろばれてきたようです。

「騰訊財経(腾讯财经)」(teng2 xun4 cai2 jing1/トンシュンツァイジン)というニュースの記事ですが、小呉(小吴)(xiao3 wu2/シャオウー)さんの話が出ていました。

「小呉(シャオウー)さん」というのは適切ではないかもしれません。

中国語では、苗字の前に「小」(xiao3/シャオ)をつけると、…ちゃん、という意味になります。
小呉さんでは「呉ちゃんさん」になってしまいます。

よって、一応、ニュース記事ですから、ここは、呉さん、と訳しておきましょう。

呉さん、北京に出張していました。
すると、天津塘沽(tian1 jin1 tang2 gu1/ティェンジンタングー)の港附近で、爆発があったことを知ります。

実は、呉さん、2013年に、万科海港城(wan4 ke1 hai3 gang3 cheng2/ワンカーハイガンチョン)二期のマンションを購入していました。

何と、今回の爆発地点から約700m離れたところです。

また、呉さんの友人がいました。
「同学」(tong2 xue2/トンシュエ)とあるので同級生のようです。
2007年、ある天津の大学を卒業し、天津の税関に勤めていました。

この友人も、呉さんと一緒に、万科海港城二期を購入しました。
そして、残念ながら、今回、家の中で亡くなってしまったのだそうです。

爆発地点周辺マンションの写真が出ていますが、ほとんどのガラスが割れてなくなっています。
飛び散ったと言った方がいいかもしれません。

あんなものが、ものすごい速度で飛び散れば、それこそ鉄砲玉と一緒で、当たったら一巻の終わりでしょう。

部屋にいた人が負傷するのも当然かもしれません。

呉さん、もともと別のマンションを気に入っていましたが、そちらは隣が化学工場であったため断念し、こちらの万科海港城を選んだそうです。

万科海港城は、一期が2011年に完成し、2013年に二期が完成しました。
約3370戸あるそうです。

2014年には三期の販売を始めましたが、こちらは1304戸あります。

ネットで価格相場を調べてみると、大体10000元/m2から12000元/m2の部屋のようです。

恐らく、今後は、誰も買わなくなるでしょう。
天津に、また一つ「鬼城」(gui3 cheng2/グイチョン)が出来てしまいました。

呉さん曰く、購入当時、開発商の「万科」(wan4 ke1/ワンカー)から、近くに化学品倉庫があるとは一切聞かされなかったそうです。

これはこれで、今後もめそうな感じがします。

2001年に国家安監局が出した基準では、化学品倉庫は、公共建築物から少なくても1000m離れている位置に設置しなければならないと定められています。

もっとも、中国の法律ですから、なんちゃってであり、言っているだけの部分はあります。

化学品倉庫から500mしか離れていない土地を、どうして開発商は手に入れることができたのか、ちょっと問題がありそうです。

また、お役所はどうして開発許可を出したのか、これも何だかいろいろありそうです。

インチキしていても、ばれないうちは構いませんが、ひとたびばれてしまうと、いろいろな問題が出てきます。
そして、これからもっと出て来るのだと思います。

まあ、そういうものかもしれません。


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