日本でも報道されていますが、今回の天津大爆発では、どうも、化学品に放水したことが、爆発の一因になったようです。

別に、日本だけが言っている訳ではありません。
こちらの記事でも、そう言っているところがあります。

私ははじめ、日本の記事で知ったので、その後、こちらの記事ではどうなっているか興味を持ち、検索をしてみました。

すると「消防員未被告知不能用水滅火(消防员未被告知不能用水灭火)」と題した、それらしい記事を見つけます。

消防隊員は、水を使って火を消してはいけないと知らされていなかった、というものです。

これだ、これだと思って、クリックしてみます。
すると、このページは存在しません、と出てきました。

なるほど、どうも、そういうことのようです。

ただ、見るなと言われれば見たくなるのが人情です。
ここで諦める訳にはいきません。

この言葉をキーワードにして検索をかけ、何とか見つけることができました。
さすがに、すべては削除できなかったようです。

「南方週末(南方周末)」(nan2 fang1 zhou1 mo4/ナンファンジョウモー)の記事です。
政府に批判的なことも書く勇気あるメディアとして知られていますが、ただ、親会社はやっぱり広東省の共産党委員会です。

恐らく、仲良くないのでしょう。

まず、記者は、北京の消防隊員に質問します。
そして、化学品によって異なる消火剤を用いる、カーバイド「電石(电石)」(dian4 shi2/ディェンシー)は、水に出会うと反応するので、水を使ってはいけない、これらはすべて習うことだ、という回答を得ます。

それから、病院で手当てをしている天津の消防隊員に聞きました。
すると、最初に火災現場に向かったのは大体100名ほどで、ただ、水を使ったら危険だということは誰にも言われなかったそうです。

そして、コンテナに向けて10分程放水していると、音がして、コンテナが光り、爆発したということでした。

記事にはいろいろと書かれていますが、これだけ見ても、どうも、今回の爆発は消火活動に問題があったような感じがします。

この記事を削除したくなる気持ちもわからないではありません。

恐らく、政府の意を酌(く)んだメディアでしょう。
別の記事では、現場の消防隊員がそんな初歩的なミスはするはずない、皆、ちゃんと教育は受けている、というお役人の言葉が紹介されています。

また、一般市民からの通報であったため、通常の火事だと思って放水したのだ、消防隊員に罪はない、と擁護する意見もありました。

どちらが本当でどちらがウソだという判断はできませんが、どちらがウソっぽいかを推測することは可能です。

どうも、人災という言葉が頭をよぎるのでした。

ただ、人災なんて認めてしまったら、責任問題で大変なことになってしまいます。

よって、記事は、消防隊員が如何に大変かを紹介するものになってきました。

30時間寝ていないそうです。
本当に、消防隊員の方は大変なご苦労をされていると思います。

犠牲になった消防隊員の話などされては、誰も文句を言うことはできません。

ただ、何だかどこかで見かけた光景です。

長江の旅客船「東方之星(东方之星)」(dong1 fang1 zhi1 xing1/ドンファンジーシン)が沈没した際も、とにかく救助する兵隊さんを前面に出していました。

そして、そのまま、事故原因を究明することもなく、何となくうやむやになってしまいました。
中国語では「不了了之」(bu4 liao3 liao3 zhi1/ブリャオリャオジー)と言います。
中国政府得意の必殺ワザです。

恐らく、今回もこの必殺ワザで、困難を乗り切る魂胆でしょう。

事故原因がわからないので、今後の対策に活かすこともできません。
そしてまた、将来同じような事故が起こる、悲しいことですが、そういうことのようです。


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