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【社会】池袋で車突っ込み5人死傷 医師逮捕「居眠りしていた」
十六日午後九時半ごろ、東京都豊島区東池袋一のJR池袋駅近くで、乗用車が歩道に乗り上げ、交差点角にある衣料品販売店「ZARA」に突っ込んだ。歩行者五人がはねられ、板橋区成増四、薬剤師江幡淑子(としこ)さん(41)が頭を打って死亡した。ほかに、女性(27)が骨盤骨折するなど、男性(25)、三十七歳と七十一歳の女性の計四人が重軽傷を負った。 池袋署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、乗用車を運転していた北区王子三、医師金子庄一郎容疑者(53)を現行犯逮捕。同法違反(過失致死傷)容疑に切り替えて調べている。同容疑者も左手首を骨折し治療を受けた。 署によると、金子容疑者は「歩道に突っ込んだ記憶はない。疲れていて居眠りしていたので、覚えていないのかもしれない。駅近くでラーメンを食べて車に乗った」と供述している。 乗用車は池袋駅東口前の地下駐車場を出て右折専用車線を一時停止後、交差点を標識通り右後方に曲がらずに約五十メートル先の衣料品販売店に突っ込んだ。現場にブレーキ痕はなかった。逮捕時、金子容疑者の呼気からアルコールは検出されず、車内から薬物などの不審物は見つかっていない。これまでのところ薬物反応も出ていないという。 金子容疑者は十六日午後一時ごろ、墓参りのために自宅から一人で乗用車に乗り、横浜市内へ行った後、池袋で食事をして再び車を運転した。 池袋駅近くでは、昨年六月、危険ドラッグを使った男が車を運転し、歩道を暴走して歩行者七人を死傷させる事故が起きた。 ◆「何が悪い」暴れる容疑者「早く救急車呼んで!」 激しい衝突音と悲鳴がお盆休み最終日の十六日夜、人通りの多い池袋の繁華街に響いた。衣料品販売店に突っ込み、ボンネットがつぶれるほど激しく衝突した車の周囲で、はねられた複数の歩行者が車の下敷きになったり、五メートル以上はねとばされたりして倒れていた。店の正面のガラスが飛び散り、多くのパトカーや救急車が続々と駆けつけ、現場は騒然となった。 「バン、と雷が落ちたような音がしたと思ったら車が店に突っ込んでいた」。現場の向かい側の歩道を歩いていた埼玉県の会社員柳下(やぎした)陽平さん(22)の視界を、スピードを出して走る車がかすめ、直後に衝突音がした。 車を運転していた金子庄一郎容疑者はしばらく車内から出ず、警察官に引っ張り出されるように外へ出た後、「何が悪いんだ。捕まえろよ」などと怒鳴り、両手を差し出すしぐさを見せると、いきなり暴れだしたという。このため、目撃者たちが警察官と協力して金子容疑者を地面に押さえ付けた。柳下さんは「怒っているような態度だった」と振り返った。 一夜明けた十七日、衣料品販売店の壁際に花が手向けられていた。店はガラスが割れた部分を白いシートで覆って営業。歩道には普段通り、多くの買い物客や会社員らが行き交った。 PR情報
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