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とっと氏の秘密基地

現在社会人1年目、土と家を相手に奮闘中。書評記事多め。将来に向け今は知識の充電期。

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一時の情報か、一生の知識か。「読んだら忘れない読書術」

「本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまう」
「せっかく読書をしても、記憶に残っていない」
「凄くおもしろかったのに、少し時間がたつと内容が思い出せない」

 あなたも、こんなふうに思っていませんか?  − p.1 「はじめに」

はーい!はーい! 思ってるー!!

 

 おはようございます。とっとです。

 誰かと話しているとたまに、自分がよく読んでいる作家の話になったりしますよね。そんな時、「その作家の本おもしろかったよ〜」ということはよくあると思います。問題は、そこから。
「◯◯って題名のが一番かな〜、なんかね〜、ホント、おもしろいよ、ホント、ヤバかった」

 

お前の説明が一番ヤバいな?

 

 なぜおもしろかったのに内容を思い出せないのか。自分の健忘症はすでに始まっているのか。本当はおもしろくなかったのか。得体の知れない高揚感、明日からの人生に対する希望に満ちたあの時間はなんだったのか。あの日あの時あの小説を読んで、お前は変わったんじゃなかったのか。「この主人公みたいに、おれも葛藤にまみれながらも愚直に生きていくんだ♩」みたいに根拠の薄い勇気を誓ったんじゃなかったのか。

 全部忘れるから人間って怖い。

 そんな私は最近書店で見つけたこの本を読みました。

読んだら忘れない読書術

読んだら忘れない読書術

 

 

どうやらこの点で悩んでる人は多いらしい

 せっかく読書が趣味なのに、女の子と好きな作家の話題になった時に、その作家の著作について表現豊かな感想を述べられない。それは読書系インドア男子からしたら死活問題なのかもしれない。
 夢にまで見た女の子との会話ネタ。なんならその後、本の貸借りに発展しそのうち本屋デートするようになってお互いの家で読書会を開くようになってそのままきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!
 なんて高校時代を過ごせるかもしれない。なお、私は高校時代、当時世界トップクラスの人見知りを発揮し、その名が高校中に轟くことは当然ない存在として君臨していた。数少ない友達の男子には、女子とまったくコミュニケーションをとらない理由を「おれ女子嫌いだし」とかいう意味不明の強がりとして表明していた。バカだ。
 女の子大好きぃ! 私、女の子大スキィィィィ!!! ひぃぃぃぃぃはぁぁぁぁぁぁっ!!!!! といったように、欲望ゼンカイで学校中を敵に回したほうが幸せな人生だったかもしれない、と、今は当時の塞ぎ込み具合を後悔している。
 現在も女子と喋るのは得意ではない。なんならコミュ障。女の子は大好き。

 本題に戻る。

 読んだ本の内容が頭の中に入らないことで悩んでる人は世の中に多いらしい。それは上記の私のような悩みもあるのだろうが(ないかな)、多いのは「自己啓発書を読んだのに身につかない、三日坊主になってしまう」などといった、自己改善を実現しようとしている尊敬すべき崇高な意識を持った方々の悩みであろう。

 なぜそんな悩みが多いといえるのか。それは、上で紹介した本がよう売れてるから。私がこの本を購入した2015年8月10日時点で発行部数は10万部を突破していた。今のご時世、本が10万部ってすごい。いくら花火が160万発上がったとしても。読書術や、読書を勧めるような内容の本は世の中にごまんとある。先日紹介したこの本もそうだ。

 

totto.hatenablog.com

  「ごまんとある」ということは、それだけ「需要があるテーマ」ってことだと思う。需要があるってことは、みんなが悩んでるってこと。だから、正直、割と内容が悪くても、「それっぽいこと」書いとけば売れるんだろうなぁという気がする。
 そんな本があると言っているわけではない。そもそも書いてる人は誰だって本気で書いてると思うし。著者の文章表現が読者一人ひとりとの感性とズレた時に、「こいつそれっぽいこと言ってるだけだな」という感覚の亀裂が生まれるのではないか。
 我ながらそれっぽいこと書いたなあ。

この本を選んだ理由

 よくわからないタイミングで自分の読書感をさらけ出してしまった。
 私はAmazon先生を仲介して本を購入することが大半だ。しかし仲介時に本を吟味することはない。あくまで決済をするだけ。理由はただ一つ、現金で本を買うのが苦手なのだ。
 いまだに学生の感覚が抜けないというか、野口英世を2枚同時に出す勇気が出ない。欲しい本自体は日々溢れてくるのに。(現在Amazon先生の欲しいものリストは書籍だけでも100を軽く上回っている)
 そこで、Amazon先生の出番である。これなら迷うことなく決済できちゃうから人間ってこわい。昨日も12冊、15000円分もポチっちゃった♩ ←数週間後には給料日を迎えたばかりなのに餓死寸前の自分が想像できる。

 余談が長い。

 この本を選ぶ人は、
・「読んだ本に書かれていたノウハウを確実に自分のものにしたい」
・「効率的に最低限のコストで自分の知識を増やしていきたい」
・「隣の席のあの娘とアハハハハ」
などの理由が多いであろう。

 対して、今回の私の購買理由はコレ。


「著者が札幌、しかも札医大出身」

 

 これに尽きる。

 もちろん他の理由もないわけではないが、買うかどうかの決断にそれらの理由は全く関係なかった。
 私は書店で気になる本に出会った時、まず「まえがき」、次に「目次」を読んでおおよその内容とその人の文章感を確認し、最後に著者略歴を読む。買うかどうかは著者略歴で決めることが多い。「この人、おもしろそう」が結局一番大事なのだ。

 私は大学時代、札幌医科大学の近くのとあるスポーツ施設でとあるスポーツにとにかく、とにかく打ち込んだ。打ち込みすぎた。夜の練習中に怪我をした時には、札医大の付属病院の救急でお世話になったこともあったし、施設に向かう時には医大内の遊歩道を必ず通っていた。馴染みのある場所なのだ。そんな馴染みの場所で同じように学生生活を送っていたであろう著者、樺沢紫苑氏が書いた本が、よく売れている。んなもん買うしかないってもんだ。

んで、買って読んでどうだったの?

 気が付いてしまった。まだ書評まったくしてない。

 結論から言うと、良書だと思いました。読書をしていく上での良いバイブルでしょう。この本に従ってれば、誰がやっても、少なくとも効率のよい読書にはなるのではないか。

 覚えるためにすることってのは、実はおおよそ限られていて、みんな頭の中では知っている・分かっているんだと思います。ただ、面倒くさい。みんな、誰かスーパーなヒーローが、「これなら呼吸しているだけで覚えられるゾ!」なんつって画期的な方法を提示してくれるのを待っている。

 本書の内容も、言われてみれば「いや、そうなんすよね」と思うことが多かった。ただ、すんなりと「いや、そうなんすよね」と思えるってことは、それだけ読者を当事者に引き釣り込めてるということではないのか。要は読みやすいってことだ。おもしろい小説だって、「そうだよなぁそうだよなぁ」と、自分の経験を懐かしんだり、主人公に同情したりして感情移入するもんだ。それと一緒だ。

 覚えていない、つまり「記憶」に残っていないということは、それは「知識」としてあなたの中に定着していないということ。もっといってしまえば、その読書はなんの役にも立っていない、ということと同じなのです。 − p.2 「はじめに」

そうなんすよね。えぇ。

わかってはいるんですがねぇ。

 じゃあ、どうすれば頭に残る、身につく読書が可能になるのか。著者は、忘れない読書の基本を「3回のアウトプット」・「スキマ読書」・「深読」というキーワードを用いて説明している。
 私が特に大事だろうなと思ったのはアウトプット。これは著者も最初から最後まで重要と述べ続けている。これは、他の読書術ノウハウ本でもよくいわれている部分ではないか。ビジネス書でも一緒だ。やっぱり、知識を活かそうとするかしないかの問題で、興味を持って読むべきなのだ。

 ですから、「おもしろそう!」と思って本を買ったなら、買った直後からすぐに読み始めることです。 − p.138 第4章

 確かにこのタイミングが一番脳に定着しそうである。

「固め読み」したほうが圧倒的に記憶に残りやすくなります。
 同じジャンルの5冊の本の間で相互に関係性が生まれるので、意識しなくても比較・対照しながら読むことになります。 − p.182 第5章

 これなども重要なコツだろう。また、ジャンルが類似した中でもより読みやすい「入門書」から入り、より高度な、専門性の高い本へと切り替えていく読書術もオススメされている。著者はこの読書術を「守破離読書術」と名付けている。

まとめ

 長くなってしまった。正直、自分の購買理由のくだりなんていらなかった。しかし、どうしても書いておきたかった。それこそ忘れないように。だって、自分が生まれた年に札医大卒業とか書いてあったんだよ?

 それって、運命ぢゃん☆?

 

 私が一番感じたのは、「やらなきゃいけないことは単純。あとは、やるかやらないか。」ということ。
 私はこの本に対して1500円の投資をした。読むために2~3時間は費やしたはずだ。相当な投資をしたわけだ。リターンがないのは論外だし、1500円で返ってきても意味はない。5倍、10倍のリターンにしなければならない。

 この本には数倍のリターンを手に入れるためのノウハウが分かりやすく簡潔にまとめられている。著者の言葉を借りるならば、

 本に書かれている通りの方法を忠実に実践すれば、ほとんどの場合、悩みは解決するか、少なくとも軽減するはずです。 − p.44 第1章

 なので、私はこの本の教えを守って読書に励んでみようと思いました。著者は精神科医でもあるため、心理学やら脳科学やらの話も随所に顔を出してきます。それがまたおもしろかったです。

 最終章では、読書家である著者のオススメ本もまとめられています。オススメはそれぞれの感覚によってしまうものですから、必ずしも自分に適するとは限りませんが、おもしろそうだなと思った本を読んでみてます。

 忘れたくない本がある人、必読です。

以上!