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出会いはお尻から
まだ着地点が見えていません。
自分の中で今だ設定やストーリーが二転三転しておりまするが、とりあえず一歩を踏み出したって事で。
「ありがとうございました~」
俺は店員の声を背に受けて店を出る。今日は予約していたパソゲーを受け取りに久しぶりに駅前まで
足をのばしていた。
普段の俺なら駅前に出るたびに、決してひがんでいる訳ではないんだがカップルについ目がいってしまい
(リア充爆発しろ・・・)
などと心にも無い事を思ってしまう。
ところが今日は待ちに待ったパソゲーの発売日、そんな些細なことに関わっている暇は無いのだ。
主人公は極端な二面性を持つ大実業家の息子、まぁよくあるシチュだな。
そいつの屋敷にメイドとして十数年ぶりに再会した幼馴染と愛を実らせていく純愛ストーリーと、
同じくメイドとしてやってきた別の少女を奴隷へと調教していく鬼畜ストーリーが同時に楽しめるってのが
ウリなんだが・・・
どっちつかずって事はないだろうな・・・
まぁ幼馴染も少女も自分好みのキャラメイクが出来るししばらくは楽しめるだろう。
あ、俺の名前は「峰元 陸」(みねもと りく)しがない三流大学の三回生だ。
独り暮らしってか、天涯孤独の身で気ままに暮らしている。
まぁ正確に言うと五年前にガキよりもガキっぽい親父が行方不明になり、その三年後に
母親が「バカ親父を連れ帰る」と書置きを残していなくなった。
俺自身はその内にひょっこり戻ってくるだろうって感じで、あんま深刻には考えてない。
蓄えはそれなりに残してくれてたので、こうして学生をやっていけてるしね
しっかしそろそろ就職やらなんやら考えんとな~
ま、それよりも今はパソゲーだ。
なんにせよ早く帰らねば、晩飯を買いに出なくていいようにコンビニ弁当も買ったし準備万端!
と、ちょっと早足で角を曲がるとそこには見慣れぬ光景が・・・
(お・・・尻?)
ユラユラと小さいお尻が揺れている・・・
スカートが汚れるのも気にせず地面に膝をついて腰を上げているんで
ことさらお尻が強調されてユラユラと・・・
左右にお尻を揺らしながら少しずつ前に進んでいる・・・のか?
どうやら探し物をしているのかフードを被っていて見えない顔は地面スレスレにまで近づいているよ。
(自販機の前でおっさんがやってるのはたまに見るけど、こんな道の真ん中で女の子がってのは初だな)
少し離れて横を通り過ぎようと歩いていく。すると見えてなかった頭の部分がみえてきたのだが
(うぉ)
フードの下からサラサラとした綺麗な金髪が揺れていた。これまた汚れるのを気にしてないのか毛先が
地面に触れてしまっている。
(歳の頃なら小学校中学年ってトコか・・・しかし最近の親は何を考えてんだか、こんな歳から脱色なんかしてたら髪も痛むし教育上よろしくないやろうに)
「う~・・・ぐずっ・・・う~・・・・ヒック・・」
小さな声で泣き声が聞こえる。辺りを見ると世話好きそうなオバチャン達がいるのだが遠巻きにヒソヒソと話しをしているだけだ。
(いくら金髪に脱色してるからって、こんな小さい女の子が泣いて探しもんしてるみたいやねんから、
助けてやれよな~)
「う~う~・・・ぐすっぐしゅっ・・・」
(俺は大事な用があるんやし・・・)
「ひっく・・・ひっく・・・」
(あのオバハン共には母性本能ってモンが無いんかよ・・・)
おそらく必死で泣くのを我慢しているが涙が勝手に出ているのだろう、しきりに目に手をやっている。
相変わらずサラサラの金髪が汚れようが真っ白のスカートが汚れようがお構いなしに地面を這うように
探し物をしている。
(俺は・・・ちょっと探し物を手伝う位ならイイか)
と、思って足を止めた瞬間に彼女も気配を感じたのか一瞬動きが止まったかと思ったらユックリと顔を 上げた。
(やられた・・・こうゆう事か・・・)
ユックリと上げられた顔は涙と鼻水でグチャグチャなっていたが、その両の眼は青い輝きをはなっていた。
(青い瞳と金髪・・・外人の女の子か~それでオバハン達も見てるだけやったんやな・・・って事はおそらく言葉が通じないと見た)
じっ
(うっそんな青い瞳で見つめられても)
じ~~っ
(言葉が通じんと何を探してるのかもわからんし・・・)
じ~~~~~~~っ
(最悪保護者探しまでしないとアカンはめに・・)
じ~~~~~~~~~~~っ
(何とか何事も無かったかのように逃げ出せ・・)
じ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ
(・・・負けました)
まぁパソゲは逃げないしと心を決めて、女の子のそばに寄ってしゃがむ
「あ~~・・・何を探してるん?手伝おうか?日本語解る?」
女の子が怖がらないように注意しながらユックリと笑みを浮かべながら声をかけてみる。
一瞬きょとんとした表情を浮かべた後、一生懸命何かを思い出そうとしてる。
唐突に笑顔になったかと思ったら
「キューコン!」
「へ?」
「キューコン!!」
「きゅ・・球根?」
俺の言葉を聞いて満面の笑みを浮かべ何回もうなずきながら、左手を握ったり開いたりしている。
「球根ね~」
手を握ったり開いたりしてるって事は、左手で握ってたのを落としたのか。
頭をかきながら腰を上げて周りを見渡す。アスファルトの上に球根なんぞが落ちてたらすぐに目に付く
はずなんだが・・・まぁこの娘がこんだけ探してて無いんやから無いわな~
しかし球根なんてこちとらチューリップかヒヤシンス位しか知らんし、物によっては思いがけない形してるとか?もう一度しゃがんで球根と言いながら手で色々な形を作ってみる。
最初は不思議そうな顔をしていたが俺の意図が解ったらしく、小さい手で小さい丸を作った。
(思ったよりも小さい球根やな~らっきょうサイズか?まぁあれも球根っぽいっちゃ~そうだが)
とりあえず、らっきょうサイズの球根が落ちてないかもう一度周りを確認してみる。
「ん~やっぱ無いか~。ここに来るまでに落としたんかな?」
仕方ない、乗りかかった舟やし球根探しに付き合うか。しかし泣く程大事な球根ってどんな球根だよ
いったい。
俺は駅から来る動きと駅に向かう動きをジェスチャーで表現してみると、駅から来る動きに頷く。
(んじゃ~こっから駅までの道のりを探しながら戻りますか。駅前には交番もあるし最後は警察に任せよう)
そう決めると、まずポカーンと座り込んで俺を見上げている女の子を立たせてあげる。
案の定、サラサラの金髪やスカートが汚れてしまっていたのでポケットからハンカチを出して綺麗に払ってあげる。それから今度は弁当を買った時に貰ったウエットティッシュで涙の跡や鼻水を綺麗に拭いてあげる。こんな顔のまま連れて歩いてたら間違いなく通報モンやからな。
綺麗に拭いた後にニッコリ笑うと女の子も笑い返してきた。
(えっ・・・むっちゃ可愛いやん)
肩口まである軽くウエーブのかかったサラサラの金髪に青い瞳、年相応のあどけなさを残しながらも整った顔立ち。こりゃ~ロリコンにはたまらんやろうな。残念ながら俺にはロリコン趣味は無いので
もう10年成長した後に出会いたかったなどと考えながら駅の方を指差して歩きだした。
「ん~無いな~」
キョロキョロと球根を探しながら歩いていると、不意に左手に温かみを感じる。
そっちを見ると女の子が恐る恐る俺の手を握っていた。怒られると思ったのだろう、そっと力を抜いて
手を離そうとした。
(言葉も通じないし球根は無くすしで不安でたまらんのやな)
離れかけた手を俺の方からしっかりと握ってやる。女の子は少しビックリした顔をしたが、すぐに頬をピンクに染めながら満面の笑みを浮かべてしっかりと握り返してきた。
(俺・・・ロリコン趣味・・・無かった・・・よな?)
俺は自分でも顔が赤くなるのを感じながら照れ隠しの為に、キョロキョロしながら球根を探しだした。
しかし・・・
さっきから妙な視線を感じるような気がするのは気のせいかな~
遅筆ですが、宜しければお付き合いの程を。
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