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【安倍政権考】
仰天論法 朝鮮学校無償化不適用はヘイトスピーチ!? 強まる無償化“圧力”
こうした政府側の一貫した態度に、無償化を目指す勢力が目をつけたのが、5月に民主党と社民党などが参院に提出した人種差別撤廃施策推進法案だ。ヘイトスピーチを取り締まる根拠となる。
菅義偉官房長官も7月2日の記者会見で、ヘイトスピーチをめぐり「具体的に何が問題になったか、しっかり調査していくべきだ」と述べ、実態調査に乗り出す考えを表明するなど積極的だ。さらに、公明党議員らも同日、菅氏と面談し、ヘイトスピーチに絡み差別撤廃政策の徹底を求めた。
無償化不適用は“差別”
7月22日には、ヘイトスピーチ対策法成立を目指す集会が国会内で開かれ、法案の審議に直ちに入るよう求める決議を採択した。
集会は「外国人人権法連絡会」などが主催し、民主、社民両党の議員ら約10人も参加した。関係者によると、龍谷大法学部の金尚均教授は基調講演で「在日特権を許さない市民の会(在特会)による朝鮮学校への襲撃が下からのヘイトスピーチだとすれば、朝鮮学校の高校無償化適用外という政府の措置は上からのヘイトスピーチだ」と指摘。その上で「政府は朝鮮学校が朝鮮民主主義人民共和国と関係があるからとして高校無償化の対象外にしている。これにより、日本社会の中で『この人たちは別に扱っていい』という雰囲気を作り上げ、適用しないことを当たり前のこととしている」と分析した。