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【ビジネス解読】上海株暴落で崖っぷちの現代自動車 従業員年収はトヨタより上 新車投入も後手に…

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【ビジネス解読】
上海株暴落で崖っぷちの現代自動車 従業員年収はトヨタより上 新車投入も後手に…

中国市場減速の影響を最も受けるかもしれない現代自動車。販売台数の2割強が中国向けだ。写真は現代自動車のショールーム=ソウル市(AP)

 実のところ、現代自の落ち込みは単に市場の減速が原因ではない。価格の安いスポーツタイプ多目的車(SUV)で競争力を増した地場メーカーや中国向け戦略車で攻勢をかける日本勢との競争が激化する中、新車投入でなどで後手に回り劣勢に立たされているという状況があり、より深刻だ。すでに現地工場の一部では減産が行われているもよう。5月に9.5%だった現代・起亜の市場シェアは7%台に低下するとみられており、先行きの5%割れの観測も出ている。そこに追い打ちをかけた上海株暴落はまさに“泣きっ面に蜂”なのだ。

シェア低下 新車攻勢で後手に回る

 もちろん、苦境の現代・起亜グループも手をこまねいているわけではない。9月以降にはSUVの新型「ツーソン」とセダンの新型「K5」を投入する。ただ、ゾンビ相場の成り行きによっては、せっかくの反転攻勢策も不発となる恐れがある。

 市場シェアを日本勢や中国地場メーカーに奪われている苦しい最中、保有株の値下がりで含み損を抱えた消費者が新車購入を手控えて市場の成長鈍化が強まれば、販売増の武器となるはずだった新工場は一転して過剰設備として経営の重荷になりかねない。しかも、現代自に1年先駆け、2017年にはトヨタが広州で年産10万台の新工場を稼働させるという間の悪さもあり、中国5工場体制の見直しを迫られる可能性は否定できない。

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