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【ビジネス解読】
上海株暴落で崖っぷちの現代自動車 従業員年収はトヨタより上 新車投入も後手に…
中国市場が世界販売の2割強
現代自にとって、中国市場は世界販売台数の2割強を占める最大の売り先。しかも、6月23日には内陸部の主要都市、重慶に現地で5番目となる新工場を着工したばかりだ。中央日報(電子版)による韓国経済新聞の報道などによると、着工式に出席した現代自の鄭義宣(チョン・ウィソン)副会長は「(中国)西部にも拠点を確保し、名実ともに全国規模のメーカーとして成長する」と述べ、拡大戦略に自信を見せていたというが、このときは上海株の暴落など夢にも思っていなかっただろう。新工場には、提携先の北京汽車集団と合計10億ドル(約1200億円)を投資。年産能力は30万台で、フル稼働する2018年には傘下の起亜自動車の工場も合わせた中国全体の年産能力は270万台に増え、最大市場でのシェア拡大の牽引(けんいん)役が期待していたが、その戦略の歯車はどうも狂いそうな気配なのだ。
聯合ニュース(電子版)によると同社の6月の中国工場における販売台数は約6万台で、前年同月比30.8%減と大幅に落ち込み、傘下の起亜自動車も3万8000台で同26.5%減少した。6月の中国新車販売は前年同月比2.3%減の180万3100台と、リーマン・ショック後の2009年1月以来、ほぼ6年半ぶりに3カ月連続で前年水準を下回っており、苦戦はある程度やむを得ないだろう。だが、同じ6月にライバルの日本勢はトヨタ自動車が同41.7%増、ホンダも26.1%増と大幅に販売を伸ばしている。