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英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【スポーツ】清宮出た!甲子園1号 清原、中田超えた1年夏7打点2015年8月16日 紙面から
◇第97回全国高校野球選手権<第10日> 早実8−4東海大甲府早実に勝利を呼ぶスーパー1年生、清宮幸太郎一塁手が甲子園初アーチでチームを9年ぶりの準々決勝へ導いた。4万5000人をわかせた1号は3回に右翼へ勝ち越し2ラン。6回に走者一掃三塁打も放って、公式戦自身最多の5打点。大会通算でも7打点となり、清原和博(PL学園)、中田翔(大阪桐蔭)が1年夏にマークした5打点を上回った。早実は8−4で東海大甲府戦(山梨)を圧倒。第12日(17日)に準決勝進出をかけて、九州国際大付(福岡)と対戦することが決まった。 16歳のアーチが甲子園を揺らした。早実の清宮が3回、右翼へ勝ち越し2ラン。この夏初の一発は、もちろん待望の聖地1号。手をたたいてダイヤモンドを回り、ベンチでチームメートと抱き合って喜んだ1年生は「この球場での1本は、これからの自分の人生にとってもかけがえのないものですし、特別なものです」と表情を緩めた。 東海大甲府・菊地の決め球のチェンジアップを狙った。カウント1−2から、真ん中に入ったウイニングショットを絶好の角度で打ち出した。「打った瞬間に入ったと思いました。空白の時間があったのち、すごい歓声で、映画みたいでした」。怪物の2ランに続いて主将の加藤も連弾。流れを一気に引き寄せた。 勝負を決めたのは6回だ。2死満塁で右翼線への走者一掃二塁打。2点差に追い上げてきた相手を黙らせた。1年夏の1試合5打点は歴史に残る快挙。しかも3試合連続打点で7点。打率も5割。和泉実監督(53)は「春先は(4番の)加藤にかかっている部分あったが、今や堂々たる3番です」と成長をたたえた。 そんな怪物は無邪気さも見せる。宿舎の貸し切り12階フロアを走り回ってはしゃぐ姿に、上級生は「精神年齢はまだ中学生」と笑う。打撃練習中には順番を並んでいるところに横入りしたりもするが憎めない。ファン待望の本塁打も出て、スーパー1年生は「打ちたい気持ちがなかったわけではない。少しは期待に沿えたかなと思う」とホッとした表情も見せた。 投手力を含めた守りが弱いといわれたチームは西東京大会を制して、甲子園でも、斎藤佑樹投手(現日本ハム)を擁して全国制覇した2006年以来の8強進出。引っ張っているのは清宮。何をするか分からないムードがある。「きょうは90点。まだまだこれじゃ満足できないんで全打席ヒットを打てるように頑張ります」。高校野球100年の記念イヤーに登場した怪物の目線は、限りなく高い。 (小原栄二) PR情報
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