鹿児島県の九州電力川内原発。
中央制御室で午前10時半に核分裂を抑えている制御棒を引き抜く操作をして原子炉を起動し、1号機を再稼働した。
福島第一原発事故を受けてつくられた新しい規制基準に基づく全国で初の再稼働で、福井県の大飯原発が停止して以来およそ1年11カ月ぶりに原発が再び動き出した。
川内原発前で抗議行動を続けていた市民団体など主催者発表でおよそ350人の参加者は怒りの声を上げた。
去年相次いで再稼働に同意した薩摩川内市長と鹿児島県知事は…これに対して宮沢経済産業大臣は…福島第一原発事故を起こした東日本大震災から今日で4年5カ月。
再び動き出した原発に福島で避難生活を続ける住民たちは…川内原発1号機は今日午後11時頃に核分裂の連鎖が安定して継続する臨界に達する見込み。
避難計画の実効性への懸念や巨大噴火の潜在的な危険性への備えなど様々な課題が山積する中で動き出した川内原発。
再稼働への評価が大きく分かれる中、国内のすべての原発が停止という状態が終わり日本のエネルギー政策は大きな転換点を迎えた。
本当に原発は安全なのか、その不安は全く消えないままおよそ2年ぶりに原発ゼロの状態が終わってしまいました。
安倍政権は、電力会社が最終判断と前面に立つことを避けながら着々と再稼働を進めようとしています。
原発の再稼働を迎えた今日、東京の国会周辺では再稼働に抗議する人たちの声が響いていた。
安倍総理は今日、山梨県内で静養中で総理官邸には姿を見せていない。
経済成長のためには欠かせないと原発再稼働を進める方針を明確にしてきた安倍政権。
では、再稼働にどう関わってきたのか。
民主党政権では当時の野田総理が福井県・大飯原発の再稼働について自ら地元の同意取り付けに動いていた。
一方、安倍政権。
原発事故の対応などについて国が先頭に立つとしているが…民主党政権時代につくられた原子力規制委員会が規制基準に適合しているかを判断。
その上で、電力会社が再稼働について最終判断するというのが安倍政権の説明。
自治体に対する説明は、経済産業省が中心となってきた。
ただ、原発の再稼働を控える自治体からもっと総理が関与すべきだという注文も出ている。
こうした中、安倍政権は再稼働に向けて着々と布石を打ってきた。
2030年時点の電源の構成について原発を20〜22%と決定。
川内原発の再稼働の日程について安倍政権の関係者は、8月の何日になるのか、神経をとがらせてきた。
安全保障関連法案の審議を進める中世論の反発の強い原発の再稼働によって内閣支持率がさらに下がるのではという警戒感がある。
昨日、再稼働の前日に記者団の質問に答えた安倍総理。
安倍政権の姿勢に対し、野党・民主党は…今後、愛媛県・伊方原発などの再稼働が予想される中、政府が地元自治体からの同意取り付けにどう関与していくのか。
明確な説明が求められている。
世論の反対が上回る中で行われた再稼働。
責任の所在も不明確なままです。
県内に東京電力の柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田知事。
福島の検証が終わっていない中での再稼働だと批判し、事故時の責任について改めて疑問を投げかけた。
今日再稼働した川内原発で事故が起きた場合の責任は誰が負うのか。
一義的な責任があるという九州電力。
一定の責任があるという原子力規制委員会。
責任をもって対処する必要があるという国。
最終的な責任者は、誰なのか。
そもそも再稼働については国民の不安が払拭されたとは言えない状況。
JNNの最新の世論調査では、57%が反対で、賛成は35%にとどまった。
福島第一原発では事故が収束していない上、新しい規制基準に合格しても原発が絶対安全だとは保証されていない。
それを理解した上で原発を使い続けるのか、国民的な議論も不十分なまま、再稼働は進んでいくことになる。
そして今後も含めてご覧いただきましょう。
今日、川内原発1号機が再稼働となりました。
そして10月には2号機が再稼働の予定なんですよね。
さらに高浜原発、そして伊方原発も基準に合格していますから、事業者は冬にも再稼働したいとしているんですね。
原発ゼロの状態というのは今日の午前中まで約2年間続いたわけなんですけれども、その間は主に火力発電に頼ってきたわけですよね。
国はこれまで原発がないと電力需給は厳しくなると言っていました。
さらに火力の燃料コストが電力会社の経営を圧迫して電気料金が上がることになると。
日本経済への影響などを再稼働の理由としてきたわけなんです。
ところが、今年は節電意識の高まりもありまして連日の猛暑でも電力不足にはなりませんでした。
さらに原油価格の下落のおかげで火力の燃料コストも下がったということなんですよね。
そうなると、国民にとっては原発再稼働に納得する理由はどんどんなくなっているといえるわけですよね。
なぜ原発再稼働が今なのかということで100%安全だという保証がない中で、再びリスクを背負うことや核のゴミをどうするかなどまだまだ事前に説明することがあるようなんですけどね。
北海道・大雪山系の十勝岳では今日、局地的に降った大雨の影響で一時、30人以上の登山者が下山できずに足どめされました。
沢にはものすごい量の土砂が堆積しています。
十勝岳では今日午後1時半過ぎ、札幌市にある障害児らの支援団体の登山グループから、土砂が流れていて下山できないと救助の要請があった。
警察と消防が救助に向かい中学生17人と付き添いの職員の合わせて34人は、午後4時過ぎまでに全員が無事、下山できた。
ケガ人はいなかった。
レーダー解析によると、十勝岳付近では午後1時半までの1時間におよそ70ミリの雨が降ったと見られる。
34人は、支援団体が企画したキャンプに参加していて三重県鈴鹿市のホテルで女性が殺害された事件で容疑者の男が逮捕されました。
三重県津市の無職、古谷有平容疑者はおととい、鈴鹿市のホテルの一室で中国籍の蘇偉さんの頭をイスで何度も殴るなどして殺害した疑いが持たれている。
2人は出会い系サイトで知り合ったと見られ取り調べに対し、古谷容疑者は間違いありませんと容疑を認めているとのこと。
安倍総理は14日に閣議決定する戦後70年に当たっての総理大臣談話に対して植民地支配と侵略を認め、痛切な反省と心からのお詫びを表明した過去の総理談話を全体として引き継ぐとしているが、公明党はその趣旨が伝わるよう表現を考えてほしいと要望している。
こうしたことから、焦点となっていた近隣諸国へのお詫びについても何らかの表現で触れることで誤解を招かないようにし、より未来志向の内容の談話を作成する方向で文言の調整を進めている。
今月8日、島根県松江市の川から引き揚げられた車内で見つかった遺体は警察がDNA鑑定した結果、3年前から行方不明になっていた松江市の柏木佐知子さんであることがわかった。
死因は特定できておらず、警察は引き続き、事件と事故の両面で調べることにしている。
柏木さんの父親は警察を通じてやっと私たち家族のもとで供養できることに安堵しておりますというコメントを発表した。
アメリカ・コロラド州の廃鉱となった鉱山から高濃度の水銀を含む排水、およそ1100万リットルが流出し州知事が10日、非常事態を宣言する事態となっている。
この事故は、アメリカ環境保護局の職員が鉱山の検査を実施した際誤って排水を流出させたもので汚染水は、隣のニューメキシコ州にまで達したとのこと。
現在この流出による人的被害は報告されていないが、次は、この和紙でつくられた風船。
ぶら下がっているのは爆弾です。
これは風船爆弾という旧日本軍の秘密兵器で、本物は直径10m。
アメリカ本土まで飛ばして爆発させる作戦だったんです。
この兵器をつくっていたのが、当時の女学生です。
戦後70年の今、彼女は戦地に消えたある男性の手がかりを探していました。
悲しみさえも奪い去った70年前の惨劇。
東京大空襲について語る豊田あけ子さん。
孫の豊田和真記者に、ある兵器の製造に関わっていた事実を初めて明かした。
こちらは旧日本軍の極秘資料。
太平洋戦争末期、フ号作戦と名づけられた作戦は爆弾をくくりつけた気球をアメリカ大陸に投下させるというものだった。
畳1畳分の和紙をおよそ600枚貼り合わせた直径およそ10mの風船。
これに焼夷弾などをつけたものが風船爆弾となり、製造には多くの学生がかり出された。
あけ子さんは東京・王子にあった工場で貼り合わせた紙を乾燥させていたという。
風船爆弾は9000発以上打ち上げられ、そのうちアメリカ本土に到達したのが推定で1000発。
終戦後、ピクニックに訪れていた子どもら6人が不発弾に触れて、命を落としたという事実を初めて知った。
罪のない民間人の命を奪ってしまったという後悔。
悲しみにくれたというあけ子さんは、実は戦時中に、最も深い悲しみを味わったと言う。
この悲しみをひもとく答えは1枚の写真にある。
小山勇司さん。
新潟出身の勇司さんはあけ子さんの初恋の人。
陸軍の戦闘機パイロットで、特攻で死んだと知らされていた。
どこかで生きているのではないか、そんな淡い期待を抱き続けていたという。
今月5日、あけ子さんは勇司さんの足跡を探すために浜松基地の資料館を訪ねた。
あけ子さんの手元に残るのは写真1枚だけ。
勇司さんの写真を手に、その姿を探すが…富嶽隊に関する資料の中に、勇司さんの名前は見つからない。
しかし、当時、浜松には別の部隊もあったと言う。
案内された部屋にあったもの。
息を凝らして見つめるあけ子さん、視線の先には…戦没者名簿に残された勇司さんの名前。
富嶽隊とは別の部隊で終戦1年前の1944年、サイパン島で戦死したことが記されていた。
最後の別れから70年余り。
当時17歳、あけ子さんは勇司さんを思い、こんな歌をつづっていた。
2015/08/11(火) 17:50〜18:15
MBS毎日放送
Nスタ ニューズアイ[字]
取材経験豊富な竹内明を中心に、佐古忠彦も新加入。TBSアナウンサー・加藤シルビアらがお届けする大型報道番組。ニュースを速く、深く伝えます。
詳細情報
番組内容
きょうのニュースを速く深くわかりやすく。徹底取材したVTRに加え、今さら人に聞けないニュースのポイントもわかりやすく解説。政治・経済・事件はもちろん、身近なニュースや生活情報もお伝えします。「Nトク」では全国各地で起きているホットな出来事を徹底的に掘り下げます。
出演者
【Nスタ ニューズアイ】
竹内明(TBS報道局)
佐古忠彦(TBS報道局)
加藤シルビア(TBSアナウンサー)
制作
▽番組HP
http://www.tbs.co.jp/n−st/
▽Facebook
http://www.facebook.com/TBS.nst
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 天気
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0x0810)
EventID:6806(0x1A96)