今回は周りで貯めている方も多いであろう、航空会社のマイルについて徹底解説してみたいと思います。
『そもそもマイルって何?』という初歩的なことから、マイルを効率よくためるにはどうしたらいいの?といった方法まで幅広くマイル獲得について解説していきますので、是非、無料で飛行機に乗りたいと思っている方は参考にしてみてください。すべてをきちんと理解できた場合には、きっと年に1度は無料で旅行に出かけることが出来るはずですよ。
マイルの基礎知識:
まずはマイルとは何?といったような、基本的なマイルの知識を解説するところからはじめてみたいと思います(この項目はすでにマイルの基礎を理解できている方は読み飛ばしてしまってOK)。
マイルとは:
マイルとは航空会社がお客さん向けに提供しているポイント制度のことです。わざわざマイル…と呼ぶからややこしいだけで、実際にはマイル=ポイントと考えれば決して難しいことはありません。
- マイルは航空会社が顧客向けに提供しているポイント制度のこと
同様にマイレージといった言葉も存在しますが、これもマイルという言葉と同義語だと思って構いません。そして航空会社が用意をしているマイルを貯めることが出来る制度のことを、日本ではマイレージプログラムと呼びます。
日本で人気なマイルは2種類:
クレジットカードには各社それぞれ違ったポイント制度があるように、マイルにも航空会社によってその種類は異なります。
日本国内で有名&人気なマイルとしては日本航空が提供しているJALマイル、全日空提供のANAマイルの2種類があるので、海外に頻繁に出張で行くという方ではない限り、これらの2つを抑えておけば問題ないでしょう。
正式名称は別にある:
尚、JALマイル、ANAマイルともに、それぞれ正式名称は別にあるので、記憶力に余力がある方は下記の言葉も覚えておいてください。
略してJMB、AMCと呼ばれることもあります。
マイレージプログラム加入方法は?
マイレージプログラムの加入方法については、パソコンやスマホからJALマイレージバンクやANAマイレージクラブに移動して申込をするか、飛行機の搭乗時に用紙を貰って手続きをする方法などがあります。
- インターネット経由で自分で申し込む
- 飛行機搭乗時に用紙を貰って申し込む
- 航空会社発行のクレジットカードを申し込む
とにかくすぐにマイルを貯め始めたいという場合には、1番目の加入手続きをするか、最初からJALカードやANAカードを作ってしまうのも良いかもしれませんね。特に急いでいないのであれば空港での手続きで問題ないと思います。
海外で有名なマイルも参考程度に:
日本国内での移動だけであればそれほどお世話になることはありませんが、アメリカやヨーロッパなどへの移動が多いのであれば、敢えて日本航空や全日空といった日系の航空会社が用意しているマイレージプログラム(マイル制度)を利用せず、外資系航空会社のマイルを貯めるのも手です。
有名なところには下記の通り。
日本人にも人気があるのはデルタ航空のスカイマイルのほうですね。北米への渡航が多いというのであれば、そちらをおすすめします。
他、韓国へよく旅行にいくなら大韓航空のマイル、香港へ行くならキャセイパシフィック航空のマイル…といったように、よく行く場所に応じてマイレージプログラムを選ぶのも良いでしょう。
英語ではフリークエントフライヤープログラム:
日本語ではマイレージプログラム…と呼ばれているからといって、海外の航空会社に対して『マイレージプログラムに加入したい』といっても英語では通じないケースが多いようです(なんとなく意図は伝わるので、わかってもらえるケースもある)。
ちなみに英語でマイレージプログラムはフリークエントフライヤープログラム(FFP)と呼ぶので、海外航空会社のマイルを貯めたいのであればそう伝えた上で加入手続きをしてみてください。
マイルを貯めると出来ること:
次にマイルを貯めると出来ることをまとめていきます。いかにマイルを貯めることがお得なことなのかということを、この辺りでわかってもらえると嬉しいですね。
1.飛行機に無料で乗れる:
マイルを貯めて一番良かったな…と思う瞬間、それは無料で飛行機に乗れることです。たとえば沖縄旅行を目的とした羽田空港から那覇空港までの移動が無料になったり、伊丹空港から仕事で仙台空港まで行く…という場合にも無料に出来たりします。
- マイルを貯めれ飛行機が無料で乗れる
もちろんどの路線にいつ乗るかについても自分で選ぶことが出来ます。定員数が決まっているので早めに予約して席は抑えておく必要性はありますが、原則、好きな飛行機に乗れると思って間違いありません(例:福岡空港発 屋久島空港行きの8月30日朝10時の便を予約する…など)。
海外にも飛行機代無料で行ける:
また日本国内だけでなく、マイルを貯めれば海外にも無料で移動可能。
韓国、台湾、上海といった近場のアジアから、ハワイ、バリ、モルジブといった遠方のビーチリゾート、そしてアメリカやブラジル、ヨーロッパといった憧れの海外旅行まで、その航空会社の飛行機さえ飛んでいれば…という話にはなりますが無料で行くことが出来ます。
尚、正確には海外への渡航については燃油サーチャージや空港利用税などが別途かかってしまうため、マイルを使っても完全無料にはなりませんが、少なくとも飛行機代は無料にすることが出来るので、海外旅行代を劇的に安くすることが出来ますよ(外資系のマイレージプログラムだと燃油サーチャージなども無料になることも)。
2.座席のアップグレードが出来る:
マイルを貯めれば飛行機の座席アップグレードにも利用できます。エコノミークラスの席を確保している方は更に上のビジネスクラスに、ビジネスクラスを抑えている方は最上級のファーストクラスに…といったように、すでに購入した航空券の質を高めることもマイルなら可能なのですね。
- マイルを使えば飛行機内の席を、上のクラスの席に変更してもらえる
正規航空券のみアップグレード可能:
但し、格安航空券販売のH.I.Sなどで購入した航空券をアップグレードすることは出来ません。旅行代理店からでも構いませんが、あくまで正規の航空券でのみアップグレード対応が可能なので、普段から安い航空券を購入しているという方にとっては正直、あまりこのマイルの利用方法は使う機会が少ないことでしょう。
念のためANAのアップグレード特典の注意書きを引用しておきます(下記3番目のものが、格安航空券がアップグレード出来ない注意点)。
- エコノミークラスからファーストクラスへのアップグレードはできません。
- 便によってはご利用になれない場合があります。
- パッケージツアーその他に適用される包括旅行運賃、上記以外の予約クラスなどでは、アップグレード特典をご利用できません。
- 日本の国内線区間はアップグレード特典をご利用できません。
尚、JALの場合には国内線であってもクラスJ(国内線用のビジネスクラスみたいなもの)にマイルを使ったアップグレードは可能ですね。国際便におけるアップグレードはJAL、ANAともに可能です。
3.電子マネーに交換する:
貯めた航空マイルを電子マネーに交換することも可能です。JALであればSuicaやWAON、ANAであれば楽天EdyやTポイントなどに交換が出来ます。
ただこのマイルの使用用途については価値の低下を招いてしまう交換方法なので、マイルを貯めている方にとっては人気があまりない方法となっています。どうしてもマイルを使い切れない…という時などの緊急避難先…といった感じでしょうか。
4.マイルを商品に交換:
マイルを航空会社が予め用意しているアイテムリストの中の商品と交換することも可能です。
蟹やお肉などのグルメセット、スーツケースやワイングラスなどなど、多彩な商品と交換できるこの仕組みではありますが、こちらも交換効率がよくないものなので、優先してここに振り分けるのは損だと思います。
マイルは航空券に交換するのが基本:
その他、様々なものにマイルは交換可能なんですが、マイルを貯めるからには狙うは1番目の航空券への交換がベスト(このマイルで交換することが出来る航空券のことを、「特典航空券」と呼びます)。それ以外の電子マネーへの交換やアイテムリストからの選択については、マイルをわざわざ貯めてまで交換するものではありません。
つまり飛行機に乗って旅行や出張に行く予定がないという方、飛行機がそもそも嫌いだという方はマイルを貯める必要性は無し。そんなものを貯めるくらいなら、ポイントが貯まりやすいクレジットカードでも使っておいたほうが数倍お得だと言えます(クレジットカードポイントの詳細記事はこちら)。
- 無料で飛行機に乗りたい方:マイルを貯める価値アリ
- 飛行機に乗りたくない方:カード会社のポイント制度で充分
逆にとにかく安く旅行に行きたい!飛行機代が無料だと嬉しい…という方にとっては、マイルは家計節約の救世主になりえる存在。高い高~い飛行機代を0円に出来るのはほんと魅力的ですよ。
マイルを貯める方法:
ここまででマイルを貯めると様々なことが出来ることはわかったけれども、ではマイルを貯めるにはどうすれば良いのか?についてはまだわかっていませんよね。ここからはマイルを貯めるためにはどうすれば良いのかについて、引き続き解説していってみたいと思います。
ひとことにマイルを貯めるといっても下記のように多岐に渡る方法があるので、マイルを余すことなく貯めたいのであればしっかりと認識するところから始めてみてくださいね。
1.飛行機に乗って貯める
マイルを貯める一番簡単な方法は、飛行機に乗ることです。JALマイルであれば日本航空の飛行機に乗ればマイルが貯まりますし、ANAマイルであれば全日空の飛行機に乗ればOK。たったそれだけでマイルがどんどん貯まっていきます。
- JALマイルを貯めたい:日本航空の飛行機に乗ればOK
- ANAマイルを貯めたい:全日空の飛行機に乗ればOK
提携航空会社の利用でもマイルは貯まる:
また、なにも対象は日本航空や全日空のみではありません。JALマイルであれば日本航空と提携している航空会社の利用であってもJALマイルが貯まる仕組みになっています(ANAマイルも同様)。
たとえば日本航空は2015年現在、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カタール航空、マレーシア航空などと提携しているので、これらの航空会社利用時にもJALマイルが貯まります。
同様に全日空もユナイテッド航空、タイ国際航空、ルフトハンザドイツ航空、エアカナダ、シンガポール航空などと提携しているので、こちらでもANAマイルを貯めることは出来ます。
全日空に乗ってJALマイルを貯めることは?
全日空の乗ってJALマイルを貯めることや、逆に日本航空に乗ってANAマイルを貯めることは可能なのかというと、これはライバル関係にある両社なので出来ません。まぁ実はやり方があるにはあるのですが、マイル&クレジットカード初心者の方だととんでもない手間になってしまうのであまりおすすめはしませんよ(詳しくはこちらの記事などを参考に)。
2.クレジットカードを使って貯める
『飛行機になんて滅多に乗らないし…』という方は、クレジットカードで買い物をしてマイルを貯める方法がベストです。
後述するマイルが貯まりやすいクレジットカードを利用すれば、スーパーマーケットやコンビニ、デパートといった場所での支払いでどんどんマイルを貯めることが出来るようになるので、これだけで1年に1度くらいのペースで特典航空券を貰うことが可能です。
飛行機に乗らずにマイルを貯める人は多い:
ちなみに飛行機に乗らずにマイルを貯める人のことを、陸マイラー(おかマイラー)と呼びます。
私を含め、日本国内にはこういった陸マイラーがかなりの数いるので、あなたが仮に飛行機に乗らないでマイルを貯めようとしても、それは決して無茶な試みではありませんよ。安心してマイルを貯めてもらえればと思います。
- 普段の生活でマイルを貯め、無料で飛行機に乗って旅行にいく方は多い。
3.提携ホテル利用で貯める
日航ホテルやインターコンチネンタルホテル、そしてプリンスホテルからハイアットまで、航空会社と提携している様々なホテルに宿泊するとマイルが貯まる場合もあります。
1宿泊で○マイル…といった形から、1ドルあたり○マイル…といったような宿泊金額に応じたマイル積算まで、ホテルごとに個別のマイル加算方法があるので、そのあたりの情報についてはJALマイレージバンクやANAマイレージクラブの公式サイトにてご確認いただければと思います(下記は日本航空の例)。
ホテルに泊まって、マイルをためよう!
世界各地の一流ホテルなど15,000軒以上から選べる!利用金額に応じたマイル、または1滞在や1泊につき固定のマイルがたまります。
4.電子マネー利用で貯める
電子マネーを利用することでJALマイルやANAマイルを貯める方法もあります。親和性が高い電子マネーとしては下記のものがあるので、どちらの航空マイルを貯めるかで使う電子マネーも変えてみてください。
- JALマイル:WAON
- ANAマイル:楽天Edy
参考までにWAONを使うとどのようにマイルが貯まるのかを、それぞれ公式サイトより引用させてもらいます。
JALマイルとWAONの組み合わせ例:
まず、WAONでJALマイルを貯める方法ですが、JMB WAONカードというカードを入手&入金して、WAON加盟店で使うだけでOK。これで200円(税込)利用あたり1JALマイルを獲得することが出来るので、いつでもどこでもWAONを優先して利用すればそれだけでマイルが溜まっていくのですね*1。
ANAマイルと楽天Edyの組み合わせ例:
ANAの場合はもっと楽です。ANAマイレージクラブカードは通常、楽天Edy内蔵のカードになっているので、そのカードをそのまま利用するだけで自動的に楽天Edyが貯まります。
対象カードに搭載されたEdyによるお支払いでマイルが貯まります。Edyでのお支払い200円につき=1マイル貯まる!(税込/200円未満切り捨て)
JALマイル、ANAマイルどちらも200円(税込)につき1マイルですが、電子マネーでマイルを貯めるという意味だけでいえば、ANAマイルに軍配があがりそうですね(クレジットカードチャージが出来るという意味も含め)。
マイルを取り巻く現状 2015年:
ここまででマイルの基礎知識、貯めたら出来ること、貯め方の3つを解説してきましたが、そろそろ初級編を卒業して中級編にに入っていこうと思います。中級編は2015年現在のマイルを取り巻く現状の解説です。
どのくらいマイルがあれば航空券が無料で貰える?
まず、まだこの肝心な部分を解説してこなかったので、この『どのくらいマイルを貯めれば特典航空券が無料で貰えるのか?』についての説明をしていきたいと思います。
2015年現在、特典航空券を交換するために必要なマイル(往復)は下記の通りです*2。わかりやすく表にまとめておきます。
比較項目 | JALマイル | ANAマイル |
---|---|---|
国内航空券 | 9500マイル~2万マイル | 1万マイル~2万3000マイル |
海外航空券 | 15000マイル以上 | 12000マイル以上 |
備考 | ハイシーズン、オフシーズン関係なしの同一マイル数 | ハイシーズン、オフシーズンなどで必要なマイル数は違う |
ざっくりと言えばJAL、ANAともに国内だと1万マイル~2万マイル程度、海外だと1万数千マイル程度あれば往復航空券と交換できることになります。
1万マイルを貯めるのってどのくらい大変なの?
次にこの1万マイルってだいたいどのくらい頑張れば貯められるものでしょうか?これはクレジットカードを使ってマイルを貯める陸マイラーの方の場合、だいたい80万円~100万円程度の買い物をすれば貯まるマイル数になっています。
- マイルが貯まるカードを使えば、100円利用あたり1マイル+α貯まる
『えっ?80万円なんて無理だよ!』と思うなかれ。1年は12ヶ月あるため月間に使わなくてはいけない金額は6万5000円~7万円程度です。
コンビニからスーパーマーケットでの支払い、そしてデパートやドラッグストアといった日々の支払いにすべてクレジットカードを使うようにすれば、それだけで月額少なくとも5万円程度の利用は可能なはず…。
加えて電気料金やガス料金、携帯電話料金などの支払いもマイルが貯まりやすいクレジットカードに切り替えれば、中間層の方であっても1年間で1万マイルを獲得することは難しくないことでしょう。
2年計画でマイルを貯めることも:
それでも年間80万円なんて使えないよ!という方は、2年計画でマイルを貯めることも出来ます。マイルの有効期限は約3年なので、2年かけてじっくり貯める戦略であっても充分に1万マイルを確保することが可能なのですね。
- 1年で1万マイルを貯める目安:月間7万円のカード利用
- 2年で1万マイルを貯める目安:月間3万5000円のカード利用
どうでしょうか?決して難しくない金額だと私は思います。
1万マイルで交換出来るのはいくらくらいの航空券?
ちなみに1万マイルを貯めて交換できるのはどのくらいの航空券なのかというと、これは羽田空港から伊丹空港だったり、中部国際空港から仙台空港だったりといったような短距離便のみです。
市価にして2万円~3万円程度の航空券なので、これを1万マイルで交換できるとなると価値は1マイルあたり2~3円程度あると言えますね(沖縄行きの飛行機になると、だいたい1マイル価値が4円近くになることも)。
更にマイルを貯めればもっと凄いことになる:
更にマイルを貯めて12万マイルを貯めることが出来れば、時価250万円といったファーストクラスのヨーロッパ行き航空券を取得することも可能。この場合のマイル価値は単純計算でしかありませんが、1マイルあたり20円以上にもなります(詳しくはこの記事)。
まぁほんと、一般人にとってファーストクラスに乗ることなんてマイルを貯めでもしない限り夢のまた夢な話なので、是非、そういう非現実なチャンスを手に入れるためにマイルを貯めるのも面白いですね。これこそがマイルの魅力です(下記引用部はこちらより)。
ファーストクラスとは?
国際線のファーストクラスと聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。豪華で優雅な空間、最上級のサービスと、様々な想像が膨らむだろう。
通常、こうした特別な空間を体験するには高額な運賃を払わなければならない。例えば、日本航空(JAL)の羽田~パリ間のファーストクラス普通運賃は、往復で約250万円。ビジネスクラスなら普通運賃が約120万円、プレミアムエコノミーが普通運賃で約60万円、エコノミーは普通運賃で約40万円、最も安い割引運賃で10万円台前半だ。
マイルが貯まりやすいクレジットカードまとめ:
ここでやっとマイルが貯まりやすい、おすすめのクレジットカードの紹介です。これらのクレジットカードを計画的に使えば年に1度は国内旅行が無料で行けるようになるので、是非、旅行好きな方はこの機会に入手してみてくださいね。
JALカード:
JALマイルを貯めたいと思うのであれば、やはりその筆頭はJALカードです。ショッピングマイル・プレミアムという月額別途料金が必要なコースを申しこめば、100円利用あたり1JALマイルが貯まるようになるので、JALカードを買い物でどんどん使うだけで行きたい場所に旅行にいけるようになることでしょう。
少ないマイル数で特典航空券と交換できる:
また、JALカード保有者は少ないマイル数で特典航空券と交換することが出来る、JALカード割引というものが設定される期間があります。こちらを利用するとわずか9500マイルでも特典航空券と交換できるようになるので魅力ですよ。
ANAカード:
日本航空のマイルを貯めやすいのがJALカードなら、全日空のマイルを貯めやすいのはANAカードです。こちらも追加料金が必要になりますが、100円利用で1マイル貯まるクレジットカードとなっているので、日々の買い物で使えば使うほどマイルを獲得していくことが出来ます。
発行スピードが早い:
ANAカードは複数のクレジットカード会社が発行しているんですが、下記の三井住友VISAカード発行のANAカードであれば最短1週間程度で自宅にANAカードが届くのも魅力です。とにかく早くANAマイルを貯め始めたいという時に便利ですね。
セゾンのアメックスゴールド:
セゾンカードが発行しているアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、隠れたマイルが貯まりやすいクレジットカード。JALマイルを貯めるだけの効率でいえば、本家JALカードよりも獲得効率が良いカードになっています*3。
加えてセゾンならではの西友割引、スポーツクラブ割引、空港ラウンジ利用無料などなど、様々な付帯サービスがあるのも魅力。マイルだけを貯めるのではなく、それ以外の部分でも満足のいくクレジットカードが欲しいのであれば、敢えてJALカードではなくセゾンのアメックスゴールドでJALマイルを貯めるのも手ですよ。
カードでマイルを貯めにくい時代になった:
ここまで紹介したクレジットカードを読んで、『マイルが貯まるクレジットカードを使って100円で1マイルって少ない?』と思う方は、昔をよく知る方だと思います。
というのも以前は100円で2マイルとか、100円で15マイルとか、そういう驚くほどにマイルが貯まるクレジットカードというのが存在した時代があったんですよね。だいたい2000年~2003年頃の話なんですが、その頃には特定のクレジットカードで買い物さえすればすぐにヨーロッパや北米行きのファーストクラスがマイルで取得できたくらいです。
ただ当たり前ではありますがクレジットカードを使わせるだけでそんなにもマイルを付与していたら航空会社だけでなくクレジットカード会社の経営も成り立ちません。その後、そういったマイルが貯まりやすいクレジットカードは徐々に減少していって、今ではJALカードやANAカードといった航空会社公認のカードを使うのがベスト…という状況になっています*4。
無難すぎてちょっと…と思うかもしれませんが、マイルを貯めるなら今やJALカード、ANAカードが最適なのですね。
マイルを効率よく貯める方法:
買い物をしてマイルを貯めるなんて大変そうだ!という方のために、更に効率よくマイルを貯めるための方法をまとめてみたいと思います。陸マイラーの方は特にこのあたりの情報を参考にしてもらえると嬉しいです。
特約店など、マイルが2倍貯まる場所を抑える:
マイルを効率よく貯める、ベストな方法としてはやはりJALカードならJALカード特約店、ANAカード利用者ならANAカードマイルプラス加盟店を利用すること。これらのお店でクレジットカード払いをすれば自動的にマイルが1.5~2倍貯まるため、効率よくマイルを貯めていくことが出来ます。
JALカード特約店とは?
JALカードを使うだけで通常の2倍マイルがたまります。日本全国に約52,000店舗ある特約店は、旅行、お買い物、暮らし、美容・健康・医療、宿泊、ゴルフ場、レストランなど、さまざまなシーンでご利用いただけます。
JALカード保有者ならファミマを使う:
JALカード特約店として有名なところだと、コンビニ大手のファミリーマートがありますね。ここでJALカード払いを利用すると通常は100円あたり1マイルしか貯まらないものが、自動的に2マイル貯まるようになります(ショッピングマイル・プレミアム加入時)。
普段からローソンやセブンイレブンを使っていた…という方は、これだけでマイル獲得のチャンスをみすみす捨ててしまっていたことに…。自宅や勤務先の近くにファミマがあるなら、マイル獲得のためにも優先して使うようにしてください。
全国のファミリーマート店舗にて、JALカードでお支払いいただくと、ショッピングマイルが2倍!JALカードショッピングマイル・プレミアムご入会の方は100円(税込)につき2マイル*たまります。
ANAカード保有者ならセブンイレブン:
同様にANAカード保有者であればこちらもコンビニ大手、セブンイレブンを選んでつかうのがお得。こちらであれば200円(税込)の利用で1マイル分の追加加算を貰うことが可能なためです。
更に2015年8月現在でも開催されているように、ANAカードとセブンイレブンはよく「ダブルマイルキャンペーン」と呼ばれる、マイルが通常よりも2倍多く貰えるキャンペーンも実施しています。こういったキャンペーンにエントリーした上でセブンイレブンを利用すれば、200円(税込)の利用で2マイル貯まるようになるのでザクザクとマイルを蓄積していくことが出来ますよ。これは魅力的です。
日本国内のセブン-イレブンまたはイトーヨーカドーの対象店舗にてご利用代金をANAカードでクレジット決済いただくと、200円(税込み)につき2マイル(通常1マイル)を積算いたします。
JALカードやANAカードを使うとお得なお店一覧:
参考までにその他、JALカードやANAカードを使うとお得なお店や支払先を簡単にまとめてみたいと思います。みなさんの身近にあるお店でも対象となっているところは多いはずなので、是非、優先的にこれらのお店を使うことでマイルを稼いでみてください*5。
JALカード特約店一例:
店舗名 | マイル積算率 | 解説 |
---|---|---|
ファミリーマート | マイル2倍 | コンビニ大手のファミリーマートも対象 |
エネオス | マイル2倍 | ガソリンスタンド最大手のエネオスも |
HAC | マイル2倍 | ドラッグストア大手のHACも対応 |
紀伊國屋書店 | マイル2倍 | 書店大手の紀伊國屋も対象 |
nojima | マイル2倍 | 家電量販店のnojimaもマイル2倍 |
大丸 | マイル2倍 | 東京駅にもある大丸百貨店も対象 |
ANAカードマイルプラス加盟店一例:
店舗名 | マイル積算率 | 解説 |
---|---|---|
セブンイレブン | 200円=1マイル | コンビニ最大手のセブンイレブンも対象 |
イトーヨーカドー | 200円=1マイル | スーパーマーケット大手のイトーヨーカドーも |
高島屋 | 200円=1マイル | 高島屋でもマイル獲得のチャンス |
大丸 | 200円=1マイル | JAL同様、大丸でANAマイルも貯まる |
日比谷花壇 | 100円=1マイル | お花のプレゼントに日比谷花壇 |
ココストア | 200円=1マイル | 地方に強いコンビニ ココストアでもマイル加算 |
この他にも様々な店舗がマイル加算の対象となるので、JALカードやANAカードを持っているという方は対象店舗をきちんと把握するようにしてください。それだけで普段よりも2倍速でマイルを貯められるようになりますよ。
楽天トラベルは航空会社のサイト経由で:
楽天トラベルはJALやANAのサイト経由で申し込むと、通常獲得できる楽天ポイントに加えてマイルも貯めることが出来ます。これ、地味にマイルを貯められるサービスとなっているので、ビジネスホテルやシティホテルなどを予約する際には下記サイトにアクセスした後に予約するようにしてください。
JALの場合は1予約につき50マイル、ANAの場合には200円(税抜)につき1マイルが貯まるようになっています。
- JALホームページ内の「楽天トラベル」ホテル予約からご予約のうえご宿泊の場合、1予約につき50マイルの予約マイルを積算いたします。それ以外の場合は、「楽天トラベル」をご利用になられても、予約マイルは積算されません。
- なお、キャンペーン期間中は、別途定められた条件に基づき、所定のマイル数が積算されます。
- 部屋数、宿泊日数、部屋タイプにかかわらず、1予約につき一律50マイルが積算されます。また、同日のご滞在を複数ご予約された場合も、50マイルとなります。
200円(税抜)=1マイル
- 200円未満の端数は切り捨てとなります。
- PCサイト上に表示している宿泊予約金額(楽天トラベル価格)がマイル積算対象となります。
- 国内のご予約・ご宿泊のみ対象となります。
単純計算で1万円以下の予約であればJALがお得、それ以上の宿予約であればANA経由のほうがお得になるので、JALマイルもANAマイルも貯めているという方は決算金額に応じて予約してみてください(JAL経由で予約する場合も、予約を1泊ずつで区切ってするとお得)。
航空マイルに関するQ&A:
すでに超長文ですが、みなさんには更にマイルに関する知識を深めてもらうべく、よくある質問とその答えを用意しました。マイルを本気で貯めたい方は参考にしてみてくださいね。
Q.JALマイルとANAマイル、どっちがいいの?
今からマイルを貯めるんだけど、JALマイルとANAマイルならどっちがおすすめなの?という方、いらっしゃいますよね。特にあまり飛行機に乗ってこなかった方の場合には、このあたりさっぱり検討も付かない…というのが本音でしょう(私も最初はほんとそうでした)。
そこであくまで参考程度にしかなりませんが、どちらのマイルを貯めるべきかについて私の意見を書いてみます。
国内でいえばあまり差はない:
結論から言ってしまうとANAマイルとJALマイルについてはあまり差はありません。どちらも貯まるマイルのスピードに差はほとんどありませんし、サービス内容にも大きな違いはないと、両者のパワーバランスは見ごとなまでに同じくらいになっているんですよね。
それでもまぁ、敢えてその違いを言うのであれば、こんな感じです。
- JALマイル:
経営破綻前と比べると減ってしまった感はありますが、地方空港への路線がいまだに多く残っているので行きやすいです。主要観光地ではなく、日本全国を隅々まで旅したい方、宮古島や石垣島といった沖縄の離島への渡航を希望される方は、JALのほうが便利かも。 - ANAマイル:
飛行機の安全さでいえばJALよりもANAのほうが上です。過去、一度も墜落事故を起こしていないのは飛行機嫌いな方にも安心なのではないでしょうか?また、観光のオフシーズンに旅行が出来る方には、少ないマイル数で特典航空券と交換できるANAマイルは魅力的です。
海外を含めるとANAマイルがやや有利:
また、日本国内だけでなく海外にも目を向けると違いが明確になります。JALはワンワールドというグループに属している航空会社なのに対し、ANAは世界最大の航空連合であるスターアライアンスに加盟しているためです。
『それってどういうこと?』という方のために簡単に説明します。マイレージプログラムというのは、ANAやJALといったマイレージプログラムを提供している航空会社だけでなく、その提携先の航空券もマイルを使って交換可能。そのため、JALよりも提携先の多いANAのほうが、世界各国を旅するならなにかと便利になるのです。
まぁ、よほど世界各国をめぐるよ…という方でもない限り、その差を感じることはありませんが、日本人があまり行かない国や地域まで旅行をしたいというのであれば、ANAマイルを貯めておいたほうが無難かもしれませんね。逆に世界一の旅客運送数を誇る航空会社である、アメリカン航空が提携先にあるJALにも魅力はありますよ(主要路線の航空券が取りやすい)。
- JAL…世界最大の航空会社の1つであるアメリカン航空と提携
- ANA…提携している航空会社の数がJALよりも多い
Q.マイルを貯めるのって本当にお得なの?
マイルを貯めるのがお得なのかどうかについては、特典航空券とどれだけ交換できるかにかかっています。
極論をいえば電子マネーやアイテムリストにあるようなものとマイルを交換してもお得さは全くないので、いかにマイルを貯め、そして時間を作って旅行や出張にいけるかがマイルを効果的に使うかどうかのポイントになってくるのですね。
- マイルがお得かどうかは、いかに特典航空券と交換できるかにかかっている
そのため、マイルを貯めて旅行にいく予定があるぞ!という方は、マイルを貯めるために努力する価値は必ずあります。1万マイルを貯めるのは遠そうに見えますが、貯めはじめてしまえばそう遠いものでもないので、是非、みなさんには無料旅行を目指して頑張ってもらえればと思います。
Q.JALマイルとANAマイル、両方貯めるのは効率が悪い?
JALマイルとANAマイル、その両方を貯めようとするチャレンジャーな方が稀にいますが、個人的にはあまりおすすめしません。理由はシンプルで、どちらも中途半端なマイル数しか貯めることが出来ず、特典航空券を利用することが出来ないためです。
また、昨今ではJALカードもANAカードもマイルを貯めるためにはある程度の年会費+サービス料が必要になるというのも痛手。両方のマイルを貯めようとするとそのそれぞれの会費を払わなくてはいけないので、総合的な出費も増えてしまう危険性があります。
- 両方のマイルを貯めようとすると、特典航空券に交換可能なマイル数が貯められないだけではなく、クレジットカードの年会費負担が重くなるのでおすすめしない。
年間決済額や飛行機搭乗数が多い方は:
とはいえ、1年間に1000万円以上の買い物をクレジットカードでするよ…という富裕層の方や、仕事で飛行機を使った国内移動が多いという方などは、むしろ両方持たないほうが損という場合もあります。
このあたりは結局のところ人それぞれだとも言えるので、必要であれば両方を並行して貯めるというのも選択肢としてOKですね。
陸マイラーはタダで飛行機は乗れても:
陸マイラーはどんなにタダで飛行機には乗れるようになっても、JALラウンジやANAラウンジといった航空会社が用意している専用の待合スペースは利用することが出来ません(ビジネスクラスやファーストクラスを利用する場合は別)。
個人的にはマイルを多数保有している人だって航空会社にとっては立派な優良顧客に当たるため、使わせてくれてもいいんじゃないか?と思ったりするんですが、なかなか空港ラウンジの利用条件だけは緩和してくれない状況ですね。私もキャセイパシフィック航空の上級会員資格を喪失してしまってからは、クレジットカード会社のビジネスラウンジか普通の待合席を利用するしかなくなりました。
尚、保有マイルを空港ラウンジ利用券に交換する方法もあるにはありますが、これはこれで勿体無いと考えてしまってなかなか利用できないです(苦笑)。
さぁマイルを貯めよう:
以上、マイルの基本を30分で学ぼう…というまとめ記事でした。
ずいぶんと長々と書いてしまいましたが、これだけ読んでもらえればもう誰かに『マイルって何?』と聞かれても大丈夫なはず。引き続き機会を見つけてはこの記事に追記をしていこうと思うので、マイルを貯めたいと思っている方はブックマークをするなどして定期的に読みに来てもらえると嬉しいですね。
オマケ:私の保有マイル数
蛇足ですが私の保有マイル数を最後にさらしておきます(2015年8月16日現在)。
ファーストクラスでアメリカやヨーロッパに渡航できれば良いのですが、なかなか時間がないのが現在の悩みだと言えます。JALマイルの有効期限は36ヶ月なので、これだけ貯まってしまうと失効に怯える日々ですね…(苦笑)。
参考リンク:
マイルに関連する記事を参考までにいくつかあげておきます。飛行機を頻繁に利用するという方はどうぞ。
- JALサクララウンジの利用条件まとめ
- JALカードを作成すれば、1年に1度は無料で国内旅行に行けるのか?
-
日本で一番ポイント還元率が高いクレジットカードは、年会費10万円以上するダイナースクラブ プレミアムカードである…という話
*1:JMB WAONカードではJALマイルが貯まる代わりにWAONポイントが貯まりません。WAONポイントを貯めたいという方には不向きかもしれませんね。
*2:片道のみの航空券取得も可能ですが、総じて割高、もしくは区間によっては往復のみでしか取得できない場合もあります。
*3:あくまで獲得効率の話で、実際には残念ながらJALカード特約店対象外になってしまうこと、JALカード割引がないこと、JAL搭乗時のボーナスマイルが無いことなどを考えると、やはりJALカードを作ったほうが無難だと言えます。マイルを貯める必要ない時期がある方や、万能なゴールドカードが欲しい方向きですね。
*4:そもそも普通に考えれば、航空会社の公式クレジットカードよりも他社が発行しているカードのほうがマイルが貯まりやすい…という状況自体が、おかしな状況だったわけですよね(苦笑)。航空会社側もそれを認識したのか、2005年頃よりマイル交換効率を悪くすることで、相対的に自社カードの魅力を引き上げてきているというのが今の流れです。
*5:こういった店舗の中にはデパートの中に入っているから、パーキングエリア内のお店だから…といった理由などで、一部、マイル加算の対象とならない店舗もあるということはご了承ください。また、あくまでこの記事を書いている現在におけるJALカード特約店、ANAカードマイルプラス加盟店となります(今後、変更がある可能性があります)。