高校野球全国大会が始まって100年。
興奮と感動を呼んだ名勝負の秘密が今夜明らかに!「レジェンドが語る名勝負の秘密」。
第3夜は「初々しさの快進撃」です。
そして今夜お供して頂くのは漫画家のやくみつるさんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(拍手)今夜のテーマは「初々しさの快進撃」という訳なんですが。
高校生ともなりますとね3年生だとおっさんみたいなのもいたりするんですがそんな中に1年生が入ってくると余計目立つんですよね。
中学校卒業して…。
まだ4か月かそこそこですから。
その中で活躍するというのは相当の度胸といいますかかなりのメンタルを持ってるという。
持ってますよね。
それでは快進撃のレジェンドをご紹介致します。
1980年夏1年生エースで快進撃を続けました荒木大輔さんです。
(拍手)お願いします。
(荒木)よろしくお願いします。
という訳で荒木さんは5季連続で甲子園出場という訳で通算12勝。
旧制中学時代を除けばエースとして出続けているのは前回出演頂いた桑田さんとお二人のみと。
すごいですね。
連続出場。
できなくて当たり前みたいなそういう開き直りみたいなそういう気持ちの中でプレーしていたのは覚えてますね。
いろいろ面はゆい面もあったかもしれませんけどほっといてもそうなっちゃったですからね。
あれは大変でした。
まずは実力も人気も兼ね備えた荒木さんの甲子園衝撃のデビューです。
早稲田実業は1〜2年生が主体のチーム。
当初は全く注目を浴びていませんでした。
迎えた初戦。
マウンドに上がったのは背番号11をつけた1年生エース荒木大輔投手16歳でした。
相手は優勝候補として注目されていた大阪の北陽高校。
地区予選のチーム打率は3割7分4厘。
出場校の中で最強の打線でした。
この強敵を相手に1年生が驚きのピッチングを見せます。
(実況)あっと振ってしまいました。
三振です。
キレのある速球は打者の手が出ない外角低めに決まります。
鋭く落ちる変化球。
ストライクゾーンから逃げていきます。
5回まで1本のヒットも許しません。
いや〜すごいですね。
1年生で。
初めての甲子園というのはどういったお気持ちでしたか?本当に憧れの地なので本当に緊張感。
もうそれだけですね。
すごい落ち着いてるようにねVTRでは。
気が付いたらもう5回ぐらいになってたんですよ。
そしてノーヒットノーランがささやかれ始めた6回。
(実況)流し打ち三塁線。
飛びついた。
フェア!一塁へ。
高い球です。
これがヒットとなり記録が途絶えます。
しかし全く動じません。
(実況)空振り三振!ピンチを見事に抑えます。
冷静ですね。
1年生ですもんね。
無失点のまま9回。
(実況)真っ正面。
セカンドに送って試合終了!許したのはあの内野安打の1本。
あわやノーヒットノーランというピッチングで優勝候補をねじ伏せ一気に日本中の注目を集めたのです。
1安打ピッチング。
でき過ぎもでき過ぎだと思いますね。
前日の夜とかっていうのはどういった状況でしたか?「荷物をまとめろ」。
帰る準備してから球場に行くから「お前ら荷物まとめとけ」って言われて。
それはある意味縁起が悪いといいますか負けたらおしまいじゃないですか。
僕らも当然…監督に言われたんで荷物まとめて部屋の隅に並べてそれで出発した訳ですけども。
逆に「退路を断て」という事なんですかね。
ちなみに荒木さん高校に入ってもすぐにやはりエースとして?高校1年の春に入学直後に試合出させてもらったんですが…ピッチャーじゃなかったんですか。
これどの辺りから甲子園の夏マウンドに上がる経緯というのを。
バント練習してる時にふくらはぎに投球を受けてしまったんです。
マシンの投球を。
ある種急きょ。
「投げなさい」みたいな感じで。
「行くぞ」みたいな感じで言われてマウンドに立ちましたね。
その舞台に立つというふうに決まった時っていうのはどういった思いでしたか?いやもううれしかったですね。
人のケガを喜ぶ訳じゃないですけどもそこでもういきなり初戦から投げさせてもらえる訳ですから…マウンドへ立てるというこの喜びだけですね。
2回戦。
甲子園の歴史に残る1年生エースの快進撃が続きます。
この試合も許したヒット僅か3本で無失点。
そして3回戦は奪三振ショー。
(実況)わ〜いい球です。
三振。
あれが何となく自分で分かったんですよ。
あれもうほとんど狙って投げてて右バッターの時もうちょっと甘めにベースに乗せるぐらいの感覚で投げたりとか。
ボールのご自身の癖といいますかそういうものをしっかり利用した中での投球だったと。
何となく自分で分かったんですよ。
曲がる事を前提に配球していくと。
だから冷静ですね本当ね。
1年生でねすごいですよ。
癖球を生かして10個の三振を奪っての完封勝利。
1年生エースの活躍につられチームメートも伸び伸びとプレー。
当初注目されていなかった早稲田実業は目をみはる躍進を続けます。
すごい快進撃が続いて。
2年生3年生の対し方みたいなのは変わってきたりはしなかったんですか?途中からもう荒木先輩なんて言うようになったり。
全くないですね。
もう本当1年生のまま。
よく僕にいたずら…ちょっかいを出してくる先輩でリラックスさせてくれた。
荒木投手は初戦から3回戦までなんと1点も与えず準々決勝も無失点で完封。
そして準決勝も完封勝利。
ここまで…それは夏の甲子園の連続無失点記録45回の更新にあと1回と迫るまでになっていたのです。
改めてですね1回戦からのスコアを表示していきたいと思います。
0が続きましたね。
最初の出場の時にほぼほぼ完璧ものすごく冷静なんですよね。
すっごいですね。
どうしてここまでこういった成績が1年生残せたと思いますか?試合から得るものっていうのはやはり練習から得るものと格段に違うものってありますか?自信がもう大きく得られるのでこれはもうすごいです。
どうやったらいいコースに行ったりバッターが打ちにくいボールになったりするのかなっていうのは途中からやっぱり考えるようになって。
そこはまだ1年生なのかもしれないですよね。
一番ガンガン吸収しちゃって。
あの〜甲子園によく魔物がいらっしゃる…。
いらっしゃるって言い方変ですけど完全に僕は魔物がうちの学校に降りてきた感じがしましたね。
その感覚っていうのは?先輩たちもですね…あんなに俺守備うまくなかったと思うしあんなに打てなかったと思うんです予選の時とか…。
この人なんか全く打てなかった人なんですよ。
いい魔物なんですね。
いい魔物が…。
あまりいたずらをしない…。
みんな動きいいぞみたいな。
大活躍の荒木投手。
その周りはとんでもない状況になっていました。
宿舎から試合に向かうところをファンが待ち伏せ。
連日甲子園のスタンドは女性のファンで埋め尽くされました。
(観客)頑張れ頑張れ荒木!頑張れ頑張れ荒木!更にはこんなTシャツも…。
すごいですね。
こういう物が既に販売されてたんですか?これ自分で…恐らく作ったんじゃないですか?…にしては完成度が高い。
本気度が伝わってきますね。
これかなり本気度が伝わってきますね。
は〜!帰りのバスに向かうのもガードマンが人垣を作って守ります。
みんな荒木のファンなんだけど一応俺もみたいに…。
練習場にも荒木投手を一目見ようと女性ファンが殺到しました。
アイドル雑誌や週刊誌も荒木投手を追い続け大ちゃんフィーバーとなりました。
野球雑誌のみならずそれこそグラビアアイドル並みのね雑誌に載ったりとかね…。
普通に野球雑誌以外の取材とかもやはり…。
女の子の高校生向けの雑誌が。
「閉めて下さい」みたいな…。
こちらも…。
これユニフォーム姿は分かりますけどちょっと右側下の…。
このころから出てきたんすね。
こういう遠巻きにあらぬショットを撮るっていうね…。
何か同級生とかにこの話したような気がしますね。
「やばいな」みたいな…。
こういうのは明らかに荒木大輔が多分最初ですね。
その前のアイドル的人気の出た人もいましたけどそのころはまだこういう文化はなかったですからね。
しかもこの荒木大ちゃんフィーバーが社会現象になった事の一つとして…連続でずっとその「大輔」という名前が1位になってる。
最近大輔増えてきてんなみたいな…。
確か松坂もそうですよね?はいそうですね。
松坂さんのお母様がファンでっていう由来ですよね。
だから僕は松坂君が甲子園出た時にスタンドまで松坂君のお母さんにですね挨拶に行っていつもお世話になってますって…何のお世話になってるか分かんないんですけど。
さあそしていよいよ1年生エース荒木さんが夏の大会の決勝戦を迎えます。
早稲田実業夏の初優勝成るか?そして連続無失点の大記録成るか?日本中が注目した決勝戦です。
迎えた決勝戦。
甲子園には4万8,000人の大観衆が詰めかけました。
決勝の舞台っていうのはやはり違ったものなんですか?雰囲気はやはり違いますね。
独特なものがありましたし…。
相手は横浜高校。
大会屈指の左腕愛甲猛投手を擁していました。
1回表早稲田実業はワンナウト二塁三塁のチャンスをつかみます。
(実況)おや?やりました!早稲田実業1点を先取しました。
そしていよいよ16歳の1年生エースがマウンドに上がりました。
大会記録の更新に注目が集まります。
やはりこれは意識はされてましたか?そうですよね。
きっと記者の方たちとかだとインタビューお話を聞くとなればその記録の事に触れてって…。
向こうは向こうでね絶対そういう質問になるのは今となっては分かりますけれども…。
(実況)カーブに合わせましたがセカンドが追いつき…いやファーストに任せました。
ワンナウト。
あとアウト2つで連続無失点の新記録。
続く2番バッター。
ここで突如コントロールが乱れます。
(実況)これもちょっと高めです!3番愛甲選手に対しては…。
(実況)センターへ左中間へ!ランナー三塁へ。
ヒットランナーは一塁へ。
一塁三塁!これまで自在に操っていた癖球が打たれてしまいます。
決勝までの5試合を連投してきた荒木投手。
球数は554球に達していました。
そして投じた555球目。
(実況)さあセンター前抜けるか?同点です。
疲れはどうだったんですか?もう。
まひしてますね。
リトルリーグから野球始めましたけどその連続で完封なんていうあんまり記憶がないのでどっかで必ず打たれてるので…。
記録が途絶えた直後…。
(実況)あっボークでしょうか?ボークです。
野球人生で初めてのボーク。
決勝戦は3回で5失点。
快進撃を続けてきた1年生エースはマウンドを降りました。
そして横浜が6対4と2点リードで9回。
16歳の快進撃は準優勝で終わりました。
得点のあとのボーク。
ボール落としてしまいましたけどあれっていうのは多少動揺とかあったんですか?動揺はしていた記憶ないんですね。
リトルリーグの時の監督に「ボールは本当に軽く持ちなさい」と。
「生卵を持つように軽く持ちなさい」という感じで教わってたのでそれはずっと守り通してたんですね。
でやっぱり…ただこれ見てる方からすると1年生エースが1回戦から頑張って根も尽き果てるその直前みたいに映ったんじゃないのかなと思う訳ね。
今までずっとゼロ行進が続いて得点を取られたあとのあの瞬間でしたからね。
「バテバテなんじゃないのか?荒木大輔」みたいに見えちゃったかもしれないねあれでね。
1年生で決勝まで行ったというのはどういうものですか?高校野球のやっぱり…最初に入学して4か月後にもう最高峰見られた訳ですね高校野球の。
ですからやっぱり上には上がすごくいるんだなっていうのを感じさせられたのがやっぱりこの大会なので…。
甲子園を沸かせた多くの選手たちそれぞれの初めての甲子園です。
まずは1年生で出場し大活躍した選手です。
1年生からPL学園の4番に君臨。
決勝戦では甲子園初ホームランを放ち見事優勝をつかみました。
大阪桐蔭の中田翔選手は1年生で5番バッター。
うわ〜。
ハハッ。
そのパワーを見せつけました。
ピッチャーだったんですもんね。
投手としても活躍。
ベスト4に進出する原動力となりました。
最初は悔しい結果でそれをバネにした選手たちもいます。
1年生で星稜の4番に座った…その夏は一本のヒットも打てませんでした。
大人ですね。
風格がありますよね。
そして2年生の夏に初めてのホームラン。
ベスト4に進出しました。
1年生の時にはベンチに入れなかった…初めての甲子園は2年生の春。
好投するもチームは2回戦で敗退。
その年の夏。
どの選手も高校時代の方がフォームダイナミックな人多いですよね。
成長したエースは全国優勝を成し遂げました。
甲子園で勝利をつかめなかった選手もいます。
うわっイチローさん。
2年生の夏に初出場。
3番レフトでした。
別に振り子じゃないんだね。
高校生の時は…。
打ったヒットは1本だけ。
初戦で敗れました。
3年生の春にエースとなって再び出場。
しかし優勝候補を相手に2対3と1点差に泣き初戦で敗退しました。
甲子園を沸かせた選手たちの成績が出ていますけれども順調に優勝まで行った選手もいれば…。
そういう選手ってリアルに記憶があるんですよね。
当然もうその当時からスター級で。
ところがイチロー辺りになると初戦で敗退してるんで当時の記憶ってない訳ですよね。
後になってとんでもない選手になっちゃう。
いろいろな思いがあるんですね。
やはり甲子園というのは…。
負けるとやっぱり悔しさっていうのが出て…そこでもう一度練習を積んだり。
高校野球って…甲子園大会って勝つ学校って1校だけじゃないですか。
だからあとは全部負ける訳ですからご褒美をもらえた人たちだけが優勝校になる訳ですからあんまり差はないかなって僕は思ってるんですけどもね。
今回「初々しさの快進撃」というのがテーマな訳ですけども初めて出場したチームで初優勝しちゃったと。
それこそ初々しいずくめのチームっていうのはどれぐらいあると思いますか?え〜…どれぐらいですかね?意外と多かったりするんじゃないですか。
正解はこちらになっておりますね。
春夏合わせても10年に1回…。
10年に1回はでもあるんですね。
春1964年の徳島海南高校はこの時のエースが…初出場初優勝したっきりもう出てないと…。
その1回出た時に優勝したと…。
はい。
もう一つこういう時にあんまり語られないんですけど昭和46年1971年の桐蔭学園高校。
私はその当時はまだ系列の中学にいたんですけれど中学生も動員されて応援に行く訳ですね。
得したなと思いましたね。
甲子園の優勝ってのは割にすぐできるもんなんだなと。
…で学校が浮かれましてこんなペナントを発売したりですね。
まだペナントぐらいならまだしも…これってのは…。
歌ですか?その実況が入っている。
その当時ビデオもDVDもないですから。
買っちゃいましたね。
負けた方もちゃんとこうたたえてるんですね。
「敗れて悔いなし磐城高校」とね。
このフィーバーぶりが分かると思いますよね。
ハハハ!いやでも初出場で初優勝ですから浮かれるんじゃないですか。
そりゃあLPの1枚も出ますよ。
LPぐらいは出しちゃうんじゃないかと。
荒木2015/08/10(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
高校野球100年 レジェンドが語る名勝負の秘密「第3回 初々しさの快進撃」[字]
高校野球100年の歴史に残る名勝負。第3回はレジェンド荒木大輔が登場!亀梨和也(KAT−TUN)とやくみつるが、無名1年生エースの快進撃の秘密に迫る。
詳細情報
番組内容
高校野球100年の歴史に残る名勝負。第3回のレジェンドは1年生エースで大活躍し大フィーバーを起こした荒木大輔さん。亀梨和也とやくみつるがあの“伝説の物語”の秘密に迫る!当時注目の高くなかった早稲田実業。荒木投手は急きょエースとなった16歳の1年生だった。1回戦で優勝候補を破り、その後準決勝まで1点も取られない。脅威の快進撃の裏に何があったのか。今だから語られる秘話、興奮と涙のドラマが。お宝映像も!
出演者
【ゲスト】荒木大輔,【出演】亀梨和也,やくみつる,【語り】高山みなみ
ジャンル :
スポーツ – 野球
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
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