新・科捜研の女2 2015.08.10


(うめき声)
(岩槻弥)ここの掃除は僕の仕事になってて。
それでさっき掃除に来たら親父が倒れてて…。
(土門薫)頭に2か所傷がある。
たぶん撲殺だ。
(榊マリコ)口出さないで私の仕事よ。
(谷口朝男)土門さんちょっと。
こんな仏像が。
どこにあったんだ?あの中に。
それに…ここ。
血痕ね。
口出しするな俺の仕事だ。
これが被害者の血なら私の仕事よ。
ガイシャの血ならホシはこの寺の人間…かな?早速検査に回すわ。
触らないで!
(麻生早紀江)それは重要文化財なんです。
ちょっとあんた!何このシミ!?血痕です。
つまり人間の血。
(悲鳴)こらこら!おい!あんた勝手なことするな!何てことするんですか!えっ?国の重要文化財に何てことを!ていうかあんた誰なんだ?文化財Gメンですよ。
文化財Gメン?文化財保護管理委員の麻生です。
うちみたいな古い寺や遺跡を回って絵や仏像を勝手に文化財や国宝に決める連中ですよ。
勝手にとは心外ですね。
親父がそう言ってたんでね。
ご住職には理解していただいたはずです。
嘆いてましたよ。
「こんなはずじゃなかった」って。
「こんなはずじゃなかった」?そのちっぽけな仏の管理に金がかかりすぎるって。
国からの補助金が出てるはずですよ。
全然足りないって。
そちらの見込み違いをこちらのせいにしないでください。
そっちが文句つけるからだろう!文句ではありません指導です。
一般公開まで制限しやがって。
当たり前です!これは日本が誇る重要文化財ですよ!親父はそれで客呼ぼうとしてたんだよ。
そんな営利目的の事情なんて知りません!あの。
この仏様どんな文化財なんですか?「光雲」という歴史的な仏師の作品で400年も前に作られたいわば芸術品です。
これは今すぐ私が接収します。
それは困ります。
すぐに修復が必要なんです。
血痕が付着している以上こちらが押収します。
何言ってるの!?文化財だって言ってるでしょう!その前に殺人事件の重要な証拠です。
文化財の管理は我々文化庁の責任です!物証の捜査は我々警察の義務です!わからない人ね!そちらこそ!
(米倉助教授)坊さんの頭の傷は2つ。
前と後ろ。
どっちも生活反応はあったで。
つまり犯人は一度で死ななかったから二度殴った。
うん。
脳の損傷から見て致命傷は二度目に殴られたここやな。
それにしても仏さんにお仕えする坊さんを二度も殴って殺すとはほんまに神も仏もあったもんやないなぁ。
これが後頭部を殴った凶器の形。
(乾健児)ええ。
前頭部とは明らかに違います。
犯人は前と後ろを別の凶器で殴ったの?ええそういうことになりますね。
何でそんなこと…。
あなたがこの寺の仕事をするようになったのはこれが重要文化財に指定された半年前からだったとか。
だから?それまでは寺に寄りつきもしなかった。
父親である住職と何か問題でも?どうせもう調べてんでしょ?ええ。
親父とは折り合いが悪かったよ。
ガキの頃から「この寺を継げ。
早く総本山に修行に行け」って。
そんなこと勝手に決められたら誰だって嫌気が差すでしょう?この仏像にあなたの指紋が付いてたよ。
でしょうね。
「でしょうね」?言ったでしょ。
本堂の掃除は僕の仕事だって。
指紋は本堂の掃除の時に付いたと?たぶんね。
ということはこの仏像は普段は住職が殺された本堂にある。
それをあなたが廊下の押し入れに移した。
さあそれはなぜでしょう?
(佐久間誠)苦労したぞ…まったく!お手数おかけしました。
喧嘩させないでくれ文化庁と。
喧嘩しただけのことはある鑑定をしてみせます。
まあ大きく出るのはいいが文化財だってことを忘れるな。
はい?いいか。
絶対に傷を付けるな!麻生君との約束だ。
麻生君…。
あの文化財Gメンとお知り合いで。
ああ。
美術品強盗の捜査で協力してもらったことがあってね。
そうですか。
美術の知識に長けていてそれを誇りにしている女性だ。
そのようですね。
その仕事に打ち込むあまり現在も独身。
は?誰かさんと似てると思ってな。
早速傷つけないよう鑑定します。
あ…あのー。
何だ?新しく来たうちの所長なんですが。
あん?どうして…あの人が?榊教授には警察庁が前々から打診していたそうだ。
前々から?でも何で京都府警に?詳しくは知らんが…どうやら本人が希望したらしい。
本人が…どうして?知らんよ!自分で訊いてみたらどうだ。
親子だろ。
失礼します。
(榊伊知郎)よいしょ。
(日野和正)しかしまた何で娘の職場に来るかね。
(土門美貴)昨夜訊かなかったの?歓送迎会で。
美貴ちゃん仕事で来なかったから知らないんだ。
訊く暇なかったのよ。
すぐに酔っぱらっちゃってさ。
あの新所長。
でもマリコさんは?それがすぐ帰っちゃって。
はっ?変な親子。
噂をすれば娘のほうが。
みんな!ちょっとこれ見て。
持って。
いい?ほら。
(乾)あっ!そうこれが1つ目の凶器。
でもこれ重要文化財なんですよね?文化財で殴ったんだ。
なるほどだからこれに血が…。
いやそれは変だね。
えっ?ここで殴ったなら血はここに付かないと。
(乾)犯人が拭き取ったんじゃないですか?
(伊知郎)ここは拭き取らなかったのに?
(乾)これは被害者の血じゃなくて後から付いたものとか。
これが誰の血かは鑑定してみないとね。
じゃあお願いします榊君。
はい。
早速鑑定します。
あの。
はい?手伝ってもらえますか?あっ…はいはい。
訊きたいことがあるんですが。
(伊知郎)え?何で大学の仕事辞めて警察に?いけなかった?で何で京都府警なの?私がいるの知ってて。
だから言ったでしょ。
娘に老後の面倒見てもらいたくてさ。
冗談じゃないわよずっと…。
ずっとほったらかしにしてたくせに?ハハハ…。
仕事楽しそうじゃないか。
ええやりがいはあるわよ。
父さんもずーっと仕事が楽しかった。
そう。
だから?だからつい仕事にかまけて…忘れてた。
忘れてた?大事なこと。
ここから採取した血液殺された住職のものだった。
ここからは?血は出なかった。
えっ…。
ここで殴ってここに血が付かないなんてことあります?ありえないね。
つまりこれは凶器じゃないってことね。
でも凶器の形とピッタリなのに。
例えばこれと同じ仏像がもう1つあるとか。
だってこれ国宝でしょ?重要文化財。
その文化財のそばでおにぎり食べないでよ!その重要文化財に同じものがあるはずないですよ。
(伊知郎)その像から血液以外の成分が検出されたよ。
何ですかその成分て。
紅茶。
(美貴)紅茶?そうあの飲む紅茶。
えっ紅茶?僕にもちょうだい。
紅茶って…もしかして古色付け。
古色付け?だからそれは盗まれたことにしようと思って。
で仏像を本堂から勝手に持ち出したんだな?だって親父がいなくなったら誰が管理するんですか?国がするでしょう。
重要文化財なんだから。
冗談じゃない国にとられるなんて。
だからって海外に売ろうとするか?ヨーロッパの金持ちなら盗品でも平気で買う奴らがいるって聞いて。
そういう奴らなら手入れにも金かけるっていうし。
まあこんなちっぽけな貧乏寺よりはね?よっぽど。
あれ。
これじゃまるで僕が親父を殺した犯人みたいですね。
そうだねぇ。
親父とはうまくいってないわ親父が大事にしてた寺の文化財を売り払おうとするわ。
立派な動機だ。
でも僕が行った時には親父はすでに死んでたんです。
ほう。
って言っても無理でしょうね。
アリバイくらいは聞く耳持つよ。
アリバイ…。
ないですよそんなもの。
うーんそれは残念だ。
クソ親父が!死んでも俺を困らせやがって。
たぶんこの仏様には古色付けがしてあるわ。
紅茶を使って陶器や紙に時代をつける作業よ。
時代をつける?古びた感じにするってこと。
確か贋作を作る時によく使われる手だね。
えっ!じゃあまさか!?炭素14調べたほうがいいかもしれないね。
炭素14?すべての生物にはそういう炭素が含まれてるの。
生物が死ぬとその炭素14が減ってくの。
だからその量を調べるとその生物が死んだり枯れたりした時間がわかる。
炭素年代測定法って言ってね。
はぁすごーい!さあさあはい調べますよ。
ちょっとストップ!何すんの?それはこっちのセリフよ。
これは重要文化財なのよ。
ほんの少しだけだって。
検査に必要な量は10ミリグラムあればいいんだから。
絶対に傷つけないって約束したの。
はぁ〜あ。
困ったねえ。
(乾)何か他に方法はないんですか?この仏像ならないことはないかもね。
ちょっと何する気?これ運がいいことにほらほら!年輪がむき出しになってる。
あっ!年輪年代法!年輪年代法?木材が伐採された年を測定する方法。
さらに運がいいことにこれはヒノキでできてます。
確かヒノキなら3000年前まで年代分析が可能よ。
3000年前まで?
(乾)その方法なら傷つけずに鑑定できるんですか?法隆寺の五重塔もそれで年代出してるんだよ。
早速鑑定お願いします所長!あっそうだね。

(伊知郎)この木はここ20年以内に伐採されたものだった。
(日野・美貴・乾)20年以内!?じゃあこの仏像はやっぱり贋作…。
(伊知郎)うん文化財なんかじゃない。
これが偽物ね〜。
(日野)紅茶は嘘つかないってことだ。
誰かが本物とすり替えたってことですかね?被害者を殴った凶器はその本物…。
その可能性はあるね。
ああっ!
(美貴)ヤダもう!
(美貴)ちょっとこれ本物だったら大変ですよ!ごめんごめん。
アチチチ…。
本物は今どこに…。
この贋作を作った人ならあるいは知ってるかもしれないね。
贋作者か。
何とかして探せないかしら。
探せるかもよ。
でもすごいな。
こういう文字でも鑑定できちゃうなんて。
文字にはね必ず書いた人の癖が出るのよ。
こういう彫られた文字でも?もちろん。
どんなに人の字を真似てもね。
はぁ〜そういうもんなんだ。
だから印鑑の筆跡鑑定もできるんだよ。
ふーん。
あの仏像が偽物ならやっぱり住職の息子はシロだな。
え?彼は本物だと思い込んでいた。
じゃあ犯人は…。
あの女は気づかなかったのかな。
あの女?偽物だってことに。
まがりなりにもプロだろ。
文化財Gメンの麻生さんを疑ってるの?彼女と初めて会った時のことを覚えてるか?住職が殺された日?彼女は仏像に付いた血が誰のかを訊かなかった。
そういえば…。
まるで誰の血かあの時すでに知ってたみたいだ。
結構な保存状態です。
今後もこの調子で。
(館長)はい。
では私はこれで。
ご苦労さまです。
悪いけどスケジュールが詰まってて。
歩きながらで結構ですよ。
傷つけてないでしょうね?はい?重要文化財。
それなんですが…。
まさかあの仏像に何か!?贋作でした。
はっ?気づかなかったんですか贋作だってことに。
私があれを文化財に指定した時には本物でした。
まさか贋作にすり替わってたなんて思いもしません。
それで…今本物はどこに?鋭意捜索中です。
国の重要文化財です。
見つかり次第返却願います。
重要文化財の仏像を贋作とすり替えて例えば海外に売り飛ばした…。
彼女は自分の仕事にプライドを持ってるわ。
プライドってやつはたやすく金で転ぶよ。
でも私ならとてもそんなことはできない。
彼女はお前じゃない。
あの女の身辺を探ってみるよ。
それより本物の仏像を探したほうが。
文化財がどうなろうが俺には興味ないよ。
文化財だからじゃなく凶器だからよ。
被害者は本物の仏像で殴られてたの。
これが最初に殴られた傷か。
そうたぶん本物の重要文化財で付いた傷。
じゃあ二度目に殴って致命傷を与えた凶器は何だ?それはまだ特定できてない。
しかし重要文化財で人を殴るか…。
彼女がそんなことするかしら?人間は追いつめられれば自分さえ裏切る。
刑事らしい考えね。
こっちの凶器も早く特定してくれ。
これじゃないですか!でもこの観音様を持ち上げて殴るのは無理ね。
つまり住職は仏像でガン!て殴られてそのままここに前頭部を強打した。
でここに倒れた。
じゃそれを証明してみないとね。
うーん…。
やっぱりこの観音様が被害者に致命傷を与えたのね。
ちょっと。
泣いてる!つまり…いい?イッ!こういうふうに…血が飛び散ったのよ。
あっそういうことか。
かなり勢いよく頭を打ちつけたってことね。
やっぱここに倒れ込んだんですね。
(うめき声)そして犯人はその血を拭き取った。
(テレビ音声)ただいまー。
おうおかえり。
遅かったねえ飯は?食べてきた。
じゃなくて父さんの。
知らない。
おいおい。
父さん。
ん?父さんは自分の仕事にプライド持ってた?まあそれなりにな。
そういう人でもあるのかな。
何が?仕事で過ちを犯してしまうこと。
あると思う?ねえ父さん。
腹減った。
ちょっと父さん!
(館長)ええ麻生さんはあの若さでなかなか優秀ですよ。
文化財登録した後もわざわざ足を運んでその後の状態を確かめる。
その熱心さには頭が下がります。
彼女の職場の人も同じことを言っていました。
根っから好きなんでしょうね美術品が。
そんな私が贋作を作るかしら?私があの仏像の贋作を作り本物を海外で売ろうとした。
それで住職ともめて殺した。
何言ってるんですか麻生さん。
こちらの刑事さんがそう思ってらっしゃるようなので。
えっ?昨日から私のこと聞き回ってるようですね。
本気で私が犯人だと?少なくとも犯人は重要文化財で人を殴るような人です。
何ですって!?住職はここに頭を打ちつけて亡くなったんです。
(麻生)転んで頭を打ったということですか?いいえ。
これで殴られて倒れたんです。
それも贋作ではなく本物に。
私がそんなことするとでも!?それは…。
しかし一番いい手だ。
あんたのような人が疑われないようにするためには。
心外です。
殺人犯として疑われるより貴重な文化財で人を殴ったと思われるほうが心外です!文化財が大切ですか?当たり前です。
人の命よりも。
あぁ…。
やった…。
ところで本物の仏像は探してるの?あの女が持ってるとは思うんだが。
彼女の職場や家は?捜索したくても今の段階じゃ令状が取れない。
住職が殺された後の彼女の足取りは?うんもちろん調べてあるが?その中に美術館や博物館古いお寺や神社は?うーん…いくつかあるな。
彼女が文化財を隠すならたぶんこういうこところよ。
美術館や古い寺ってそんな目立つとこにか?木でできた仏像の管理って大変なの。
文化財ならなおさら温度や湿度に気を使うはずよ。
うん…よし行ってみるか。
(携帯電話)はい。
贋作を作った人物がわかった?えっ?一致しましたよこの2つの筆跡。
つまりこの光雲はあなたが作った贋作だ。
さあ言い訳を考えてください。
頼まれたんだよ。
誰に?もしかして…。
俺はあの坊主に金さえもらえりゃよかったんだ。
住職に?いや…でも俺が殺したんじゃないからな。
なぜ住職が…?
(日野)呆れたねぇ…。
あんたみたいな人が仏師を名乗ってるなんて。
お前ら警察に仏師の何がわかる!あんた…ちょっとごめん。
名前の頭に「居士」って彫ってるね。
だから何だよ。
これはね「仏の道を求める人」っていう意味だ!こちらに文化財があると思うんですが。
はい。
本尊の弘法大師像は国宝に指定されております。
国宝…。
はい。
最近文化財Gメンの麻生さん来ましたよね?ええ定期検査やとかで。
熱心なお方で。
その文化財見たいんですがどこに?あぁー残念ですな。
一般公開は50年に一度ですわ。
50年!?はい50年に一度開帳法要がありましてその時だけです。
じゃあその間は誰も?誰も見られません麻生さん以外は。
見せてください!せやから今50年は見せられないと申し上げました…。
そこを何とかお願いします!あなたねえもうかわいい顔してほんまに。
あのね信仰をどういうものか知ってはりますか?警察が令状を用意します。
それでよろしいですよね?はい…わかりました。
すぐ鍵取りに行ってきます。
ねえ令状出せるの?ハッタリだ。
ハッタリって!?ブツが出れば後でいくらでも取れるさ。
出なかったらどうするのよ。
大問題になるな。
「なるな」って!その時は一緒にクビになってやる。
ちょっと失礼。
どうぞ。
あった!こちらのものじゃありませんね?知りません。
私たちのクビつながったみたいね。
これであの女を引っ張れるぞ。
まだ彼女が殺したという証拠にはならないわよ。
証拠を探すのはお前の仕事だ。
ほぉーこれが本物の重要文化財。
最初に被害者を殴った凶器です。
問題はどうやってここから…。
ああっ!大丈夫。
どうやってここから被害者の血液を検出するかだね。
きれいに拭き取られちゃってますもんね。
ルミノール!あっ…。
ダメですよね。
これ重要文化財だからね。
所長。
あの鑑定もう一度お願いします。
あの鑑定?仏像の年代を調べた鑑定です。
あれは木材を伐採した年を調べる方法だよ。
あの鑑定で紫外線使ってましたよね?うん…。
それで重要なことがわかるはずなんです。
(伊知郎)はいできたよー。
(美貴)このシミが血なんですか?そう。
(伊知郎)紫外線写真でこんなことがわかるとはね。
いくらすぐに拭き取っても血は浸透性が高いから。
染み込みやすいってことだね。
確かに洗濯の時なんか一番落ちないもん。
そのシミが一番濃く浮かんでるのがやっぱりここ。
台座にこれだけ付いているってことは被害者の血ですね。
(日野)でも被害者の血かどうか鑑定するにはそこから染み込んだ血を取り出さないとな。
薬品に浸しちゃうってわけにはいかないですもんね文化財だし。
そうね…。
でね…こんな面白い写真も撮れたんだ。
これは…!さあ。
どうぞ。
返却しますよ。
何の冗談かしら。
…というと?またこんな贋作出してきて。
さすがですね。
こんな薄暗い中でも本物と偽物の区別がつくなんて。
俺にはどっちが本物やら…。
こっちが本物。
間違いないですね?この本物傷つけないよう鑑定させていただきました。
これは?この仏像の紫外線写真です。
そしてこのシミが…血痕。
住職を殴った時の血痕です。
そしてもう1枚。
さらにこれがそれを拡大したもの。
これは…。
血液指紋です。
血液指紋?つまり血でスタンプされた指紋。
あなたの指紋と一致しましたよ。
麻生さん。
木に染み込んだ血液はいくら表面を拭き取っても内部にしっかりと残るんですよ。
そんなことわかってたわ。
だから隠したのよ。
隠した?なぜすぐ処分しなかったんですか?できませんよね?あなたには。
これは日本が誇る重要文化財です!でもあなたはそれを血に染めた。
あなたは…。
そんなつもりじゃなかったわ!ではなぜ住職を?住職はこの文化財を見世物にしようとしたんです。
一般公開はあなたの力で制限できるはずでは?もちろんそうしたわ。
そうしたら彼はこれが自分の自由にならないことにとても怒って…。
それで彼は贋作を作ったんですね?まさかそこまでするなんて…。
あなたはそれをいつ知ったんですか?知らなかったわ。
あなたたちにこの贋作を見せられるまで。
早速検査に回すわ。
触らないで!それは重要文化財なんです。
今思えば住職はこの贋作を作るためにここから仏像を持ち出したのね…。
いらしてたんですか。
抜き打ちで来てみればどういうことですか!ここに安置した仏像はどこですか!?ここに。
ここから持ち出したんですね?重大な違反行為ですよ!?ご住職!うちの仏さんや。
どないしようと勝手やろ。
何ですって!?これ以上指図せんといてくれ。
何すんのや!これは今すぐ強制接収します。
また勝手に持ち出されては困りますから。
ええ加減にせい!勝手なことするな!離して!この件は問題にしますよ!うちの仏さんを取り上げる気か!?えっ!あなたにこれを持つ資格はない!ああーっ!その後あんたは本物の仏像を持って逃げた。
現場にもう一体贋作があったことも気づかずに。
そこに住職の息子が来て…。
親父!それを本物だと思い込み持ち出した。
父親を殺したのがあんただとも知らずに。
殺すつもりはなかったわ。
殺してるじゃないか!夢中だった。
守りたい一心だった…。
でも気づいたら住職の血が…。
私の指紋まで!だから50年間開かずのお寺に隠したんですね。
これを処分するなんて私にはできなかった。
保存状態さえよければいつかきっとまた尊い美術品としてこの国で生きられるってそう思ったわ。
皮肉ですね。
あなたがそうまでして守った仏様があなたが犯人だと教えてくれたんです。
悪いことはできないわね…。
きっと神様は…いいえ仏様は見ているんですね。
まさか親父が…。
あんたの親父さんも金に転んだんだよ。
(笑い)何がおかしい?だって親父もこれを売ろうとしてたなんて。
(笑い)偽物まで作って。
僕より性質が悪い。
さんざんきれい事ばかり言ってたくせに。
フフッ。
それじゃあ…。
それじゃあ…僕と同じじゃないか。
結局父と息子似たもの親子だったってわけだ。
似たもの親子…。
ああ。
似ている分どうしても反発してしまう。
えっ?いや。
そういうことがあるのかもしれん。
どうした?でもよかった。
息子さんあの文化財を大切に守るって。
あんな奴の言うこと真に受けるな。
でも父の形見だからって。
信じていいと思うけど。
これでいつでもあの文化財を見ることができるわね。
フフッ。
文化財なんかに興味はない。
2015/08/10(月) 17:00〜17:53
ABCテレビ1
新・科捜研の女2[再][字]

舞台は京都府警科学捜査研究所・・・通称”科捜研” 沢口靖子演じる榊マリコが、科学を武器に難事件を解決します!微細証拠から始まるキレの良い科学捜査をお楽しみに!

詳細情報
◇出演者
沢口靖子・内藤剛志・加藤貴子・小野武彦・田中健 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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