民族同士の内戦後、世界のどの国も、韓国が産業化と民主化という課題を達成できるとは思っていなかった。大多数の新生独立国家のように、産業化と民主化のどちらか一つだけは成功しても、両方成功させることはできないだろうと考えた。しかし韓国は、新たな成功時代を開いた。グローバル化や情報化に至るまで、韓国は休みなく走ってきた。
しかし最近になって、韓国式発展モデルそのものが限界に突き当たっているかのような兆候が、あちこちで見られている。政治体制は、時代の変化に合った新たな国家戦略を提示できないまま右往左往している。低成長の沼にはまった経済と二極化の問題は、もはや放置できない段階に達した。昔ながらの地域対立に加えて党派・イデオロギー対立があり、さらに今では世代対立まで拡大している。いずれ韓国を崩壊させかねない、内部の時限爆弾だ。新たな国家戦略と統合・寛容の共同体統合モデルを模索することは、一刻を争う国家的な急務だ。
光復(日本による植民地支配からの解放)は、今なお未完の状態で残っている。解放と共に到来した分断の壁を崩せずにいるからだ。韓国と異なり、共産主義一党独裁の道を疾走した北朝鮮は、金氏王朝にほかならない封建王国へと転落した。今この瞬間にも、北朝鮮の同胞は世界最悪の人権弾圧と餓え、疾病に苦しんでいる。韓国への挑発を止めず、核・ミサイル実験を再開する可能性も小さくない。韓国は、このように好戦的で予測不可能な北朝鮮を相手にすることで、70年もの間、有形・無形の莫大な分断費用を支払ってきた。光復を完成させ、韓国が新たに跳躍するためにも、統一はもはや先延ばしできない課題だ。
統一は、いつ、どのような姿で到来するか予測が難しい。70年前、われわれの手で実現できなかった解放が数多の混乱と多くの犠牲をもたらした―という歴史の教訓を忘れてはならない。統一まで無防備に放っておくというのは、韓国の歴史的責務を放棄することにほかならない。光復70年の成果を越えて、南北が一つになる「ワン・コリア」時代に備えなければならない。光復70年を迎えるきょう、70年かけてわれわれが達成してきた成果を、分断の壁を崩して民族全体が共に豊かに生きていけるエネルギーへと変換できるよう、皆が力を合わせなければならない。