美の壺・選「キレイな朝食」 2015.08.09


(テーマ音楽)ふあ〜。
おはようございます。
うん?ああおはよう。
何だか目覚め悪そうですね。
朝ごはんちゃんと食べましたか?今朝はね妻もいないからコーヒーだけで済まそうかなって思っちゃってね。
それじゃあ頭も体も動きませんよ。
え?今朝ごはんがブームになってるの知らないんですか?えそうなの?早朝街角に長蛇の列。
その先にあるのはパンケーキ。
更に24時間空港になった羽田にもこんなお店が。
朝食が自慢のトースト専門店です。
到着便の飛行機で目覚めた人がいつでもきちんと朝食が取れます。
朝食を取ることによって一日のリセットになれば。
活力というか元気が出る。
皆さん朝ちゃんと食べてますか?いい一日はとっておきの朝食から。
今回は洋風の朝食。
まずは卵。
朝の体を目覚めさせるジュース。
そしてパンに注目。
戦後憧れだった洋風の朝食はすっかり定着し更に進化を遂げています。
今日は朝食の美を鑑賞していきましょう。
フフ〜ン。
ちょっとおなかすいちゃったから作ってきました。
朝ごはんといえばこれでしょう。
あら〜きれいに焼けましたね。
なかなかのもんでしょ?僕はね目玉焼きにはちょっとしたこだわりがあるんです。
黄身はね底の方がちょっと固まるぐらいの半熟。
そこにしょうゆをたらしてまず最初に黄身を崩してから食べる。
それが僕のスタイルです。
フフ〜ン。
卵には美しく輝かせる秘けつがあるんです。
へえ。
朝食ブームの先駆け。
喫茶店のモーニングが盛んな名古屋市。
街のあちこちでモーニング。
個性的なサービスが競われています。
昭和30年代毎朝訪れる常連への気遣いとしてコーヒーにピーナツとゆで卵を付けたのが始まりだと言われています。
当時は卵がちょっとした贅沢品でした。
人気の卵料理。
このお店のサービスは…。
とある常連さん。
おはようございます。
こちらは…目玉焼きやポーチドエッグなど卵の料理方法を選ぶことができるんです。
ゆで卵はゆで時間までお好みで。
火加減一つで卵の食感や味わいが変わります。
客の好みに合わせたもてなし。
そこに卵料理がぴったりでした。
自分がちょっとホテルを経験してるもんですからどうせなら皆さんに選んで頂いて楽しんで頂いたほうがいいと思いましてね。
卵はちょっと目が離せないんですよね。
その場で付いてて一つずつやらないと。
卵は繊細。
ひとたび加熱すると後戻りできない食材です。
黄色と白のコントラスト。
2色が混じり合ったふわりと優しい色合い。
今日最初の壺は…東京にあるフレンチの店。
シェフ谷昇さんは卵料理を追求しています。
谷さんには料理人生を揺るがす卵の思い出があります。
20代のころフレンチの巨匠ポール・ボキューズ氏からじきじきにある卵料理を作るよう言われます。
目玉焼きですいわゆる。
作れと言われた時に僕はもう普通何も考えてない時代ですからね小さなフライパンを用意しでそこの中にバターを入れでやおら目玉焼きを作ろうとした時に「ちょっと待て」と。
ポール・ボキューズ直伝の目玉焼き。
まずバターを塗った皿に卵を落とします。
なんと直接火にはかけません。
温度が上がりすぎないよう湯煎します。
その間のうちで優しく料理をしていくっていう。
それが何のことはない目玉焼きがそれで表現されてしまったものですからね。
ゆっくり加熱すると卵は艶をたたえたまま固まっていきます。
黄身にほんのり膜が張るあたりで煮詰めた赤ワインビネガーをたらして出来上がり。
(谷)でボキューズさん…「これが目玉焼きだよ」っていう。
「分かったか?ほら!」そんな感じ。
神様が隣にいて目玉焼きを伝授下さるっていう。
…ってもうそれしかないですよね。
白くぷるんと固まった部分と透明のとろりとした2層の白身。
黄身が艶めく姿は官能的ですらあります。
一方強火で瞬時に作るのがオムレツです。
刻々と変わる卵を鑑賞しましょう。
谷さんが作る時間はわずか1分足らず。
弾むようなオムレツ。
薄皮1枚で包まれた中は…とろとろ。
一つの料理に卵のさまざまな表情が詰まっています。
そして究極の卵料理を一つ。
光沢のあるとろみは繊細な温度調整のなせる技です。
まず卵に生クリームを加えます。
実は意外な役割があるんです。
卵だけですと62度85度で完了してしまうわけですね。
ですから…そういう意味です。
味だけっていうそういう単純なものではないですね。
更にバター。
これは温度を確認する目安になります。

(谷)バターが30度ぐらいでもう溶け始めてくるんでそれが見えてきますよね。
バターが溶けてしばらくすると滑らかさと艶が出てきました。
仕上げにもう一度バター。
卵の水分とバターの油分が均一に混じりソースのようなとろみが生まれます。
白身と黄身が融合し作り出されるシルキーな黄金色です。
あ〜おいしかったぁ。
いやしかしコーヒーも寝覚めより何だか食後のほうがおいしいなぁうん。
コーヒーもいいですけど今朝に飲む人気のジュースがあるんですよ。
あそういえば妻が何だか青汁みたいなの朝飲んでるな。
それきっと「グリーンスムージー」ですよ。
美容と健康にいいんですって。
グリーンスムージー?専用の容器があるほど人気なんです。
へえ〜じゃあ僕もスムージー作っちゃおうかな。
僕も美容にはね気を遣っちゃってんです。
あ草刈さん!きれいに作るポイントがあるのに。
えそうなの?これ何だか分かりますか?実は爆発的に売れた…ブームのきっかけは昭和36年の週刊誌。
政治家江田三郎氏の健康法として紹介された朝食に飲む野菜と果物のジュースでした。
やがて街にはジューススタンドができジュースのカラフルな色が街行く人の目を楽しませるようになります。
平成の今生ジュースは「スムージー」として再びブームに。
女性を中心に朝食にスムージーを飲む人が増えています。
魅力の一つが色。
旬の物を使った時にそれぞれ例えばブドウだったりイチジクだったりトマトだったり。
色っていうのもやっぱりそのイメージがパッと出てきて「わあおいしそう!」みたいなそういうのをやっぱり出したいなと思って大切にしてますね。
パッと目を引く天然の色が味を思い起こさせるのです。
二つ目の壺は…こちらはデトックス効果をうたったスムージー。
葉野菜の中でも色素の濃いほうれん草を主役にすることで健康的な色になります。
緑色を美しくする秘密がバナナ。
クリーム色を足すことで緑が明るくなります。
トマトとピンクグレープフルーツのスムージー。
赤をより鮮やかにしてくれるのがニンジンです。
水分が多く淡い色合いになってしまうところにニンジンのオレンジ色が加わると…。
きれいな色が現れました。
トマトでも単に赤ければいいというわけでもなくて何て言うんでしょうね…やはり女性のお客様が多いのでかわいらしいちょっとピンク寄りな感じにしたりだとか私としても…ブドウは皮ごと使うことで食材のイメージがそのまま伝わります。
上品な藤色に仕上がりました。
美しい色。
おいしくて楽しくて体にもよさそうですね。
名古屋に住む主婦みどりさんは自宅でちょっと変わったスムージーを楽しんでいます。
ブログにアップしているのはトッピングやいくつもの色の層がカラフルなスムージー。
この春から作り始めました。
色とりどりにしたのはある人のため。
私だけがスムージーを飲んでたんですけども主人は「絶対嫌だ」って言って。
「見た目もおいしくなさそう」ということで参加しなかったんですけども一度試しに2色とか3色作ってみて「どう?」って言ったら…で毎朝違った色にしたりとか違ったフルーツを使うと味も違うじゃないですか。
そうすると「おいしいね」とか「かわいいね」って……やるようになりました。
朝のスムージー作り。
お邪魔します。
色が混ざらないよう水分は控えめ。
果汁だけで作ります。
今日は2色。
マンゴーと黄桃。
そしてブルーベリーとアサイーのスムージー。
それぞれの色を引き立てるのが夫が好きなヨーグルト。
間に白を挟むと2つの色がパッと鮮やかに。
トッピングは赤紫に映える緑色のキウイ。
子どもたちが起きる前にベランダでスムージーを楽しむのが二人の一日の始まり。
おいしいよ。
うん。
黄桃とマンゴーが入るとおいしくない?うん。
何よりもフルーツが豊富で味がいいというのもありますし…朝に彩りを添えるスムージー。
ごちそうさまでした。
う〜んやっぱり朝ごはんを食べると力が沸いてくるなぁ。
そう朝食は一日の活力のもとですよ。
ところで草刈さんは朝はパン派?ごはん派?う〜ん最近はパンかな。
妻がねおいしい食パンに凝ってるんです。
近頃は朝ごはんよりパンを食べる人が多いというデータもあるんですよ。
ほう。
料理研究家の鮫島正樹さんは大のトースト好き。
鮫島さんは食パンの厚みと焼き色にはおいしさの法則があると考えています。
シンプルにして奥が深い。
今日最後の壺は…厚みと焼き色の関係とは?薄い12枚切り。
6枚切り。
そして厚切りをそれぞれ焼いて頂きます。
比べてみると…。
おや?厚みがあるほど濃いブラウンですね。
薄いパンはですねあまり焦げ目を付けないであっさりしたキツネ色に焼くと。
小麦の風味なんかを感じたいと。
それに対してあまり焼き過ぎると苦みが立っちゃって負けちゃうとやっぱりトーストのおいしさがなくなりますよね。
厚いパンは少し焦げ目を付けながらちょっと苦さなんかを感じるぐらいの焼き色にすると。
厚みがありますからパンを咀嚼していく時に十分な食べ応え感があるからその分で負けないんですよね。
厚いほど焼き色を付けるのがトーストのいいバランス。
もう一つトッピングにも法則があります。
薄切りのパンは風味の淡いフレッシュな果物を載せて。
軽く焼き色を付けるとサクッと果実の爽やかな味わいを楽しめます。
厚切りはアボカドやチーズなど濃厚な味わいの食材がぴったり。
香ばしさとまろやかさが互いを引き立て合います。
トーストのおいしい法則。
朝パンを焼くのが楽しみになりますね。
日本でまだパンの朝食が珍しかったころいち早くハイカラな朝食で育ったのが料理研究家の有元葉子さん。
仕事で海外に行くことが多かったエンジニアの父親。
朝食はお気に入りのパンと紅茶でした。
思い出すのは父の会社帰りを心待ちにした少女時代。
茶色い大きな袋にこうやって抱えて決まった日に…でそれで朝ごはんでしたね。
自らが家庭を持った時に作ったのもやはりパンの朝食。
特に子どもたちが小さいころは朝をすごく楽しみにして結構食べていくんですよね。
この日三姉妹の長女このみさんが遊びに来ていました。
朝の紅茶とおいしいパンと何かちょっとしたものがあれば楽しく起きられますね。
海外の文化を上手に取り入れた父親譲りのセンス。
有元さんはパンに一手間加えモダンでおしゃれな朝食を日々作りました。
ソーセージをパンで巻いてドイツが香る…子どもたちが大好きだったのが…。
これがうちのフレンチトーストなんですけれども卵とミルクの液は昨日は縁まであったんですけれども朝起きてみたらこういうふうにもう何もない。
夜やっておけば朝すごく楽。
オーブンでじっくり焼いて。
仕上げに溶かしバターとメープルシロップをたっぷりかけるのが有元流。
サンフランシスコで食べたレシピを取り入れました。
このみさんが大好きだったのがシナモントースト。
シナモンロールがはやるずっと前から有元家では定番のメニューです。
そして有元家には朝食のおきてがあります。
…っていう感じ。
みんなうちそうでしたよね。
言ったかなぁそんなこと。
学校に怒られちゃいますね。
言ったかもしれない。
朝ごはん食べて行かないなんて許されなかったよね。
朝食に家族の歴史あり。
うんやっぱりアツアツがおいしい。
娘のこのみさんも有元家のおきてを受け継いでいます。
体がもうそういう…伝えようとして伝えてるわけではないですけれどもまあ自然に。
朝食で一日が変わる。
そんな気がしてきませんか?あ〜トーストとバターのいい香りだ!何だかいい一日になりそうな気がするなぁ。
ちょっと草刈さん。
なんだかんだでもう昼ですよ。
あホントだ。
でもしっかりと朝食は取らないとね。
あしたは妻にもおいしいトーストを作ってあげよう!草刈さんたらすっかり朝食のとりこですね。
うん!よ〜し今日も働くぞ〜!う〜んうまい!今日の「ZERO」は鍾乳洞探検!2015/08/09(日) 23:00〜23:30
NHKEテレ1大阪
美の壺・選「キレイな朝食」[字]

身近なテーマを中心に3つのツボでわかりやすく観賞指南する新感覚美術番組。今回は「キレイな朝食」 ジュース/卵料理/パンの三拍子!案内役:草刈正雄 語り:木村多江

詳細情報
番組内容
おなじみの“洋朝食”。まずは卵料理に注目。フレンチの巨匠ポール・ボキューズ直伝の卵料理とは?熱であでやかな黄金に輝く卵を鑑賞。次は彩りのジュース。果物や野菜をいかしたスムージーには、健康や味につながる“色の仕掛け”が隠されている?!最後にパン。トーストには「厚さと焼き色の法則」があった!?料理研究家・有元葉子さんの家族の朝食も登場。ハイカラだったパンが朝食としてなじんでゆく日本の家庭ドキュメント。
出演者
【出演】草刈正雄,【語り】木村多江

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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