これでこの時間の体操を終わります。
このあともどうぞお元気でごきげんよう。
「NHK俳句」司会の岸本葉子です。
第2週の選者は星野高士さんです。
はいよろしくお願い致します。
そして今日はゲストに俳優の平山あやさんにお越し頂きました。
よろしくお願いします。
よくおいで頂いたね。
実は旧知の仲というか平山さんと星野さんは昨年NHKの「俳句王国がゆく」という番組で共演なさったんですよね。
平山さんは俳句をお作りになったのはその時が初めて…?その時が初めてでした。
全然見えませんでしたよ。
いかがでしたか?ご自身…。
いや難しいんですけど俳句の面白さっていうのはその…その人そのものを表現できるものなんだなというのがすごく分かりました。
俳句もそうだし平山さんの女優業女優さんもやっぱり表現者でしょ?俳句ももちろん表現者。
だからその時の時間なんですね。
共通点お感じになりましたか?演じるという事と俳句。
やっぱり演じる事もそうですし俳句を作る事もその瞬間瞬間ってすごく大切な事だと思うんですよ。
そこで思い浮かぶ言葉だったり演じる上でもその時しか演じる事ができないじゃないですか。
その瞬間がすごく大切だっていう事が似てると思います。
俳句もその時ですもんね。
そうですね。
じゃあ早速冒頭の句を見ていきましょう。
今日の兼題は「残暑」ですが星野さんの句ご紹介しました。
はいこれはね流木って結構ね長くさすらってきてやっとこう何か岸にたどりついた。
そういう流木。
何かね僕はねいつもねあの〜その…人生っていうかな。
木にもそういうのがあるんだっていうね感じがしてたんですね。
それはやはりその夏の暑さではなく秋の残暑に合う?秋の残暑だからもう少したったらこの流木も秋風にちょっと吹かれたりしてねちょっと秋の涼しさを感じるかなっていうね。
流木へ対する挨拶句ですね。
そんな感じをちょっとやってみました。
平山さん今のお話伺うとまた鑑賞も変わってきそうですよね。
そうですね。
大切なんですねそうやって考える事が。
「残暑」っていうのはやっぱりあの〜本意がねちゃんとしてなきゃいけませんね。
だから「暑さ」ってのは夏。
「残暑」は秋。
その差をね…。
そこがもう分からないですからね。
じゃあそのお勉強をこの句で致しましょうと強引に出しました。
はい。
出ましたね〜。
はい。
ここにね四音入る。
平山さんこれは…?そうですね…。
見当つきますか?「秋暑き汽車に奏でる子守唄」。
なるほど。
その汽車のその音ですよね。
この…タイヤとかの音だったりポッポッポって音とかが子守唄に…。
なるほどなるほど。
なるほどね。
それも面白いなあ。
私はね「かすれる」…「かするる」か。
何かそのやりきれない暑さとでも秋の感じでかすれた声がず〜っと聞こえてる感じかなと…。
「かするる」。
面白いですね。
平山さんはどちらかというと汽車の音みたいな。
岸本さんは汽車の中の誰かが子守唄を歌っているというところ。
その2つは面白かった。
まあ正解はですね…何かこれ身につまされる〜。
必死。
泣きやまない子がいてお母さんが…。
そうなんです。
ですからねやはりね秋暑い汽車…。
まあ汀女さんのいた頃のね汽車ってのは今のように冷房がなかったかもしれませんね。
だから自分の子どもが泣いちゃって必死になって子守唄を歌っているというねそういう何か残暑の中の一つの一景。
これを客観的に見てる。
だからちょっとつらくはないでしょ。
そこがいいですね。
必死です。
必死なんですね。
ではそんな残暑について星野さんが選んだ入選句ご紹介していきましょう。
気持ちのいい句だと思いましたよこれ。
ただね面白いと思ったのはね「湯が熱い」でしょ?それで「残暑」ってまた暑いじゃない。
それをうまくこう取り合わせてんのね。
でも何かそこに涼しさもあるんですね。
やっぱりこれは暑さだとこの句はつき過ぎでしょうね。
「残暑」だからこの句が生きたなと思いますね。
2番です。
これはね僕もね経験が随分ありますね。
北海道とかね涼しそうだなっていうとこ行くんだけど行ってみると意外に暑いんですよね。
特に最近は温暖化とかねそういうので違ってるんでしょうね。
ですから北国行ったらこの方もね町田さんもね涼しいと思ったんでしょう。
行ってみたらまさかと思うぐらい残暑があった。
まあ北国の残暑だからすぐにまた寒くなんのかな?涼しくなんのかな?秋が。
そんな感じをうまく捉えられたと思います。
「北国」が利いてますね。
3番です。
面白いとこ目ぇつけましたね。
あの浮世絵ってね結構あの〜富士山とか波とか海で結構涼しいのが多いんですね。
写楽だけは何か暑そうじゃないですか。
汗かいちゃいそうな感じ。
残暑の中でどっかで壁に貼り付いた写楽の絵を見て更にそれを思ったというね。
まあ点景の写生というかな。
そんな感じの句だと思います。
「写楽」がうまいですね。
平山さん何かこれイメージ浮かびますよね。
やっぱりその情景がすごく思い浮かぶ俳句っていうのはすごい分かりやすいというか…。
4番です。
これはね空虚感かな〜。
あの〜全く自分の感情入れてませんね。
「秋暑し洗面台に空の瓶」。
化粧瓶か何かかな?空の瓶があったってそれだけなの。
だからそれでどうしたこうしたじゃなくてそこを省略して「秋暑し」という事で。
何か「空の瓶」っていうのがね何かこう…残暑を救ってくれてるような感じに思いました。
5番です。
まあねもっといいものを連れて帰ってくりゃいいんですからねこの方もねえ。
残暑のとこ行っちゃったんでしょう。
で帰ってきたらまた残暑だって。
家族がね「何で残暑連れてきたのよ。
もっといいお土産持ってきてよ」っていうそんな感じがしてねちょっと滑稽味のある残暑かなと思いましたね。
なるほど。
6番です。
これはもう何か諦めの境地ですね。
もうこの残暑何でもいいやっていうね…。
まあ「何にしようか」と思ってるとこがまだ救われてるかな。
まだ食べる気ではいる。
平山さんだったらこんな時はどんなものを…?こんな時はもう暑いからこそやっぱラーメンですね。
暑い中熱いものを食べて汗をかいてもうここまで熱いんだぞっていう…。
フーフー言いながら?そうです。
楽しむタイプですね。
楽しむタイプです。
ああいいな〜。
…という事は星野さんはそうめんとか?私だったらカレーライスですね。
カレーライスも熱いじゃないですか。
熱い。
まあ確かに残暑の季節になると夏の間の胃腸の疲れがたまっているので私だったら梅干しお握りかな〜。
梅干しお握りね。
はいクエン酸でちょっと活を入れたりして…。
活を入れたところで7番にいきましょう。
あの〜これはねもう心情がよく出てますね。
ただねやっぱりうまいのはね暑さじゃないとこね。
残暑だから。
残暑って結構体がまだなじまない。
なじんでるんだけどももうすぐだな終わるかなっていうところでね何か何でもいいからね涼しいもの欲しい。
太陽ってギラギラしてる。
それを海に入れたいというねそういう思いがうまくね伝わってる句だと思います。
平山さんこれも何か共感できますよね。
そうですね。
何かすてきですよねこの句はね。
「太陽を海に入れたい」っていう…。
大胆…大胆ですねこれ。
大胆な句ですね。
8番です。
何かね「ノート」って白い感じがするんですね。
白線とか。
でもそれが何か黒い鉛筆で汚されちゃってる。
そんなノート。
それを見ながらね何か「秋暑し」。
残暑をちょっと思ったって。
繊細な句だなと思いましたよ。
平山さんの世代でもまだ鉛筆って使いますか?使いますね。
結構使いますよ最近も。
汚れますけどね。
書き続けると手とか汚れて…。
私もしかしたら秋日のさす納戸でお父さんの使ってた若い頃のノート見つけたのかなとかそんな辺りも「汚れし」というちょっと過去に感じました。
非常に広がりますねこの句。
ねえすてき。
では最後9番です。
何の音かなと最初思ったんですね。
この「音といふ音」っていうぐらいですから。
だからやっぱ車の音とか歩道を歩く靴音とか街のお店の音とか。
もっと言うと何か喫茶店のコーヒーカップの音とかいろんな事がこの句入ってるような気がしまして。
まあこの街はもう少したったら秋風が吹くんでしょうね。
そんな感じがしてね音がうまいと思いますね。
以上入選九句でした。
「残暑」という兼題と傍題の「秋暑し」の句が出てきました。
さてここから平山さんと私で本日の特選句を予想していきたいと思います。
視聴者の皆さんも是非一緒に予想なさってみて下さい。
で入選九句。
こちらは…そうですね。
平山さんすごく好きだよ気になったよっていう句ありますか?私はまず選んだのは8番の「鉛筆に汚れしノート秋暑し」です。
これ面白いよね。
これって何かあの〜みんな経験がある夏休みの宿題とかを一生懸命やって…。
でも暑いし手も汚れるしみたいなその情景がすごく浮かんだので。
鑑賞がいいですね。
なるほどね。
経験ありますよね。
この手のねここについて…。
私はそうだな。
1番の「山の湯の少し熱くて残暑かな」。
この「山の湯」ってところに本当に秋風がすぐそばまで来てるような感じを感じてこれは暑さじゃなくて残暑だなと思いました。
最近温泉でも入ったんじゃない?これはね願望です。
願望ですよね。
平山さんほかに星野先生これきそうだなと思う句ありますか?そうですね…。
3番の「秋暑し壁にはりつく写楽の絵」ですね。
これね。
これも響きもすごく好きなんですよこの句の。
それで選んだんですけどその情景もすごく浮かんで壁に掛け軸とかが掛かってるとこに暑いぬるい風がこう来てはりつくみたいな壁に…。
それまた面白いね。
写楽がいいでしょ?写楽がいいですね。
写楽が…。
さてどの句が選ばれるんでしょうか?それでは本日の特選句です。
まず三席から。
はいいきましょう。
え〜っとね私が選びました。
続いて二席です。
いよいよ一席どちらでしょう?どうでしたか?皆さん。
なるほど。
私たちちょっと特選句は外れたけどもでもなかなか鑑賞の時盛り上がりましたよね。
外れちゃったけどちょっと迷ったとこでしたね私も。
あの〜星野さんこの一席の句特にどこがよかったでしょう?やっぱりね俳句で大事なのね音とか何かそういうものね。
景色見えるものだけじゃなくて感じるもの伝わるもの。
そういうものの中で音を選んだところ。
これで残暑を表した。
これはうまいですね。
それからやっぱ「音といふ音」っていう「音」を重ねてね強調したところ。
何かいかにもこの街の残暑をね音で捉えたとこってのはねすごくね敏感な句だなと思いました。
平山さん先生のお話聞くとああそうだなって思いますよね。
やっぱりその視点が人それぞれ違うと思うんですけどそういうところを注目してちゃんと作るともっといい句が作れるのかなっていうのがすごく分かりました。
以上が今週の特選でした。
あのね投稿はねスマートフォンからもできるんですよ。
そうなんです。
私もさっき初めて携帯から投稿…。
なさって…。
そうですか。
それは楽しみだわ。
そうなんです。
番組のホームページを開いて頂くと「投稿はこちら」というボタンがあります。
クリックすると投稿ページが現れます。
俳句やお名前など必要事項を入力して投稿して下さい。
どうでした?平山さん実際やってみて。
本当に簡単に気軽に投稿できたりとか今思いついた言葉とかをそのまま俳句を作ったやつをスポッと投稿できるんで…。
是非出して下さいねこれからも。
これからもね投稿していって下さい。
ここを変えれば入選したというあと一歩を乗り越えるそのポイントを教えて頂きます。
今日はこの句ですね。
この句はどうでしょう?分かりやすいんですよね。
町残暑で人影もなくてねちょっと静かだ。
だから非常によく伝わりやすい俳句だなと思いました。
しかしどうでしょうかね。
ちょっと私にとってみると情報量が多いかなと感じる訳ね。
ですから「町残暑」…この「町」って入れてるんだけど「人影もなく静まりて残暑」で「町」は出るんじゃないかな。
そんな気がしまして。
ですからこの「町」もねちょっとこう省略してみました。
でこういうふうにしてみました。
どうでしょうか?あの〜「人影もなく静まりて」は人影がないんで静かだ。
まあそうですよね。
ですけど私は「人影もまた」っていう事で残暑の何か…強調性それが出たんじゃない?それからちょっと動きを出してみたかったのね。
前の句だとちょっと止まった町の感じ。
ですからちょっと動きを出してみてそんなふうにちょっと直してみました。
平山さん私たち始めたてだと町の事詠んだらまず「町」って言わなきゃいけないかなってそこからね考えてしまいますけど今の添削いかがでしたか?そうですね。
やっぱりすっきりまとめるっていう事も大切な事なんですね。
いい事おっしゃった。
あの〜本当にすっきりねどれかを省略する。
あんまり情報があっても分かりやすいんだけどちょっと短い中では言い過ぎかなっていう感じがありますね。
はい以上俳句作りの参考になさって下さい。
それでは星野さんの年間テーマ「日常の移動を詠む」にまつわる俳句をここからゲストの平山さんと実際に詠んでみたいと思います。
楽しみだな〜。
8月は日常の移動の中でも「道」がテーマです。
で平山さんは道に関するここを俳句に詠みたいと思った瞬間を写真に撮ってきて頂いたんですよね。
早速その写真を拝見しましょう。
あっ夜ですね。
こちらがその写真でこれはですねあの〜友達のおうちから帰る夜の道…帰り道です。
その道の写真を使って俳句を作ってみました。
ちょっと遊んできたりした帰り?そう遊び…遊んだ帰り道です。
はいどんな五七五になったんでしょう?はいこちらです。
いいですね。
思い切ってますね。
「蛍ぐらい舞えよ」ってね。
いやあの〜友達と遊んだ帰り道で夜道ってすごく切なかったり寂しかったりすると思うんですよ。
一人で帰ってトボトボトボっと帰りながら…。
でその夏って昼間は暑いしでも夜になるとちょっと涼しくなってまたそれも切なかったりして。
この夜道の暗い道に蛍…きれいな蛍が飛んでいたらすてきだなっていうその…。
あ〜思いがね。
思いなんですよ。
で書いてみました。
星野さん十分伝わってきますよね。
あの〜でもねちょっと俳句であれだと「蛍ぐらい」っていうのが六音ぐらいになっちゃうのかな。
ちょっとこう破調っていうのね。
だからその辺はちょっとこうね定型にしてみたりそれから今平山さんの話を聞いてた中ですごいいいポイントがあります。
これが遊びの帰りなんだっていうところね。
ただ帰ってるんじゃなくてそこへ何かちょっともう少し遊んでいたいなとかね遊んでいた頃の余韻を引きずってる…そんなところが感じたんでせん越ながら私はこういうふうにしてみました。
なるほど〜!いかがでしょう?そのままなんですけどね。
今言われたね。
でも確かに「静かな」より「遊び疲れた」の方が何かその場にいなかった私も平山さんと同じ場所に立って蛍の現れを願う気持ちになれる気がしました。
現実に蛍はこれ飛んでないんですね。
だけど何か今もう飛びそうな感じがしますね。
そこで季題が生きてんじゃないかなとそういうふうにしました。
平山さんほんのね少しの言葉ですけど印象また変わりますね。
全然違う句に見えます何か…。
そうですか。
でも自分の歌いたかった事と…。
そう。
でもこれ本当にそのもの…私のその時のその状況すごく浮かびます。
先生の…。
すご〜い。
要素がいいから。
じゃあそのあとちょっと出しにくくなりますけど私もね実はね写真を撮ったんです。
お願いします。
はいもう何かこれはう〜ん…歩道を歩いてるとこにマンホールがありますねっていうそのものなんですけどこんな五七五にしました。
確かに何か今の写真ねマンホールを人がちょっと踏んでる。
歩いてるというかそこがねこの句の面白いとこだと思います。
ただ「人の踏みゆく」が写真で見るとそうなんだけどもう少し広げられるかなと思いました。
それでねこんなふうにしてみました。
いかがでしょうかね。
つまり同じなんですよ。
「踏みゆく」とか「歩く」とか一緒なんだけど「歩幅」っていうところにちょっとマンホールの長さとか距離これが出たような感じ。
そうですね。
説明だけじゃなくて少し広がりが出たかなという…。
…感じにしてみました。
面白〜い。
平山さん今日はでも生まれて2回目俳句作って頂きました。
いかがでしたか?もう本当難しいんですけどでもやればやるほど楽しくなってきてこれからもたくさん作ろうと思います。
おっ。
またその写真を撮ってから作るっていうのもちょっと別な体験ですよね。
やっぱ平山さんみたいな方が作ってくれると俳句はいろんな展開ありますね。
ウフフッ!頑張ります。
それがね僕は楽しみ。
ありがとうございました。
楽しかったです。
今日はスマホからの投稿のしかたも平山さんに教えて頂きました。
あっお時間が来てしまいました。
今日はゲストに平山あやさんをお招きしてお送りしました。
平山さん星野さんありがとうございました。
ありがとうございました。
楽しかったです。
ではまた来週この時間にお目にかかりましょう。
(きてき)2015/08/09(日) 06:35〜07:00
NHKEテレ1大阪
NHK俳句 題「残暑」[字]
選者は星野高士さん。ゲストは俳優の平山あやさん。星野さんが、俳句のすじがいいという平山さん。今回は道の写真をもとに俳句を詠んでみる。題「残暑」 司会 岸本葉子
詳細情報
番組内容
選者は星野高士さん。ゲストは俳優の平山あやさん。星野さんが、俳句のすじがいいという平山さん。今回は道の写真をもとに俳句を詠んでみる。題「残暑」 【司会】岸本葉子
出演者
【ゲスト】平山あや,【出演】星野高士,【司会】岸本葉子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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