日本のチカラ 2015.08.09


寂れた商店街を元気にしようと毎日自転車で動き回っている男性がいます。
(藤田さん)あっおはよう。
祭りやイベントを企画して様々な人と交流する事が大好きな52歳の藤田さん。
(藤田さん)で駅前の商店街に飾ってくださいね。
あっ飾ってください…?飾ってあげますね。
ここは人とのつながりを昔から大切にしている商店街です。
ただ60店舗あったお店の数は2008年には34店舗にまで減りました。
あの…売り上げだけを言えばあまりありません。
ですが町の中の商店街という意味では大変明るい未来があると思います。
藤田さんは人が集まれば元気が生まれると信じています。
おはようございます。
軽トラックで農産物を販売する軽トラ市を企画しました。
商店街で販売するのは里山の生産者です。
ホンマじゃ。
おいしいわこれ。
おいしいじゃろ?ああホント。
静かだった商店街ににぎやかな声が響きます。
大丈夫です。
すいません。
これを上に上げて…ヨイショ!そうそう。
はいはいはいよ!ねっ?ハハハハ…。
人の輪が広がる商店街です。
(女性)これを食べんにゃね…。
うまいけえ言うたんよ。
(女性)はい500万円。
(男性)はい。
お米がええ?うん。
6年前から月に1度の軽トラ市を地道に続けてきた事で町が変わっていきました。
本州最西端に位置する山口県。
人口およそ14万人の岩国市は広島県との県境にあります。
春の錦帯橋まつり夏は鵜飼い舟が運航し毎年およそ300万人の観光客が訪れます。
町の玄関口JR岩国駅からおよそ100メートルのところに中通り商店街があります。
呉服や時計婦人服などの専門店が立ち並びます。
(藤田さん)おはようございます。
朝9時。
藤田さんは週に6日自宅から5分かけて自転車でお店に通っています。
3代続く老舗の紳士服店です。
後継ぎとして生まれた藤田さんは父が経営するお店で働きながら東京の専門学校で学んだグラフィックデザインの知識を生かしお店の広告も作っていました。
景気がよかった1980年代には6坪のお店に従業員が11人4店舗ありました。
今は母と2人。
お店もここだけになりました。
こっちの方がええと思うわ。
これちょっと白すぎるやろ?白いのはもうひとつねまた持ってるんで…。
そうそうそうそう…。
藤田さんのお店には世間話をしにお客さんも来ます。
なんかカメラの台がそこにあったけえ…。
裏口から入ってきた常連客のハマちゃん。
30年以上の付き合いです。
ハハハハ…ハハハハ…。
(スタッフ)広島ですか?そうです今から。
今日は1時半からあるんでもうね今待ち合わせで…。
ありがたい事です。
藤田さんが生まれて間もない頃の中通り商店街。
1990年頃には今はなくなったビリヤード場に映画館もありました。
お店は60店舗ありました。
ちっちゃい時にはこの辺で遊んでますから商店街の店主のおじさんがみんなまあ…友達って言っちゃあ失礼ですけど友達なんですよ。
あそこには怖いおじさんがいたとかなんかあそこ行くといつもお菓子もらえたとかなんか飲ませてくれたみたいなねそういう思い出はもう大体どのお店も必ずありますね。
景気が悪くなり懐かしい人も次々と商店街を離れていきました。
2008年には34店舗にまで減少。
生まれ育ったふるさとが寂れていきました。
(藤田さん)はいありがとうね。
お願いします。
(藤田さん)はい。
どうもありがとう。
踏んどる踏んどる…。
商店街が昔から続けている季節の行事。
地域とのつながりを大切にしています。
はいじゃあ皆さんありがとうございました。
ありがとうございました。
また商店街に見に来てね。
七夕飾りは駅周辺の3つの保育園の園児が作りました。
商店街の役員5人が3時間かけて飾りつけました。
ある?作ってくれたやつが。
何組さん?ゆり組さん?ゆり組もうひとつどこかにあったよ。
(母親)見えた?あった?
(男の子)うん。
(藤田さん)あった!よかったよかった!
(藤田さん)ハハハハ…!もうおじいちゃんじゃけえね。
大丈夫ですか?ありがとうございます。
よかったね。
ありがとうね。
(母親)ちょうど見れてよかったね。
(藤田さん)そうよお友達連れて来てねまたね。
人の輪をさらに広げる事で商店街を元気にしようと考えた藤田さん。
商店主の松井さんと市の北部にある里山に向かいました。
車でおよそ1時間。
清流錦川が流れる山代地区。
古くからわさびなどの農産物の栽培が盛んです。
専門店の多い商店街で里山の農産物を販売すれば多くの人が集まると考えました。
商店街のイベントがきっかけで知り合った商工会の事務局長であり農家の藤井さんのもとに何度も通いました。
まあまあじゃない?これですね。
はいはいはいはい…。
大きいですね。
大きい大きいこれ。
そして生産者が軽トラックで農産物を販売する軽トラ市を共同で企画したのです。
(藤井さん)甘いでしょ?苦くないでしょ?甘いでしょ?イタリアンのシェフになった気持ちがします。
ハハハハッ!歯触りもいいね。
(藤田さん)ねえ。
(藤田さん)ふーん…ちょっと教えてやろう。
魅力ある農産物をきっかけに商店街に興味や関心を持つ人を増やす事が目的です。
人が集まれば商店街が元気になると藤田さんは信じています。
6年前の2009年12月に始めました。
とれたての農産物を販売するその名も「軽トラ新鮮組!」です。
毎月第3日曜日に開催。
商店街の役員5人が軽トラックを迎える準備をします。
出店料は1台につき1000円。
広告などの運営費として使っています。
おはようございます。
(藤田さん)おはようございます。
お世話になります。
(藤田さん)お世話になります。
生産者は1時間かけて商店街にやって来ます。
出店料ガソリン代は自己負担し空き店舗前で販売します。
大丈夫です。
すいません。
これを上に上げて…ヨイショ!藤田さんは自分のお店を母に任せて生産者の手伝いもします。
藤田さんや生産者の藤井さんが呼びかけて山代以外の里山からもとれたての農産物が運ばれてきました。
参加者が増える事で商品の幅が広がりました。
値段や売り方も自由です。

(藤田さん)ちょっとあとで買いに来ますよ。
ちょっとこの辺に「藤田」って書いておいてください。
おいしそう。
天然鮎ごはん。
自分で釣った分だ?これ。
大したもんじゃ。
ハハハハ…。
6年前から参加している藤井さんは試食品を作ってきました。
三つ葉の炒め物です。
香りが高うてわさび畑の雑草じゃけえ。
ホンマじゃ。
おいしいわこれ。
おいしいじゃろ?うまいじゃろ?これ。
ああホント。
回数を重ねると固定客もつきました。
開店準備を手伝う常連さんもいます。
(女性)もうちょっとこっち。
(クラクション)
(女性)まだもう1台通るよ。
(男性)なんぼでもあげますよ。
なんぼでもあげるって。
(女性)これを食べんにゃね…。
うまいけえ言うたんよ。
(女性)はい500万円。
(男性)はい。
お米がええ?うん。
触れ合いが参加者の楽しみになっています。
軽トラ市は商店にも影響を与えています。
老舗時計店では軽トラ市の開催日に手作りの木の台に商品を飾り展示しました。
ちょっと変わったお店の看板です。
でも大きいけえね。
こんな大きいのじゃ…ねえ?縦に長いんですか?はい。

(お囃子)商店街でずっと続けているイベントや祭りと一緒に軽トラ市も開催してきました。
予算をかけずに軽トラ市を宣伝して新規のお客さんを増やしていったのです。

(お囃子)軽トラ市を開催して4年。
うわさを聞きつけた岩国市の隣和木町の花屋さんと合同イベントを新たに考えました。
商店街を花で埋め尽くしました。
ありがとうございます。
過去これほどの花が並んだ事はありません。

(カメラのシャッター音)いやすごいですねホント。
ちょっとなんか想像以上ですね。
まあ酒祭もすごかったですけどここももうお花畑状態でね。
商店街を中心ににぎわいの輪が広がっていきました。
挿しちゃえ挿しちゃえ。
大丈夫。
フフフフ…。
じゃあこれこれこれ。
楽しいです。
うーん…なんか…。
ありがとうございます!バイバーイ!バイバーイ!バイバーイ!
(藤田さん)バイバーイ!軽トラ市を始めて今年で7年。
商店街には自然に人が集まるようになりました。
最初は8人だった軽トラ市の出店者は20人以上に増えました。
生産者の意識も変わっていきました。
農家の藤井さんは軽トラ市でお客さんとおしゃべりしていくうちにもっとおいしいものを届けたいと思うようになりました。
お客さんの喜ぶ顔が見たくて特産品でもあるわさびの品種の改良に取り組むようになったのです。
今まで売った事がない人間が売るんで藤田さんなんかにこう指導を受けながらですねやるとまたやる気が出てくる。
さらに藤井さんは中通り商店街の藤田さんと出会い自らもふるさとの里山を元気にしたいと強く思うようになりました。
郷土料理が食べられるお店を里山で始めました。
夫婦2人で切り盛りしています。
(多美江さん)すいませんお待たせしました。
昔からこの地域で食べられていたわさび丼を求めて町からお客さんがやって来ます。
わさび漬けとすりおろしたわさびがごはんにのっています。
なかなかうまいです。
結構バイクで行くとどこの何がおいしいとかいうのを目的で…。
お店は地元の人が気軽に集まれる憩いの場所にもなっています。
地元のおばあちゃんにはうどんとおむすびのセットが人気です。
いいですよね。
里山でも新たな町おこしが始まりました。
ここ元映画館でしたよ。
午後7時過ぎ。
お酒が好きな藤田さんは週に5日は中通り商店街で飲んで帰ります。
空き店舗が多かった商店街にはここ数年飲食店を中心に出店が増えています。
2008年には34店舗でしたが今は45店舗に増えています。
テナント料が3年間安くなる岩国市の支援も大きな後押しになっています。
自転車置いて帰りますんで私。
飲酒運転やっちゃいけませんからね。
はいここが私のセカンドキッチンです。
セカンドキッチン。
どうもこんばんは。
お疲れさまです。
はいいらっしゃい。
3年前にオープンしました。
常連客の藤田さんは店主の山根さんを「トトちゃん」と呼んでいます。
新鮮な魚が売りのこのお店では魚料理はもちろん町の仲間との交流も楽しみです。
店主の山根さんは山口県北部長門市出身の34歳。
以前他の場所でお店を経営していた時に知人から紹介されたのが中通り商店街でした。
駅前という立地と軽トラ市で盛り上がる商店街に惹かれて店を構える事にしたのです。
ハハハハ…。
でそれを…それをちょっとまちなか倶楽部…誰が提供…そこの番をするのかわからんけど…。
商店街すごいんですよホントに。
人もいないし…なんだろう?お金もないし。
でもなんだろう?こう…。
(一同)おはようございます。
山根さんは商店街振興組合の理事になりました。
藤井さん…。
おはようございます。
(山根さん)おはようございます。
(藤井さん)おはようございます。
山根さんが自ら理事になり商店街のために働きたいと言ってきたのです。
藤田さんと一緒に商店街を盛り上げます。
深夜まで営業したあと事務処理などをしていたためこの日は一睡もしていません。
藤田さんは山根さんの若い力とやる気が楽しみです。
商店街で行う祭りで山根さんのアイデアを採用する事にしました。
毎年7月に開催している夏祭り。
山根さんは飲食店に声をかけ祭りに参加してもらいました。
参加店の証しとなる手作りのちょうちんを各店舗に配ります。
それぞれのお店が祭り限定メニューを出す事で商店街を大きなレストランにし多くのお客さんを呼びたかったのです。
スムージーとか普通やらなくない?普段はライバル同士のお店も祭りを通して仲間となります。
お店を開いたばかりの店主も町おこしに巻き込み祭りを盛り上げました。
ばっちり売ってください。
毎年経済産業省が「がんばる商店街30選」を選んでいます。
今年中通り商店街が初めて選ばれました。
里山と共同で行う軽トラ市の取り組みとこれまで継続発展してきた運営方法が評価されました。
きっかけは私だったかもしれません。
けれどもそれを
(藤田さん)まだまだこれやってる最中ですからいつが終わりっていう事でもないんですけどね。
よりもっとこの軽トラ市を主軸に商店街を何かこううまく発展していけるといいなと思いますね。
町おこしにさらに弾みがつく事が起こりました。
中通り商店街に街づくり会社が開業する事になったのです。
中通り商店街の空き店舗に岩国市や商工会議所も出資する街づくり会社が開業しました。
出店希望者の相談窓口や里山の特産品販売イベントや飲食スペースもある街づくりの拠点が誕生しました。
藤田さんは今後街づくり会社の参謀として携わる事になります。
これからも藤田さんの町おこしは続きます。
商店街がにぎやかになる事が藤田さんの喜びだからです。
人が集まり笑顔があふれる商店街にこそ明るい未来があると信じています。
ポーズをとらんでもええ。
静止画じゃないんで。
動画…。
写真?写真じゃない?写真…。
『日本のチカラ』次回は福岡県。
寿司屋の大将が世界にひとつの思い出を演出します。
2015/08/09(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本のチカラ[字]

さびれた商店街…いわゆるシャッター通りが全国に広がるなか、山口県岩国市に超元気な商店街があります。オヤジたちが盛り上げる「軽トラ市」…人が集まる驚きの秘密とは?

詳細情報
◇番組内容
月に一度、賑わいを見せる商店街。お目当ては新鮮な農産物。里山の生産者が軽トラックで持ち込み、直接販売する「軽トラ市」です。「採ってきたばかりよ!」「今年は鮎20匹釣りました!」「来るのを待っちょったよ、おじちゃん!早よう売って!」企画したのは、商店街で紳士服店を経営する52歳のオヤジ。故郷の商店街を元気にするため、人が集まる軽トラ市を始めました。出店するのは商店街から1時間ほど離れた里山の生産者。
◇番組内容2
空き店舗前で販売します。採れたての農産物を中心に、味噌や豆腐、コンニャクなどの加工品も。値段も手ごろです。この魅力的な商品を目当てに、商店街にお客さんが集まってきます。さらに商店街の祭りやイベントと一緒に軽トラ市を開催することで、予算をかけずに軽トラ市のPRもしてきました。月に一度、地道に続けてきて今年で7年。固定客もついた軽トラ市は大勢のお客さんで賑わうようになりました。
◇番組内容3
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
山本博子(フリーアナウンサー)
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:山口放送
協力:文部科学省/中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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