(ナレーション)
浴衣が彩る古都の夏…
かつて貴人たちは単衣の麻衣をまとって沐浴した
その麻衣は湯帷子と呼ばれ後に沐浴後の汗取りとして着られるようになる
これが浴衣の起源である
室町時代の終わりから江戸初期にかけて盆踊りが盛んになると浴衣は庶民の間に広まった
平織りされた綿生地に夏らしい柄
見ているだけでさっぱりとした涼を感じる
西陣の一角にある呉服商…
京都で着物を商って101年
量販店では見られない通好みの浴衣がそろう
主の古河一秀さん
(古河さん)京都ではねあんまり浴衣って染めてなくって浴衣で…染めの浴衣で産地っていうとだいたい東京とかそういう京都以外の所が多かってうちでも染めの浴衣はほとんど東京から仕入れてます。
西陣織友禅染
京都の着物は高級な絹のイメージが強い
庶民的な綿の浴衣の生産はなじまなかったようである
新町通の一画に今年創業100年を迎えた「藤井絞」がある
その名のとおり絞り染めによる着物づくりを続けている
糸で縛って防染し繊細な柄を表現する絞り染め
その工程で生じる生地の凹凸が平織りにはない深い味わいをもたらす
絞り染めは人類最古の染色技法とされる
法隆寺の宝物や正倉院御物にも古い裂地が伝わる
京都では宮廷の専門職が用いたのが始まりで江戸時代「京鹿の子絞り」が誕生する
(藤井さん)小鹿の斑点に似てることから京鹿の子絞りの言葉のルーツだと思うんですけど。
京鹿の子絞りの中に帽子絞りとかあと桶絞りとか巻き上げ絞りとかそういうような技術がですね絹の生地を前提とした技術に基づいたものが京鹿の子絞りのルーツではないかなと。
京鹿の子絞りの技法を使って絹の着物を作ってきた「藤井絞」は13年前綿と麻の混紡生地で浴衣づくりを始めた
職人…
「藤井絞」の仕事を請け負っておよそ60年
浴衣の染めも手がける
最初の工程…
下絵の線を糸で縫っていく
糸入れした生地を袋状に寄せ根本から先端へと糸で巻き上げていく
絞り染めで最も重要な工程「括り」である
強く縛ることで染料が染み込むのを防ぐ
少しの隙間があってもね色が入りますからその隙間をなくすいうのにね神経使いましたね。
生地を水に浸し染料につける
よっ…。
縛っていた糸を解くと花びらが開くように模様が現れる
ビニールをかぶせて防染する帽子絞り
板で生地を締め込みその圧力で防染する板締め絞り
(永川さん)解いたときにきちっと思うてるとおりに上がればそれがいちばん最高ですね。
喜びやね。
もうね100点満点いうのは今までに何回もないもんやね。
職人の手仕事が京都の夏に爽やかな華やぎをもたらす
藤井さんは神戸で生まれ育った
妻の実家の「藤井絞」を継ぎ着物の世界で生きるようになった
それまでは機械の部品などを扱う会社で営業をしていた
10年前藤井さんは愛知県有松に伝わる技法で浴衣を作った
(藤井さん)連続した柄がこんなけ詰まっててこんなけ素敵に見えるっていうのが京都の絞りにはなかったんですね。
おしめに使ってたっていうふうに聞きましてその年代にお育ちになられた方はそんなおしめの柄を身にまとってそんな出かけるんかと。
呉服屋さんってだいたいウインドーがあってそこのウインドーにとてもじゃないけど並べる気にならんと。
雪花絞の浴衣は京都の常識から逸脱していた
だが雪花絞の浴衣を求める女性は年々増えているという
浴衣姿の女性が通りを行き交う
宵々山の夜を楽しもうと「藤井絞」に客人がやってきた
着物のように浴衣を着こなす女性たち
中には雪花絞も見える
京都の夏に吹いた新しい風
(古河さん)この業界の人でない人の発想というのはすごいなぁと。
京都ってすごく閉鎖的って思われてるかも分かりませんけども全然そんなことなくてどんどん新しいものを取り入れてそれで発展してきた町やというふうに思ってますから受け入れる土壌はあるというふうに思ってます。
伝統そして革新
そんな京都の物づくりの精神が古都の夏を彩っていた
洛中最古の禅寺建仁寺で茶祖栄西の降誕会に行われる四つ頭茶会をお送りします
2015/08/09(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]
「浴衣の彩り」
詳細情報
◎この番組は…
古都1200年の歴史の中で守り続けられてきた寺社仏閣・祭り・伝統工芸などの中より「美の再発見」をテーマに、ハイビジョン撮影による高画質映像でお送りする「映像美術館」。
音楽
久石譲
公式HP
【番組HP】
http://www.mbs.jp/kyoto/
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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