イッピン「キラリ おいしいに乾杯!〜新潟 燕の金属グラス〜」 2015.08.09


(椋梨)高杉たちを決して萩に入れてはならん!私の人質とする。
(都美姫)己の分をわきまえよ。
美和私に力を貸せ。
和子様は私が命に代えてもお守り致します。
トレンドを発信し続ける百貨店で金属加工製品を集めた催しが開かれていました。
ずらりと並ぶのはカトラリーや食器など。
これらは世界にその名を知られる新潟県燕市が生み出した製品です。
中でも注目を集めていたのが…調理器具などに使われる軽くて丈夫なステンレスが鏡のように磨き上げられています。
しかも内側までピッカピカ!究極の研磨が施されたイッピンです。
これすごいなぁ。
しかも見た目の美しさだけではなくビールの泡がクリーミーになる工夫も凝らされているんです。
ん!うん!おいしい〜!アハハハハ!実は今燕では飲み物用の金属の器が続々と生まれています。
伝統的な技を用いたスタイリッシュなもの。
一見金属とは思えない不思議なマグカップも。
きょうは燕の新しい金属製品の魅力に迫ります。
新潟県のほぼ中央に位置する燕市。
古くから金属加工業が栄えてきました。
日本一の金属製洋食器の生産地として知られ2,000を超える工場があります。
燕が誇るのは製品を磨いて美しく輝かせる金属研磨という技。
世界最高レベルとうたわれ燕ブランドの名は海外にまでとどろいています。
中でも抜群の輝きで「奇跡の磨き」と言われるのがこのタンブラー。
イッピンリサーチャーの生方ななえさんが早速タンブラーを作った工房を訪れます。
こんにちは!おじゃましま〜す!こんにちは。
はじめまして生方ななえです。
(一同)よろしくお願いします。
家族でされてるんですね。
(3人)はい。
フフフ呼ばれてはいない。
呼ばれていないですけど。
一家三人研磨を専門としています。
世界が認める高度な技術で車の部品から医療器具までさまざまなものを磨き上げます。
この道40年「奇跡の磨き職人」と言われるのが主の正明さん。
5年前にあのタンブラーを作りました。
このグラスになります。
わっ!ピッカピカですね。
はい。
すごいきれい!ステンレスってことは私の家にあるボウルも山崎さんにお願いすればこんなぐらいピカピカに鏡みたいになるんですか。
お!どんなステンレスでもなるんですか?そうですね。
正明さんが初の自社ブランドとして作ったタンブラー。
極限まで磨きぬくというその技を見せていただきます。
まず最初にこれ…。
はい。
使うのはあらかじめ成形された素地。
最初はご覧のとおりくすんでいます。
表面に傷や汚れが付いているんです。
磨くことでこれらを徐々に小さくし最後にすっかり無くした時鏡のような輝きが生まれるんだそう。
見えない中も?そうですね。
研磨は内側から始まります。
使うのは意外な道具。
あのこういう布…。
これ布なんですか?そうですね。
あホントだ。
布だ!普通の綿の…。
布を幾重にも束ねた「バフ」。
これを機械に装着。
1分間に2,000回以上回転させ摩擦によって磨いていきます。
生方さん何か気がついたようです。
(機械音)そうですね。
山崎さんが明かしてくれた研磨の極意は磨く表面をバフに対して平行に当て余計な衝撃を与えないこと。
そのために重要なのが脚。
つい力みがちになる手よりも脚のほうが動きをコントロールしやすいんだそう。
手はしっかり膝の上に固定し脚を動かします。
フフフ。
気持ちよさそうな。
お〜!ホホホホホすごい!今まだ半分ですね。
ピッカピカ!すごいですね!こんなに変わるんですね。
そうですね。
見えにくい部分にも持てる技を注ぎ込みたい。
こうしてまず内側がピッカピッカになりました。
続いて外側。
今度は大きな円盤のようなバフを使います。
外側ももちろん脚で動きを調整。
まずは粗磨き。
ここで表面の不純物をしっかり取り除くことが大切。
ひとつひとつ丁寧に仕事を積み重ねないと究極の輝きは生まれないんです。
バフを付け替えました。
山崎さんは硬さやきめの細かさの異なる30種類のバフからこのタンブラーに合う4つを選び使い分けているんです。
こうして磨き続けること3時間。
(機械音)すご〜い!ピッカピカ!研磨の過程を見てみると大きな汚れや傷が小さくなるにつれ反射する光が強くシャープになっています。
しかし山崎さんこれではまだ納得できないんだそうです。
そうですよね。
これはもう本当に十分きれいですよね。
うん。
目を凝らすと…ごくうっすらと白い線が。
磨き跡なんですが深さにしてなんと…これを取り除くと言うのです。
そのために用いるのが…とても柔らかい綿でできているんです。
すでに凹凸がほとんどない状態なのでほんの僅かな衝撃でゆがんでしまうため慎重に進めます。
磨いては手を止め仕上がり具合を丹念にチェック。
まだ僅かな磨き残しが。
(機械音)集中すること20分。
まるで鏡のようなつやを放つ極上のタンブラーが生まれました。
生方さん山崎さんに勧められタンブラーでビールをいただきます。
あすごい泡がモッコモコに。
クリーミーな。
おいしそうですね見ただけ…。
いただきます。
ん!うん!
(音)ゴクッ!おいしい!アハハハハ!そうでしょうね。
滑らかな…。
泡がきめ細かくてビールの部分もすっごい滑らかな味わいで。
優しくなりますよね。
優しく…きめ細かくて優しい。
そうですね。
実はこのタンブラーにはビールをおいしくするある仕掛けが加えられているんですが…。
何だろう?いや。
「ブッブー」ですね。
あ!でも中を見ると鏡みたいだから反射していっぱいこうなってるんですけどそれ関係あります?「万華鏡」みたいだねとは言ってはもらえますよね。
わかりました。
ええ。
これ当たると思う。
はい。
ピンポンです!あホントに!当たり?タンブラーの底には渦巻き状のラインが。
これがビールをおいしくする秘密なんです。
山崎さんは工程の最後に「ヘアライン加工」という極細の化学繊維で底に小さな傷を付ける特殊な加工を施していました。
いったいなぜこの傷がおいしさを生むんでしょうか?そこで実験。
見やすいよう透明なコップを2つ用意します。
ひとつは何も加工していないツルツルの底。
もうひとつにはタンブラーと全く同じヘアライン加工を施しました。
2つのコップに同時にビールを注ぎます。
すると…。
ヘアライン加工をしたほうでは泡が次々と生まれています。
ヘアライン部分に注目すると何もない所から泡ができていくのが分かりますか。
これはヘアライン部分を拡大したもの。
1ミリの500分の1程度の深さの微小な溝がびっしり。
これが大量の泡の源です。
溝にたまっていた空気。
それが徐々に放たれ小さな泡となっていたのです。
山崎さんここに手探りでたどりついたと言います。
やっぱり…使う人に最高の美しさとおいしさを!職人が持てる限りの力を尽くして作り上げたイッピンです。
もうひとつユニークな金属グラスがあると聞き新潟のイタリアンレストランを訪ねました。
こんにちは。
ありがとうございます。
わ〜おしゃれですね。
(オーナーシェフ)おしゃれです。
今若者を中心に人気の金属製の酒器。
表面に施された繊細な鎚目と落ち着いた色合いで見飽きることがありません。
日本酒をいただきます。
ほお…。
フフフフおいしい。
細かい模様っていうんですかね素材?こちらはですね…その打ってる模様なんです。
伝統な職人技とモダンなデザインが融合したグラス。
いったいどのように作られているんでしょうか。
早速工房を訪ねました。
創業は1816年という老舗です。
こんにちは。
こんにちは。
どうもいらっしゃいませ。
7代目当主が案内してくれました。
失礼します。
(金づちでたたく音)わ〜!こちらが工場です。
すご〜い。
(音)カンカンカン…。
職人たちがたたいているのは銅。
実は燕市の金属加工業は銅の加工から発展しました。
江戸時代から続く工房で受け継がれるのは銅板をたたいて器を作る「鎚起銅器」という技法です。
ではグラスに用いられた伝統の技を拝見しましょう。
職人歴20年の…最初はこれですね。
ほぉ。
え触ってもいいですか?どうぞ。
ん〜これ銅100パーセント?そうですね純銅ですはい。
10円玉の?そうですはい。
銅のまま。
へぇ〜これが銀色になるんですね。
グラスはもともと銅器です。
これを銀色にしていくんですが…。
水玉部分だけマスキングした器を火にかけて熱しそこに錫を付けます。
はいそうですね。
それをこう…。
ツヤッツヤですね。
塗りつけています。
錫は熱にかけると途端に液体に。
銅器が徐々に銀色に覆われていきます。
あすごい!くっつくんですね本当に。
この着色法は大正の頃職人が作業中に偶然発見したものなんだそう。
錫で覆うとさびにくくなるという利点もあります。
そうしたらある程度払ったらちょっときれいな綿で…。
ほお〜。
わ〜きれい。
ひととおり塗りは終わりです。
すご〜い!こうして外側が水玉部分を除いて銀色に変身。
次に金づちで模様を付けていきます。
(音)カンカンカン…。
たたくことで金属に強度をもたらすと共に鎚目のデザイン効果も重視しているんです。
右手で金づちをリズミカルにふるい左手で器をリズムを損ねないよう正確に動かす。
左右の手が息を合わせるようにして緻密な模様を生み出します。
こうして新たな表情が加わりました。
次はマスキングして残った銅の水玉部分の色づけ作業。
この銅の色がどうしたら深い青色に変わるんでしょうか。
それは化学反応の力によってです。
まずは硫化カリウム液に銅を浸します。
硫黄泉などに含まれる黄色い液体です。
元気になりそうな…。
これをはい。
浸していくと…。
徐々に…。
はいつかりました。
ちょっと変わってきました色が。
そうですね。
グレーになりましたね。
これを水に入れて…。
あ!理科の実験みたい!そうですね。
これで黒くなります。
触っていいですか?大丈夫です。
黒くなってる!そして次は…。
これで煮込んで青緑色を出します。
なんかどうなっちゃうんですか?お化け屋敷みたいな感じ
(笑い)なんですけど。
使うのは緑青。
銅を酸化させたものですがこの着色技法は代々こちらの工房で受け継がれてきた秘伝なんだそうです。
またグツグツ煮て。
そうですね。
だんだん色が変わってくるんで。
はい。
あ!紫になってきた。
はい。
あきれい!これから青になって…。
青になった!緑になるんです。
青になった!そうですね。
こんなもんですね。
あなんか透明度が。
緑色っぽく。
わ〜!緑色になったので見てください。
すごい。
そうですねはい。
きれ〜!なんとも言えないですねこの…。
伝統が育んだ奥深い色。
燕の歴史と共にある鎚目模様。
いにしえの技によって新しい風を吹き込んだイッピンです。
さてこちらステンレスのマグカップなんですがある加工で…おもむきが一変!金属らしからぬ温かみを感じさせる風合いがオシャレだと今人気上昇中。
手に取るとさらに魅力が伝わってきます。
軽くてオシャレなふだん使いのマグカップ。
金属らしからぬ金属製品の秘密とは?作っている工場を訪ねました。
こんにちは!は〜い!失礼します。
はじめまして生方ななえです。
(2人)よろしくお願いします。
職人歴30年のベテランです。
こういう所で作業されてるんですね。
はい。
専門はガラス質の釉薬を吹きつけてコーティングする…あのマグカップは琺瑯加工されていたんです。
この工場ではもともと20年前から一部に琺瑯加工を施したステンレススプーンを作っていました。
白い部分が琺瑯です。
ある時全体に琺瑯加工を施したところ思わぬ温かみを持った製品になりました。
そして去年ステンレスならではの軽さと独特の風合いを持つ新しいマグカップを開発したのです。
表面に特殊な加工を施したステンレスにスプレーで釉薬を吹きつけます。
いとも簡単そうですが…。
なんかコツとかあるんですか?コツ?釉薬は乾きやすいため手早く適量を吹きつけなければなりません。
時間をかけ吹きつけすぎると表面が波打ってしまいます。
逆に手早すぎて吹きつけが足りないと下地のステンレスが見えてしまい温かみが感じられません。
理想的な吹きつけがこちら。
均等に付けられた琺瑯の釉薬がつややかな光を放っています。
乾燥させた後窯に入れおよそ800度で5分弱焼き上げます。
こうして完成したマグカップ。
職人のアイデアと技が生んだ新たな燕の金属製品です。
生方さん今回いかがでしたか?金属というとやかんとかそういうイメージがありましたがこんなにモダンなものに生まれ変わるんだ。
素材は金属という同じものを使っているのに人の思いとか技術とか手が加わることによってこんなに変化をするとってもおもしろい素材なんだっていうのを思いました。
2015/08/09(日) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン「キラリ おいしいに乾杯!〜新潟 燕の金属グラス〜」[字]

ビールがおいしい!究極の輝きを放つステンレス製のタンブラーが大人気。新潟・燕市の研磨職人が、鏡のように磨きあげたイッピンだ。その驚異のワザを生方ななえが探る。

詳細情報
番組内容
究極の輝きを放つステンレス製のタンブラーが大人気。しかもクリーミーな泡立ちで、ビールがおいしいと評判。金属加工製品の一大産地・新潟県燕市では、今、魅力的な飲料用の金属製容器が続々と誕生している。鏡のように磨きあげる驚異のワザとは?スタイリッシュな色と模様を持つ銅の酒器を生み出す伝統技法とは?そして金属製品らしからぬ、おしゃれな風合いの金属マグカップの秘密とは?ファッションモデルの生方ななえが探る。
出演者
【リポーター】生方ななえ,【語り】平野義和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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