レミングの集団自殺神話 |
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第一章 レミングの集団自殺について (Introduction) |
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*6を彷彿とさせ、しばしば、死の行進(death march)とも呼ばれているほど恐ろしい。 私のホラでなければ、このときばかりはレミングの目に狂気が宿るともいう…。やや専門的な表現になってしまうが、ボンヤリ(´・ω・`) → (´* ω *`)ピキューン、というほど凄いそうだ。 ともあれ、こういった現象なのだが、まとめて簡単に説明してみよう。 レミングの集団自殺
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1.スカンディナビア半島に生息
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2.厚生労働省検疫所の「海外旅行者への感染症情報」では2007年にノルウェー北部で報告された「野兎病(Tularemia)」の感染が、大発生したレミングの所業 まず、野兎病(Tularemia)は、野兎病菌(Francisella tularensis)を原因とする感染症で、CDC(Centers for Disease Control and Preventio)で、もっとも危険とされるカテゴリAに認定されている。ちなみに、「野兎病」の読み方だが、「野うさぎ病」なら、とても可愛いネーミングだが、残念なことに「やと病」と読む。 2007年に厚生労働省検疫所が出した「海外旅行者への感染症情報」を以下に引用する。
その他;「Outbreak of severe gastroenteritis with multiple aetiologies caused by contaminated drinking water in Denmark, January 2007」Eurosurveillance, Volume 12, March 2007等参照。 |
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3.酷いときには絶滅しそうなほど個体数が激減する 『The Lemming Cycle』 Nils Christian, Stenseth on the population cycles of lemmings and other northern rodents.『Voles, Mice and Lemmings』 Charles Elton,Nicholson,1942 Oxford University Press |
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4.レミングサイクル(Lemming cycle)―2003年にようやく大幅な進展 『Cyclic dynamics in a simple vertebrate predator-prey community』(2003) Olivier Gilg, Ilkka Hanski, Benoit Sittleによる記念碑的な論文。詳細は別項にて。 |
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5.個体群生態学(population ecology) 個体群とは、ある範囲内に生息する研究対象となる種の個体全体を意味している。個体群生態学では、個体群密度(人口密度)、死亡率、年齢の分布、個体数の変動や仕組みなどを研究する。つまり、個体群に注目した生態学(動物の生態を調査し、研究する学問)である。また、イメージよりもはるかに数学的手法が中心の研究になっており、論文を読むのがなかなか大変である。 |
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6.男熟名物直進行軍 直進行軍(ちょくしんこうぐん)とは、高い理念によって運営される日本有数の私立高等学校「男塾」において、一号生の必須行事とされる名物行事である。 やることは単純で、方角の書かれた紙の上で棒を倒し、棒が倒れた方角へ、ただ直進するというだけである。 だが、困ったことに、直進なので、正面に電柱があれば登らねばならないし、派出所や暴力団事務所であろうが穴を開けて直進しなくてはならないため、都会では非常に危険で困難な行事である。 こうした、男塾の教育方針に対しては、前近代的だと非難する声もあるが、卒業生たちの多くは驚くほど社会的に成功しており、一概に安易な評価をするのは難しいところだろう。死亡事故なども絶えないのである。 これら男塾の名物行事は民明書房大全 |
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7. 大抵は誤った、不正確な解説のまま説明されているのが常である 本当に深い調査は、日本語情報では皆無である。英語文献では2冊ほど重要な調査があったので紹介しておきたい。 個体群生態学の側からの集団自殺神話解説 『Do Lemmings Commit Suicide?: Beautiful Hypotheses and Ugly Facts Dennis Chitty, 1996 Oxford Univ Pr on Demand タイトルは『レミングは自殺するか?美しい仮説と醜い事実』という意味である。タイトルが妙にかっこいいが、内容は、かなり本格的な生態学者の研究史といってよい。 著者は、個体群生態学の長老であり、チャールズ・エルトンの元で学んできた人物である。そのため、この神話の暴露にこれほど適した人物はそうそういない。本書では、まずレミングの集団自殺話からはじまり、研究する側のリアルタイム視点で論じられているため、ユニークで信頼性の高い情報が手に入る。 ただし、神話の起源やもろもろについての掘り下げはなく、個体群生態学の本なので当然だが、物足りない。 都市伝説・神話的な側面の解説 『Great Mythconceptions: The Science Behind the Myths Karl Kruszelnicki, Bradley Trevor Greive, 2006 Andrews Mcmeel Pub こちらは、たくさんの都市伝説ネタを扱うが、レミングの集団自殺も大きく扱っている。WEB上にある記事のいくつかは、この文献を参照しているケースが多く、かなりきちんと調べてある。本稿でも、何箇所か参照している。 現状では、レミングの神話を解説したものとしては、この二冊がとくに重要である。 ただし前者は、レミングサイクル問題に、大きな進展のあった2003年以降の研究を参照できていないのが惜しい。(後者は参照している。)当然だが、私の目標は、レミングの集団自殺神話に限定した場合、この2冊を足したもの以上のモノを書くことである。 |
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