福島をずっと見ているTV 49▽知りたい伝えたい富岡のこと〜小学生のラジオ番組 2015.08.09


全ての町民が避難を余儀なくされている福島県富岡町。
早ければ2017年4月の帰還開始を目指し除染が続いています。
この町には富岡第一・第二と2つの小学校があり震災前は合わせて900人以上が通っていました。
今は三春町に新たな校舎を設け2校一緒に16人の子供たちが学校生活を送っています。
(一同)こんにちは〜!そんな富岡小学校の5年生7人が今取り組んでいる事があります。
ラジオ番組を作っているのです。
震災時は小学校にあがる直前だった5年生。
自分たちの知らない富岡の事をもっと知りたいと大人にインタビューしてそのやり取りを番組にする事にしました。
富岡町の思い出。
そして大人たちも子供たちに心からの言葉を贈りました。
はい。
この夏インタビューを通じて向き合った富岡の小学生と大人たちの姿を取材しました。
この日インタビューを受けたのは震災前釣り船の船長をしていた…今は仲間と共に富岡の海と魚の放射性物質を調査し発信する活動をしています。
インタビューはその人の富岡での思い出を象徴するキーワードを手がかりに進めていきます。
それは船で?はい。
船ではね…へ〜そうなんですか。
そうなんです。
(石井)フグ?インタビューだけではありません。
最後にこんなお願いもするんです。
(石井)おお。
メッセージ?はい。
こうしてインタビューを行い一組ごとに1本の番組にしていきます。
この日のゲスト…勝夫さんの「思い出キーワード」。
みんなが注目したのは「白鳥」の文字。
(勝夫)白鳥さんが200も来てたの。
すごいんだよ。
そんなんで「紅葉川の白鳥」って書いてみました。
はい。
よろしいですか?はい。
(子供たち)はい。
終わりです!子供たちと向き合った勝夫さん。
改めて感じた事がありました。
勝夫さんは僕小学校低学年の頃から存じてましてあの感じですずっと。
はい。
今回は富岡に縁の深いミュージシャン渡辺俊美さんと子供たちの番組を企画し制作をサポートしている久保田彩乃さんが来てくれました。
何かインタビューの最後に「メッセージをお願いします」って子供たちが頼んでたのが印象的だったんですけど。
あれは先生が考えて下さってやっぱり先生も子供たちがああいう環境でいるという事でどうしても生の大人の声ってなかなか子供たちに親親戚以外って今の環境だと伝わりにくくて。
そうすると子供たちに周りの富岡の大人もちゃんとあなたたちの事を思ってますよっていう事を子供に伝えたいんだっていう話を先生がして下さってて。
じゃあ番組使って最後に必ずメッセージもらいましょうという事で。
いいね。
そこが何かすごく番組の肝になった感じがします。
大体5年生とか6年生もう先生とかさ親の言う事そんなに聞かなくなっちゃうもんね。
でもそれが親戚のおじちゃんだったりとかちょっとした人の影響で「ああ」って影響されるというか。
お祭りの時とか必ず出てくる近所のおじちゃんとかねああいう人の話って大事なんだよね。
俺とか俊美さんって例えば雑誌のインタビュー受けたりとか時々するじゃないですか。
テレビとかねインタビューされると初めて自分の考えがまとまったり言葉になってなかった事に気付いたりするからインタビューされる人ってずるいんですよ。
どんどんどんどん自分の事が分かってきたりするんで。
そうかもしれない。
ちゃんとその時に向き合ったりとかね。
自分…過去と向き合ったりとかするとやっぱりすごい考えて。
健康にもいいですね考えるから。
そうそう。
しゃべんないと考えなくなっちゃうから。
子供たちのインタビュー続いては遠藤義之さんです。
夜の森という地区にあった2キロ以上続く桜並木。
富岡の人たちの自慢でした。
はい。
観陽亭という名前で…こちらがその会社。
遠藤さんがこの会社を立ち上げたのは震災から半年後の9月。
食を通じて復旧・復興の力となりたい。
そんな思いを胸に起業しました。
当初36食からスタートしましたが今は多い時で1,800食の注文を受けています。
ほんと今までって何だろう…ほんとに思いと…事務所には夜の森の桜の写真が貼ってありました。
使命感を胸に走り続ける日々。
一方でさみしさも感じているといいます。
震災直後から家族は妻の実家のある東京に避難したまま。
2人の娘は今年中2と小3になりました。
遠藤さんは最後に子供たちへこんなメッセージを贈りました。
頑張って下さい。
(子供たち)はい。
あの…仲のいい後輩の一人なんですけどもいつも最終的にはそういう家族の話をしますね。
やっぱり俊美さんもそうだと思うんだけど使命感が支えてくれてるものというかねそのぐらいの使命感大きな使命感がないと支えてもらえないぐらいやっぱ大変な事が起きてるんだなというのは。
そうですね。
俊美さんってやっぱり富岡の人たち若者たちおじさんたちのある種の何ていうのかなこうつなぐ役割だったりもしてるけどみんなで何か話したりする事とかってあるんですか?
(渡辺)あります。
帰ろうという気持ちは人一倍。
絶対富岡町をきれいにするんだ元の場所にするんだという気持ちはやっぱり若い人たちは僕の周りではいると思います。
個人で動ける仕事片づけとか半壊した家をきれいにしてあげるとかそういった個人的な活動をしてる人はたくさんいます。
子供たちが…ちょっと話戻っちゃいますけどインタビューをしてねそれに答えますというのもすごく大人の大事な仕事なんだなというふうに遠藤さんの話を聞いて思いましたね。
7月10日。
1学期最後のインタビューをする日です。
この日招かれた渡辺俊美さん。
実は俊美さんがミュージシャンである事は子供たちには秘密にしてありました。
歌い始めたのはふるさと富岡への思いを込めた「夜の森」。
子供たちもよ〜く知っている歌です。

(拍手)ありがとうございます。
思いがけないサプライズ。
あの曲を歌っていたのが俊美さんだと分かったところで早速歌詞についてインタビューです。
同級生だったりはい。
(俊美)「新しい話を」っていう歌詞にしました。
インタビューを終えたあと。
今度はみんなで歌いました。
・「昔の話は少しだけにして新しい日々の話をしましょう」・「子供の声」俊美さんの「夜の森」の歌詞で「昔の話は少しだけにして」。
「昔の話はもうやめて」とか「昔の話はしないで」じゃなくてね「少しだけにして」っていうのがすごく僕は大事な事だなと思ったんですよね。
もう全部未来なんだという事でもないしでもそれが昔の話を少しだけする事でつながり直す事ができたりね優しくなれたり強くなれたり。
やっぱ過去を知らないと新しい事ばっかり考えてても絶対ぶつかるっていうか。
どんな感じなんですか子供たちにああやって話聞かれるのって。
本当はもっとたくさんの子供たちの中で授業を受けてたはずだと思うんですよね震災がなかったら。
だから少人数でこの時間がすげえよかったって思わせたいと思いました。
僕は震災が起きてすごい全部嫌な事ばっかりだったんだけど初めて出会う人とか震災がなかったらこの人たちに会わなかっただろうとか曲もそうだけど場所とかもそうあったからこそプラスに変えていきたいというのを子供たちに教えたいなって。
子供たちがね今多分分かんない事もDialogue:0,0:21:04.55,0:21:2015/08/09(日) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
福島をずっと見ているTV 49▽知りたい伝えたい富岡のこと〜小学生のラジオ番組[字]

今も全町避難が続く富岡町。避難先の小学校で5年生7人がラジオ番組づくりに初挑戦!「ふるさとのことが知りたい」と、富岡出身の大人たちにインタビューをしていくと…

詳細情報
番組内容
真剣なまなざしでマイクを向ける子どもたちを前に、富岡出身の大人たちは、震災前の思い出や、今取り組んでいることを、一つ一つ言葉を選びながら語り出す。そして最後に、子どもたちへメッセージを送る…。今回は、富岡の小学生たちが初挑戦したラジオ番組づくりに密着。制作に関わった富岡出身のミュージシャン渡辺俊美さんをゲストに、子どもたちと大人たちが語り合う姿をとおして“ふるさととは何か?”について考えていく。
出演者
【ゲスト】渡辺俊美,【司会】箭内道彦,合原明子,【語り】相沢舞

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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