土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介」 2015.08.08


(秒針の音)
(パトカーのサイレン)
(刑事)料理評論家…。
(刑事)前島美雪か。
(鑑識課員)包丁が見つかりました!
(刑事)凶器はこれか。
桜木!
(無線)「埼玉県警より手配中の容疑者桜木敏彦発見」「錦糸町方面へ逃走中」
(パトカーのサイレン)
(桜木春美)信じられません!主人が人を殺すなんて…。
(刑事)身内は決まってそう言うんですよ。
(春美)かくまってなんかいません!隠し立てはあの子のためにもなりませんからね。
(泣き声)
(刑事)靴と一緒にこれが置いてありましたよ。
ご主人のものに間違いありませんね?はい…。
(片岡美知恵)悠介何遍言ったらわかるの?力入れすぎ!
(美知恵)持ち方が悪いのよ。
こうでしょ?こう!
(片岡悠介)もう〜!お母さんもう手洗いじゃ…手習いじゃないんですからもう放っておいてくださいよ。
そうはいきません!あなたの下手な字親として恥ずかしいから。
(2人)フフ…。
何笑ってるんだよ!お前らな始末書なんかよお前…わざわざ家に持ってくるんじゃねえよ!
(奥村澪)自分が書いて帰るのを忘れるからいけないんです〜。
(浅野直樹)班長カンカンでしたよ。
明日の朝までに提出ですからね!放っときゃいいんだよ…!駄目駄目!ペン先が駄目になっちゃうでしょ!すんません…。
お父さんの大切な形見の万年筆よ。
すみませ〜ん!いっつもそうだったわね。
ほら高校生の時だっけ?天使のようにかわいい女の子へのラブレター。
あの時もこの万年筆勝手に使って下手な字で書いてたわよね。
お母さんどうしてそれを?私は母親よ。
息子の行動なんて全てお見通し。
あっさり振られた事もね。
(浅野)フフッ!ハハハハハ!何笑ってるんだよ!お前ら…。
ラブレターと一緒に真っ赤なバラの花束も渡したのよね。
(2人)フウ〜!お母さんちょっと…。
いや…天使がいたんだよ。
天使がいたんだよ本当に昔!お願いですから帰ってください。
(二階堂隆二)返事聞かせてもらうまでは帰りませんよ。
返事は何度もしています!
(二階堂)俺のどこが気に入らないの?あんたみたいな訳あり女の面倒を見ようなんて男そういるとは思えないけどねえ。
里奈ちゃん元気?お寿司買ってきたから一緒に食べようよ!帰ってください!
(二階堂)春美さん死んだ男に忠義立てしたってしょうがないでしょう。
女房子供を残して自殺した人殺しですよ。
(春美)帰ってください!おい!開けろよ!調子こいてんじゃねえよ!
(ドアを蹴る音)おい!開けろって!
(田所絹代)ちょっと!静かにしてくれない?なんだよ。
(絹代)あんたいい加減に…!暴力反対だよ!
(二階堂)はあ…。
あ〜あ…。
よいしょ。
あ〜うめえ。

(刺す音)ああっ!
(パトカーのサイレン)
(本田勇蔵)背中をひと突きか…。
(館山俊作)凶器らしきものはまだ見つかってません。
(矢杉利也)ガイシャの身元ですが二階堂隆二36歳。
中目黒の桔梗という小料理屋の店主のようですね。

(一二三祐希)どういう事?これ。
あり得ないよ…死んだ人間が人を殺すなんて。
(本田)ゆうべ二階堂隆二さんが訪ねてきてましたね?あ…はい。
(館山)大声でもめていたそうじゃないですか。
近所の皆さんの話だと初めての事ではないそうですが…。
それは…。
(本田)その二階堂さんなんですが昨夜10時過ぎ近くの坂梨公園で殺害されました。
えっ!?
(館山)ここからの帰り道誰かに刺されて殺されたんですよ。
(本田)ここじゃなんですから場所を変えましょう。
ご同行願います。
困ります!娘が学校から帰ってきますし…。
(絹代)奥さーん!里奈ちゃんならね私が預かっておくから大丈夫よ。
いやでも…。
いいの!悪いのはねあの男なんですよ!本当ひどい男だったんですから!
(本田)とにかくご同行願います。
でも…。
死んだ男の指紋?
(祐希)5年前に死んだ男の指紋である可能性が極めて高い。
ええ?この指紋が坂梨公園の殺害現場に?ええ。
捜査に当たってる連中にも話したんだけど部分指紋だし100パーセントの一致とも言えないから反応は悪かったわ。
ただ再捜査の鬼の片岡さんなら食いつくでしょ?もうすでに食いついてる。
5年前の事件の資料一応取り寄せておいたけど見る?見る見る。
はいこれが事件の資料ね。
ありがとう。
事件が起きたのは埼玉県所沢市。
被害者は…。
近い!続けろ。
被害者は…料理評論家前島美雪当時35歳。
「前島美雪は自宅近くの所沢中央公園で23時頃背中を刃物で刺されて死亡」「翌朝現場近くで凶器と思われる包丁が発見された」「前島美雪の血痕が残った包丁の持ち主が浮かび上がった」「都内で小料理屋万さくを営んでいた桜木敏彦当時38歳」「桜木は前島美雪に自分の店や料理を酷評されて恨んでいた」「さらに凶器の包丁から検出された指紋と桜木の指紋が一致した事で捜査本部は桜木を有力容疑者として追った」「しかし追い詰められた桜木は龍門岬で自らの命を絶ち被疑者死亡という形で捜査は終わった」遺体は発見されてないんだな?うん…そのようですね。
今回の事件の被害者二階堂隆二という男5年前に桜木敏彦の店で働いていたそうね。
さらにその二階堂殺害の容疑が桜木敏彦の奥さんにかかっているようね。
どうして?
(祐希)二階堂が奥さんにしつこく言い寄ってたみたいよ。
近いよお前…。
はあ?
(館山)二階堂にしつこくつきまとわれた上口汚く罵られたあんたは娘を寝かしつけると奴を追って刺し殺したんじゃないのか?そんな事していません!「本当の事を言え」
(矢杉)「正直に話してくれませんか?」お邪魔しますよ。
どうしたんだよ?ん?再捜査班には用はないよ。
そっちになくてもねこっちにはちょっと気になる事がありましてね。
(館山)「はあ…。
黙ってないでなんとか言え」
(矢杉)「あなたがやったんでしょ?」ああっ!天使!は?天使?ああ…!ま…まさか…!ちょっと!片岡さん…。
おいどけ!どけどけ!立花?立花?山の手女学院高校の立花春美だよな?ああ…。
ほら俺だよ俺!俺!ほら片岡!片岡悠介!ほら天空高校の…ねえ。
おいコラ!ちょっと邪魔なんだよお前!ほら…ほらほらほらほら!ほら自転車通学してた時にさ手紙渡しただろ?バラの花と一緒に。
もしかして…天使のようにかわいい女の子?ちょっとちょっとちょっと…忘れちゃった!?ねえ?ねえ?ほら見て見て見て!ほらトレードマークのこのリーゼントに剃り込み!剃り込み。
ほらこれ。
なんとなくそういう人がいたような…。
思い出してくれた!?ありがとう!いや思い出してないでしょ。
でも5年前大変だったね。
なんにも知らずにいてごめんね。
現場に亡くなったはずのご主人の指紋があったんだって?余計な事を言うな!もしかしたらご主人生きてるかもしれないね。
そんな事あり得ません…。
変わらないな…これ。
昔からこうするんだよ嘘つくと必ず。
何言ってるんですか。
(浅野)その容疑者の桜木春美って人が片岡さんの初恋の天使のようにかわいい女の子だったんですか?だったらなんだよ。
おう?いいか!?彼女はねえ人を殺せるような人間じゃないんだよ!
(姉川恵津子)二十数年ぶりに会った女性に対してそう思える根拠は?根拠!?根拠はあれですよ。
あの…男…男としてというか刑事としてのあのその…勘ですよ。
ハッ!そんな事で担当外の事件に首を突っ込む事は許されません。
わかってますよ!俺たち再捜査班が首を突っ込まなきゃならないのは5年前の事件ですからねえ。
被疑者死亡で解決した埼玉県警の事件は管轄外です。
ちょっと待ってくださいよ。
死んでないのかもしれませんよ。
だろ?5年前の被疑者桜木敏彦の指紋が今回の事件現場に残されてましたし妻の春美さんの態度を見ても桜木の生存の可能性は十分考えられます。
そうだよ。
彼女明らかに嘘をついてたからな。
それも男の勘?だから?だから?もう…。
だから…今回殺害された二階堂隆二は5年前まで桜木の世話になってたにもかかわらず春美さんにしつこく言い寄ってたんです。
桜木敏彦が生きていて二階堂氏を殺害したのかもしれないと言いたいんでしょうけど捜査一課はその可能性を否定してるのよ?それはどっかの班長さんと同じで埼玉県警に気を使ってるんですよ。
(机をたたく音)組織とはそういうものです!あ〜あ…すっかり変わっちまったな…。
天使のような笑顔なくなってた…。
無理もないですよね。
夫が人を殺して自殺して娘二人で生きてきたんですから。
でももし…真実が他にあったとしたら5年前から人生やり直せるんじゃないですかね?だから5年前の事件調べ直したいんですよ!捜査に私情は禁物です。
班長…。
しかし!私情を挟まず領分をわきまえ周囲に気を使うと約束出来るのであれば捜査を許可せざるを得ません。
約束します!ちゃんとします!捜査一課や埼玉県警とトラブルが生じたらすぐに捜査を打ち切りますから。
以上!
(腕時計のアラーム)定時退勤!お先に。
お疲れさまです。
よ〜し…やるか!あの…僕約束しちゃったんでむちゃしないようにしましょうね。
そんなもん関係ねえよ。
えーっ!?どこから始めますかね…。
まあそもそも夫が生きてるってわかってるのになんで春美さん嘘ついたんですかね?彼女が嘘をついたかどうかもわかんねえけどな。
だって彼女こうやって…。
片岡さん見抜いてたじゃないですか。
あんなもんたまたまだよ。
たまたま?でもな動揺したのは間違いねえんだよ。
何か隠しているって事だ。
まあとにかくよ5年前の事件は終わってねえって事だよ。
よし!行くぞ!
(浅野・澪)はい。
5年前に!えっと…この辺りですね前島美雪が倒れてたのは。
凶器の包丁はどこで見つかったんだ?こっちです。
で…ここです。
ここ!?近えなあおい。
これじゃあお前すぐに見つけてくれって言ってるようなもんじゃねえかこれ。
わざと見つかる場所に捨てたんじゃないですか?…かもな!あっこっちです!こっち!おう!お疲れさまです。
おう。
ここか?はい。
殺された二階堂隆二の桔梗という店です。
5年前まで桜木敏彦が万さくという名で営業してました。
鍵開いてますんで入りましょう。
二階堂が全面的に改装してこうなりました。
5年前前島美雪に店を酷評された事が事件の発端だったんですよね。
ああ。
二階堂がこの店を引き継ぐ事になったいきさつは?その辺はまだわからないんですけど…。
近所で聞いたところこの桔梗って店かなり評判悪いんですよ。
料理もいまいちだし二階堂の接客態度も悪いし。
ふ〜ん。
そんな評判悪くてよく5年も経営続けてられたわね。
どうも神崎フーズの傘下に入ってるみたいなんです。
正式名称も神崎割烹あっ桔梗〜!ですから。
神崎フーズ?食の総合グループ神崎フーズですよ。
よし…。
これです。
あっ…。
この社長の神崎涼子ってカリスマフードコーディネーターで有名よね。
キャッチフレーズが「Japanesecuisinetotheworld!」。
「本物の和食を私が世界に広めてみせます!」ですからね。
ふ〜ん。
でもそんな有名人がなんでこんな評判の悪い店をお前…サポートするんだ?え?ちょっとは考えろよお前この野郎お前は…。
妙な話ですよね。
妙ですよねえ。
念のためこの神崎フーズ調べてみます。
ああ。
5年前の事件と今回の事件の関わりどう見てるんですか?ここだけの話上はその線を避けたいんだよ。
5年前に捜査ミスを犯した事になるからですか。
そういう事を口にするなって。
死んだ男の指紋が残っていたからといってなんらかの手口で誰かが偽造したって可能性もあるしな。
なんらかの手口って?そりゃわからんよ。
とにかくこっちはこっちでちゃんと捜査を進めてるんだから引っかき回さないでくれよ。
殺された二階堂もあちこちに借金はあるわ女関係は派手だわで相当恨みを買っていたようだ。
まあその線で捜査を進めるしかないようだ。
桜木春美の様子どうですか?今日も朝から話聞いてるんだけどほとんど喋っちゃくれないよ。
お前さんがな取調室に飛び込んできてからどうも様子がおかしいよ。
そうですか…。
まあ彼女にしても被害者ともめていたっていう点以外特に犯行を裏付けるような物証もないわけだからこれ以上話聞いても無駄かな。
よいしょ…。
じゃあごちそうさまです。
(桜木里奈)お母さん!あっ里奈。
隣の世話焼きおばさんのとこから連れてきたの。
もう早くねお母さんに会いたいって言うもんだからさ。
(里奈)お母さん大丈夫?心配ないよ。
お母さんねなんにも悪い事してないんだから。
馬鹿な警察がね間違っただけだからね。
ごめんね。
あっ!ご飯でも食べに行っちゃう?
(春美)里奈おなかすいたね。
何食べる?
(父親)今日は花ちゃんの誕生日だからなんでも好きなもの食べていいんだよ。
今日は里奈ちゃんの誕生日じゃないけど好きなもの食べていいんだよ。
どれにする?あっ!このチーズがのったハンバーグなんかいいんじゃない?じゃあオムライス!オムライス!そうだよね。
子供はオムライスだよね〜!おっ!おいしそうだな〜。
里奈ちゃん食べようか!
(父親)じゃあパパとママからプレゼントだよ。
ほら〜!わあかわいい!あっそうだ!今度おじちゃんが里奈ちゃんにプレゼントしようかな。
本当!?本当だよ!おじちゃん嘘つかないから。
何がいい?う〜ん何にしようかな〜。
う〜ん…。
じゃあ食べながら考えちゃおうか?うん!うん。
いただきまーす!はいいただきまーす!いただきます。
はあ…。
お母さんの顔見てホッとしてね安心してねそれで飯でも食って腹いっぱいになりゃうん眠くもなるよね。
プレゼント何がいいかな?うーん…。
目的はなんですか?え?こんな事までしてくれるなんておかしいじゃないですか。
警察には全て話しました。
もうお話しする事はありません。
そんな寂しい事言うなよ。
いや俺だってさ一応刑事だから君に聞きたい事はあるよ。
でもあの…なんか飯をおごってごちそうしてなんかこう聞き出そうなんてそんな事思っちゃいないんだから。
俺はただね3人でご飯食べたいなってそう思っただけだから。
まあ…迷惑だったらごめんな。
ごめんなさい。
あっコーヒーでも飲む?アイス?ホ…ホット?あ…アイスで。
アイス。
あっすみません。
アイス2つ。
(店員)はい。
5年前までは幸せでした。
桜木が経営していた店は小さいけど味はいいと評判で。
それなりにお客さんもいて私たちは家族3人幸せに暮らしてたんです。
店の経営状態が悪くなったのは雑誌やネットで悪い評判が立ったのが原因でした。
料理評論家の前島美雪の記事か。
不景気も重なり経営は悪化し桜木の下で働いていた二階堂さんの給料も満足に払えない状態でした。
(春美の声)人のいい桜木は元々経営には向いていなかったんだと思います。
借金ばかりが膨らんでいきました。
そんな時に現れたのが神崎フーズでした。
神崎フーズ?はい。
神崎フーズの社長は桜木の考案した創作料理に興味を示しグループ企業となる話を持ちかけてきました。
社長の神崎涼子が直接乗り込んできたのか?はい。
でも桜木は断りました。
(春美の声)グループ企業と言っても乗っ取りみたいなものでしたから。
乗っ取り?前島美雪さんに記事を書かせたのも神崎社長に違いありません。
なんだそれ…。
それが神崎社長のやり方なんです。
悪い評判を立てて追い込んで救いの手を差し伸べて乗っ取る…。
そういう筋書きか。
私はそう思っています。
でも証拠はないし今さらどうする事も出来ません。
二階堂殺害現場にご主人の指紋が残っていた。
それはどう思う?何かの…間違いじゃないんですか?本当にそう思ってる?本当は…ご主人は生きているんじゃないかって思ってるんじゃないの?嘘はやめてくれよ。
本当の事聞かせてほしいんだよ。
この子のためにも。
娘が最近何度か変なおじさんを見たと口にしました。
変なおじさん?私の事を見てた。
泣いてるみたいだったよ。
それがご主人だと?そうは思いたくありません。
どうして?あの人が生きていたとしてどうなるんですか?この5年間どんな思いで生きてきたと思います?私は殺人犯の妻として生きてきたんです。
苦しみ続けてきたんです。
この子にだってつらい思いをさせてきました。
傷がやっと癒えてきたんです。
桜木が自殺した事で借金も返済出来て私たちが負債を背負う事もなく娘と2人どうにかここまで生きてこられたんです。
このままでいいんです。
生きていなくていいんです。
でも…5年前まで一緒に幸せに暮らしていた大切な人だろ?私は主人の事そこまで思っていません。
どうして?5年前私は桜木に不信感を抱いていました。
女性の影がちらついていました。
女性?
(春美の声)閉店後の店に立ち寄った時…。
(桜木敏彦)大丈夫だよ。
自信持って…。
桜木さん…。
その女性に見覚えは?知らない人。
里奈が生まれたばかりで波風を立てたくなかったから問いただす事も出来なかった。
でも桜木に対する不信感は募り借金を背負っている上にそんなまねをしている事に怒りを覚えました。
まあそりゃ無理もないね。
そしてケンカをした時に言ってはいけない言葉まで口にしてしまいました。
(春美)このままじゃ私たちみんな駄目になる。
お前と里奈だけは俺が守る。
それ本心?あなたにはもっと大切な人がいるんじゃないの?何言ってんだよ?あなたがいないほうが幸せになれるのかも。
その3日後に桜木は前島美雪さんを…。
桜木があんな事をしたのは私のせいかもしれません。
過去は忘れて生きていきたいんです。
(春美)眠くなるおまじないのしりとりです。
カモメ。
メダカ。
(春美)カラス。
桜木の物は全て片づけました。
写真もこの子の目に触れないようにしています。
おかしいですよね。
過去は忘れたいなんて言っておきながら捨てられないんですから。
5年前の事件のあと桜木の荷物を整理している中でこれを見つけました。
この写真ってもしかして…。
はい私が見かけた女性です。
もし桜木が生きているとしたらこの人と一緒なのかもしれませんね。
この人とどこかへ逃げたのかも。
でもさこれって…不倫密会写真とかそういうんじゃないよこれ。
あのほらただ…普通の写真だから。
考えすぎじゃないの?優しいんですね片岡さん。
いやそういうんじゃないんだけど…。
あっ…。
この写真ちょっと貸してくれます?お邪魔しました。
ごちそうさまでした。
いやとんでもないです。
こちらこそごちそうさまでした。
はい。
(祐希)何?これを解析しろっていうの?ああ。
写真撮った場所がわかりゃあよなんかの手掛かりになるんじゃねえかと思ってよ。
頼むよ。
お断り。
なんで?仕事だろ?片岡さんこれ純粋に仕事って言えるの?馬鹿野郎!俺はな仕事の鬼だよ。
仕事しか興味のない不器用な男だよ。
わかってんだろ?浅野君から聞いた。
かなり年下の初恋の相手に夢中になってんだって?あの馬鹿余計な事を言った…。
馬鹿はどっち?いい歳して。
あれ?あれ?もしかして…一二三ちゃん妬いてるの?はあ?かわいい…。
妬いてないし。
一二三俺はな過去より今を生きる男だ。
知ってんだろ?知らない。
俺が今一番大切なのは誰かわかるだろ?誰?ひふみだよ。
フッ…フフッ…。
そんなはっきり言われちゃうとね…。
フフッ…。
わかったんならなあ?お仕事。
はい。
神崎フーズに関して調べてみたんですけどちょっと気になる事がありました。
料理評論家の前島美雪との関係です。
(浅野)これ前島美雪が書いたグルメ記事なんですけど彼女満点か0点か両極端の評価をするんですよね。
ほらここを見てくださいよ。
5年前万さくを徹底的にたたいてるし万さくが仕入れていた吾妻酒造って酒蔵のお酒までひどい書かれ方してますよ。
神崎フーズ系列や傘下の店に関しては満点の絶賛記事ばかり書いてるんです。
ただしその店が神崎フーズの傘下に入るまでは…。
ボロクソにたたくんだろ?…そうです。
それが神崎涼子のやり口らしい。
万さくも5年前にやられたらしい。
さすが片岡さん。
そういう事ですか。
つまり5年前神崎涼子が企んだ乗っ取り計画のために桜木敏彦は前島美雪を殺害した。
そして桜木の代わりに店を始めた二階堂隆二を神崎涼子はなぜかサポートしていた。
その二階堂隆二が殺され現場に桜木の指紋が残っていて桜木の妻の春美さんに容疑がかかったって事ですね。
神崎フーズの社長に話を聞く必要がありそうだな。
(携帯電話)ああ姐さん?どうしたの?こんな時間に。

(せき払い)」「念のために言わせてもらうけど5年前の事件捜査するなって言ってるわけじゃないですからね」「あっもちろん私情を挟まず領分をわきまえ周囲に気を使っての上よ」「じゃあよろしく」
(不通音)聞こえた?ええ。
なんなんですかね?班長こっちの事が気になって仕方ないんじゃない?よーし!班長のお許しも出た。
よし徹底的にやるぞ!ああの…片岡さんその前に一つ質問が。
何?桜木春美さんって片岡さんが高校3年の時高校1年生だったんですよね?それがどうしたんだ?計算がちょっと合わないんですけど…。
うるさいよお前!いちいち計算なんかしてんじゃないよ!早く帰れ!高校に5年間行ってたみたいですね。
っていうかよく卒業出来たわね。
(神崎涼子)二階堂さんの店をサポートしてる理由ですか?ええ。
そりゃ利益が見込めますし将来性があるからです。
将来性も何も評判はむちゃくちゃでしたけどね。
グループに入れてサポートしているならその辺りもきちんと管理するものじゃないんでしょうか?各店舗の個性自主性を尊重しています。
二階堂さんがいつ殺されても不思議じゃないぐらい悪評だらけだったって事もご存じなかったんですか?別の刑事さんからその話を聞いて私も驚いてるんです。
その刑事さんたちに私の知ってる限りの事はお話ししました。
ところであなた方再捜査班とおっしゃいますけど一体何を調べてらっしゃるんです?料理評論家の前島美雪さんご存じですよね?ええ。
私の友人の一人ですけど…。
あなたは5年前万さくを乗っ取るため前島美雪さんを使って追い込みましたよね?
(涼子)それが何か問題でも?そのせいで桜木敏彦さんは前島美雪さんを殺害したんですよ。
(涼子)仮にそうだとして私がどういった罪に問われるんです?法的に問題はありませんよ。
それは…。
まあ法的に問題はないかもしれませんがあなたがまだ隠し事をしていたとしたら話は別です。
隠し事なんかありませんよ。
さあお話は済んだようですね。
どうぞお引き取りください。
うわっおっ…すごいソファだなこれな。
じゃあ行くか。
一二三!うわっ…あっビックリした。
ああっビックリした!ノックしようよ。
何やってんだよ?お前。
なんだよ急にもう…。
色気づきやがって馬鹿野郎…。
ああ…解析出来たって?ああ出来たよ。
ここ座って。
はい。
いい?見ててよ。
はい。
秩父…ほにゃほにゃ会館?秩父まつり会館。
調べました。
はい。
夜祭りで有名な埼玉県秩父市。
ほう〜秩父…。
(浅野)神崎涼子は結果的に桜木敏彦の店を乗っ取りそれを二階堂隆二に任せたって事じゃないんですか?だったら悪評なんて立たないようにきちんと管理するでしょうよ。
ですよね…。
「ですよね」じゃないでしょ!ああー!もうじれったいわね!いいですか?二階堂隆二は神崎涼子のサポートを受けながらもめちゃくちゃな経営をしていた。
はい浅野君。
はい。
神崎涼子がそんな二階堂を喜んでサポートしてたと思う?いいえ!そう。
仕方なくグループ企業に入れてサポートしてたと考えるべきよ。
つまりそうしなければならない理由が何かあったって事よ。
何かってなんなんですかね?それを調べるのが仕事でしょ!仕事でしょ!仕事です。
突破口は…片岡さん!はい。
その写真です。
5年前の容疑者桜木敏彦はまだ生きていてその女性と一緒にいるかもしれないんでしょ?その可能性はあります。
だったらここでグズグズしてていいのかしら?じゃあ5年前の秩父行ってきます。

(祭りばやし)ああ〜秩父か。
よしお前ら2人ここに並んでみろ仲良く。
(浅野)はい。
絵にならねえ2人だなおい。
ひどくないですか?ねえ。
また余計な事を…。
どけ!どけ!やっぱりここだ。
う〜ん…この格好じゃこの辺に住んでる人なんじゃないですか?よし当たってみよう。
どうですか?見た事ないですね…。
ああそうですか…。
この女性ご存じありませんか?いやあわからないですね。
そうですか…。
(浅野)この人知りませんか?お見かけした事はないですね。
そうですか…。
この人知ってますか?ああ似てますね…。
誰に似てるんですか?ここが吾妻酒造だ。
なんだっけなあ…。
(浅野)どうしたんですか?吾妻酒造ってどっかで聞いた事あるんだよな。
(浅野)気のせいじゃないですか?行くぞ!はい!
(浅野)すみません。
(矢崎日名子)なんでしょう?こちらの蔵主の吾妻早苗さんにお会いしたいんですが。
早苗さんに?ええ。
早苗さんはいません5年前から。
5年前…。
(川田明弘)どうかしました?私が伺います。
あっ警察の方…。
私…川田と申します。
埼玉共栄銀行?銀行員?はい…。
この吾妻酒造の監査役を兼務してます。
再建のためにここに来て何年もいるんですけどお酒に関してはまだまだ素人でこの蔵人の矢崎日名子さんに任せっきりなんですよ。
ここの蔵主の吾妻早苗さん5年前から行方不明と聞きましたが…。
行方不明っていうか…家出してしまったんです。
家出?
(川田)はい。
5年前ここは大変な経営状況でした。
7年前に先代が亡くなり娘の早苗さんが跡を引き継いだんですけど…。
あっその時私も出向で来たんですが経営状態は悪化する一方でした。
(川田)それでも早苗さんは頑張って新しい商品を開発したりしていたんですけど思うようにいかなかったせいもありプレッシャーに耐えきれなかったのか新作発表会の前日に突然いなくなってしまったんです。
プレッシャーをかけたのは誰?川田さんあなたよ。
売り上げの事ばかり気にするから。
それは立場上仕方ないじゃないですか。
ほらあの料理評論家に執拗にたたかれて売り上げもどんどん落ちていたし…。
(浅野)料理評論家?
(川田)ああ…はい。
(川田)前島美雪という殺された女性です。
前島美雪はこの吾妻酒造までたたいてたのか…。
ああっ!どうしました?あなたそれ知ってたわよね?えっ?あの時「吾妻酒造」って言ってた。
5年前万さくを徹底的にたたいてるし万さくが仕入れていた吾妻酒造って酒蔵のお酒までひどい書かれ方してますよ。
あっ!「あっ!」じゃねえだろ!みんな知ってましたよ。
(川田)あの…。
彼女がなぜそんな記事を書いたと思います?吾妻酒造さんも神崎フーズに狙われてたんですね?そのとおりです。
前島美雪が殺された事でうちの乗っ取り話は立ち消えになりましたけど。
この男ご存じですか?前島美雪を殺した桜木さんですよね?うちのお得意様でしたから。
うちのお酒を取り寄せてくれていたんですよ。
桜木さんと早苗さんはどういうご関係だったんでしょうか?
(川田)どういうと言われても特になんかあったとは…。
そんな写真を撮っていた事も知りませんし…。
日名子さん知ってました?写真を撮ったのは私です。
ここに買い付けにお越し頂いたお得意様として撮っただけです。
もしかして特別な関係だったんですか?この2人。
それを知りたいんです。
あっ…すみません。
その辺の事はわかりません。
そうですか…。
早苗さんの居場所に心当たりありませんか?思いつく限りの場所は調べました。
でもどこにもいません。
日名子さんは何かご存じありませんか?あったら話しています。
私に出来る事は早苗さんが帰ってくるまでここを守る事だけです。
(浅野)桜木敏彦と特別な関係にあったかもしれない吾妻早苗さんも5年前から失踪か…。
2人でどこか逃げ回ってるんですかね?浅野君開けて!はい!ほらみんな仕事仕事!なんなんですか?それ。
二階堂隆二殺害現場の遺留品や二階堂の店や自宅からの押収品よ。
捜査一課に頼んだら快く貸してくれたわ。
へえ〜。
捜査一課の皆さんいいとこありますね。
また本田さん脅したんだよ。
(本田)ちょっ…無理なものは無理なんだってば。
そんな事言わないでさ…。
だだ…駄目だって。
お願いしますよ本田さん。
さすが姐さんだ。
いいですか?5年前の事件と今回の事件は必ず関係してるの。
5年前の事件を暴くには今回の事件も暴かなきゃいけないのよわかる?それって領分をわきまえて…。
浅野君!つまんない事言ってないで早くチェックしなさい!はい。
はいはい。
桜木春美さんのお嬢さんって今6歳だっけ?ええ。
一番かわいい盛りにそばにいないなんて…馬鹿な父親よね。
まあね。
ん?あれ?どうしたんですか?いや二階堂の手帳がここだけ破れてんだよ。
本当だ。
書き損じたんですかね?それが何?殺された二階堂の手帳だよ。
これ1ページ破られてんだけどここに何が書いてあったのかなんかもう気になってしょうがねえんだよ。
で?一二三こんなつらそうな俺見ていたいか?フフッ…どうでもいいけど。
お前無理すんなよ。
お前わかってんだぞ。
お前は母性の塊じゃねえかよ。
なんかちょっと面倒くさくなってきた。
ちょっとお願いしますよ。
もう大好きだからさあ。
調べてくださいよ。
お願いしますよ。
最初からそう言えばいいでしょ。
こんなの簡単にわかるわよ。
えっどうやって?筆跡痕よ。
筆跡痕!?筆跡痕ってこうやって鉛筆でこすると浮かぶ上がるやつだろ?でもなんにも出てこねえよ。
肉眼では見えないだけよ。
ちょっと待ってね。
ちょっと面倒くさくなってきたな…。
なんか言った?いやなんでも…お願いします。
何これ?
(祐希)ESDAだ。
静電検出装置。
肉眼では見えないわずかな筆跡痕を浮かび上がらせる機器よ。
放電装置により静電気を発生させて紙の上の筆圧でへこんだ部分に静電気をためるの。
ふ〜ん。
おお〜!
(祐希)そこに特殊な粉末を散布する。
すると…粉末は静電気に吸い寄せられてへこんだ部分に入り込むの。
なんか見えてきたな…。
「いざ国知ろう」「山国行く」?はいどうぞ。
(美知恵)ほ〜ら悠介。
あんたもこっち来なさいよ。
おいしいわよ吾妻酒造のお酒。
僕はお酒飲めませんから。
はあ…わかんねえ。
飲めなくてもお母様に付き合うのが孝行息子ってもんでしょ。
さすが班長さん。
わかってらっしゃる。
何やってんの?あの子。
事件の整理してるみたいですよ。
焦ったってしょうがないわよ。
これで英気を養って明日からまたガーッとね。
飲め飲め。
(美知恵)な〜に?これ。
お母さんには関係ないですから。
(美知恵)「いざ国知ろう」何かの語呂合わせじゃないの?語呂合わせなわけないじゃないですかもう…。
語呂合わせ?ちょっとお父さんお借りします。
語呂合わせか…。
イザクニシロー。
139246。
ん?なんの数字だ?これ。
この国で139といえば経度でしょ。
東経139度。
またそんな強引な…。
えっ?あれ?もしかしたらどこかの場所か…。
じゃあ山国っつうのは緯度?山国?これは山国っていうんじゃないの?さんごく?サンゴク。
359。
(美知恵)そう。
北緯35度。
お母さん素晴らしい!フフフ…親をおだててどうすんのよ?すみませんね出来の悪い息子で。
いやお母さん素晴らしい。
…って事は東経139度北緯35度。
北緯35度東経139度。
地図緯度経度検索システムで調べます。
北緯35度東経139度。
(浅野)出ました。
ちょうどこの辺りです。
埼玉県秩父市山中。
秩父?
(涼子)もういい加減にしてちょうだい。
これ以上どうしろっていうのよ?もう私…。
こっち?こっちってなってますね。
おいこんな山奥に本当にあんのかよ?間違いないですよ。
あっ…もしかして片岡さんこういうところ怖いとか?ばばば…馬鹿野郎お前。
怖いわけねえだろ!おい置いてくぞ!はーい!ちょっと…。
(浅野)ちょうどこの辺ですね。
この辺?なんにもねえじゃねえかよ。
あっなんかあそこ怪しくないですか?もしかして…掘ったのか?地元の警察に応援要請したほうがよさそうですね。
ああ。
浅野連絡。
はい。
もっとこの辺も。
あっ…ああーっ!なんだ?どうした?はあ?出ました!なんだ?それ。
分析が始まりました。

(祐希)吾妻早苗さんで間違いないわね。
亡くなったのはおよそ5年前。
5年前…。
失踪した直後…?白骨化していたため死因の特定までは不可能でした。
吾妻早苗さんは桜木敏彦とともに失踪してたわけじゃなかったのね。
(浅野)吾妻早苗さんを殺害して埋めたのって桜木なんですかね?痴情のもつれとか?うーんその可能性もあるわね。
あのこれちょっと気になってるんですけど…。
どうしたの?
(浅野)いや大した事じゃないんですけど吾妻早苗さんって20代でしたよね?うんそうだけど?これ万年筆ですよね?若い人はあんまり使わないから。
そう?私使ってるわよ。
ほら。
いやだから年配者が使うのは…。
年配者?それにかなり高価なものですよこれ。
あ…指紋は?検出出来ませんでした。
そうか…。
桜木敏彦どこで何やってるのかしらね?そうだなおばさん。
いやいや…冗談だよ冗談だって。
(川田)早苗さんは殺されていたって事ですか?ええ。
恐らく5年前に。
そんな…。
日名子さん。
何か話したい事があるんじゃないですか?何かご存じなら聞かせてください。
早苗さんは桜木さんとの関係に苦しんでいました。
(日名子)早苗さんは桜木さんに特別な感情を持っていたんです。
好きだったんです。
だから悩んでた。
どうしてそれを?女同士わかりますし早苗さんから相談された事もあります。
どうしてそんな大切な事を今まで話してくれなかったんですか?早苗さんが帰ってくると信じてたから。
早苗さんは神崎フーズに屈せずこの吾妻酒造を守り抜こうとしていました。
先代から受け継いだ大切な酒蔵ですから。
でも神崎フーズに抵抗し続けていたのにはもう一つ理由があったんです。
桜木さんの存在ですか?ええ。
吾妻酒造の銘酒を大切に仕入れ続けてくれている万さくの桜木さんがいたからです。
私も早苗さんから聞いた事があります。
桜木さんは料理人として誰よりも和食料理と日本酒の相性のよさをわかっている人だと。
(日名子)早苗さんは妻子がいる桜木さんに自分の思いを伝えずに1人で苦悩しながらも桜木さんと一緒に神崎フーズと闘っていたんです。
早苗さんの一方的な恋愛感情だったんですか。
実らぬ恋か…。
ええ。
でも桜木さんはそれに気づいていたと思います。
だから邪魔になって殺したのかも…。
ひどいなそれ!ひどすぎますよね。
あくまで推測よ。
そうですよね?それはそうですけど…。
日名子さんその可能性はあるかもしれないけどそれを言うなら神崎フーズのほうが怪しくないかな?神崎フーズにとって早苗さんは邪魔な存在だったんだから。
それだ!神崎フーズ怪しいですよ。
絶対そうですよ!黙っててよ!あっそういえば早苗さんがいなくなった日神崎社長もこの秩父に来ていました。
神崎涼子が?
(川田)はい。
翌日の新作発表会に招待していたんですよ。
えっ…?こちらを乗っ取ろうとしている相手をですか?早苗さんの提案なんです。
(川田)神崎社長だけでなく前島美雪まで招待していました。
恐らく新作を発表し神崎フーズには屈しないという決意を見せようとしたんだと思います。
ほら!その直前に神崎涼子に殺されたんですよ。
その新作発表会の資料か何か残ってませんか?これです。
(浅野・澪)すみません。
(浅野)開けてもいいですか?
(浅野)出席していますね。
神崎社長も前島美雪さんも。
これお借りしてもよろしいですか?どうぞ。
(浅野)それから…ちょっとこれ見てもらえます?この万年筆に見覚えありませんか?吾妻早苗さんと一緒に発見されたものです。
高価なものですよね。
万年筆は使ってなかったと思うけど…。
どう?覚えてません。
どういう事ですかね?吾妻早苗の件で神崎涼子に話を聞く必要がありそうね。
ええ。
一応万年筆の事も片岡さんに連絡しておきますね。
あっ片岡さん。
例の万年筆の件なんですけど吾妻酒造で聞いたところ吾妻早苗さんのものじゃなさそうなんですよ。
ありがとうございました。
いらっしゃいませ。
あっ…。
(春美)その人は5年前に亡くなっていたんですね。
ご主人とはなんにもなかったんだ。
あの彼女が一方的に思ってただけで君が心配したような関係じゃなかったから。
その人を殺したのも桜木かもしれないんですよね。
その辺はちょっとなんとも…。
片岡さん私どうしたらいいんでしょうか?桜木という男がますますわからない。
あっあのさ…。
ご主人万…万年筆使ってなかった?万年筆?わかりません。
覚えてません。
でもどうしてですか?いやいやまあちょっと…。
あっ桜木!おっおい!ちょっと!おい逃げてんじゃねえよ!ほらこっち来い!おいちょっと待て!待て桜木!ちょっと…見たでしょ?生きてたんですよ桜木!生きてたのに5年も里奈の事を放っておいたんですね。
出てこられないのは人を殺したからなんですよね?この辺は警察に任せてください。
あっ本田さん?片岡だけど。
あの緊急配備お願いします。
生きてたんですよ桜木敏彦。
ええ…。
あの事情はあとで説明します…。
よいしょっとよいしょっと…。
ご飯はいいの?ん?着替えに戻っただけだから。
はい。
お父さんもいっつもそうだった。
お父さん?うん。
あっ。

(浅野の声)あっ片岡さん。
例の万年筆の件なんですけど吾妻酒造で聞いたところ吾妻早苗さんのものじゃなさそうなんですよ。
万年筆?うん。
わかりません。
覚えてません。
(美知恵)悠介。
ん?ほら持ち方が違うでしょ。
万年筆はねこうやって持つの。
もう手習いじゃないんですから…。
えっ?ちょっと待って。
あれ?もしかして…。
何?お父さんちょっとお借りします!お母さんありがとう!
(笑い声)お父さんそっくり。
一二三ちゃん一二三ちゃん!ちょっと見て見て見て。
何?ちょっと座って座って。
何よ?ちょっとこれ見てこれ見て。
ほらほら。
ほらほらほら…。
なんか感じないか?ちょっとやだもう…。
感じさせてどうするつもり?馬鹿だなお前!何考えてんだこのスケベ!違うよ馬鹿!いいか?いいか?いいか?ほら万年筆っつうのはよこうやるだろ?ね?でキャップを外してこうやって握って持つだろ?こうやって。
そうよ。
だったらよ周りから指紋が出なくても…。
この部分からは検出出来るかもしれないわね。
そうそうそうそう…。
頼むよ。
任せて。
何…。
(携帯電話)なんだようるせえな。
(携帯電話)はい片岡。
「奥村です」どうした?神崎涼子今日出社してませんでした。
連絡もつきません。
警察に目をつけられたと勘づいて逃げたか。
5年前の真相?
(春美)桜木は生きています。
この目で見ました。
吾妻早苗さんの事も知りました。
何を言ってるのかさっぱりわからないわね。
あんまりしつこくつきまとうと出るとこへ出るわよ。
そう出来るならそうしてください!社会的地位のある私の話と殺人犯の妻であるあなたの話…。
世間はどっちを信じるかしらね?お嬢さん小学生になったんでしょ?おとなしくしているほうがお嬢さんのためじゃないかしら。
おおご苦労さん!神崎涼子の部屋ここの最上階です。
おたくの班長さんから大体の事は聞いたんだがな…。
お前ら何勝手な事やって俺たち振り回してんだよ!ちゃんとわかるように説明しろよ!時間の無駄だ。
行きましょう。
はあ…総額いくらよ?よいしょ。
ん?片岡さん!どうした?これ見てください。
ん?包丁…。
ああ血が付いてますね。
なんか出たか?包丁…!もう1着ありますね。
これはかなり前のもんだな。
(祐希)一致した。
こっちがこの万年筆のこの部分から検出された指紋。
でこっちが神崎涼子の指紋。
同一人物よ。
万年筆の持ち主は神崎涼子か。
でもね…ちょっとだけ引っかかる事があるの。
ん?この万年筆周りからは一切指紋が検出されなかった。
きれいに拭き取られていたから。
拭き取られていた?そりゃあ指紋を残さないために神崎涼子が拭き取ったんじゃねえか?指紋を拭き取った万年筆をなぜ落とすの?だよな…。
鑑識の結果が出ました。
2着の服に付着していた血痕は1着が二階堂のものもう1着が前島美雪のものでした。
それからこの包丁は二階堂殺害時に使用したものに間違いありません。
前島美雪を殺したのも神崎涼子って事か。
(浅野)神崎涼子は5年前に吾妻早苗さんと前島美雪をそして今度は二階堂隆二つまり3人を殺したんですね。
(携帯電話)はい片岡。
神崎涼子の行方を追ってるんだけどなマンションの管理人からちょっと気になる証言があってな。
気になる証言?
(本田)神崎涼子訪ねてきた女性と一緒に出かけたらしいんだがその女性の人相が似てるんだよ桜木春美に。
桜木春美?どうなってんだよ!お前さんの顔立てて釈放してやったのに。
心当たりないか?特に心当たりは…。
俺も捜しますよ。
心当たりなかったらいいんだよ。
余計な手出しするな。
(不通音)片岡さん?桜木春美が神崎涼子を連れ出したらしい。
(恵津子・浅野・澪)えっ?桜木春美さんは何をしようとしてるんでしょうか?5年前神崎涼子が万さくの乗っ取りを画策しなければ事件は起こらなかったのよね?桜木家は幸せでいられたのかも。
(浅野)桜木春美さんは神崎涼子を恨んでいるって事ですか?それまずいんじゃないですか?何がまずいんだよ!家庭ボロボロにされてるんだぞ。
恨むのが当然だろ!いやだからその復讐をしちゃうのがまずいんじゃ…。
復讐なんかするわけないだろ!彼女はそんな女じゃねえんだよ。
母親だぞ!そんな馬鹿なまねするわけねえだろ。
母親だからという事もあるわよ。
神崎涼子は子供まで苦しめた相手よ。
片岡さん私たちも捜しましょう春美さんを。
僕も捜します。
よし。
いってきます。
お願いします。
(男性)大丈夫ですか?
(男性)警察…警察!犯行は否認しているんだが状況的にはほぼクロだな。
え?逃げていく若い男を目撃したとは言ってるんだが…。
(館山)「あんたが神崎涼子を連れ出したのマンションの管理人が見てたんだよ」「話をしようと思ったんです」
(館山)「なんの?」「桜木が生きていると知って気になったんです」「5年前に何があったのか」「何か知っているであろう神崎社長から5年前の事件の真相を聞き出そうと思ったんです」
(館山)「それで?」「何も聞けませんでした」
(館山)「冷たくあしらわれたんでカッとなって後を追って殺したのか?」「違います!」「どう違うんだ!?」「どうしても話が聞きたくて後を追ったんです」
(春美)「一度見失ってしまってしばらく捜して…」「目にしたのは倒れていた神崎社長とそばにいた若い男でした」
(館山)「その男は逃げたんだろ?どんな顔のどんな男だった?」「遠くから見ただけですしすぐに逃げてしまったので顔まではわかりません」
(館山)「でたらめ言うな!」うーん…どうも曖昧なんだよな。
本田さんちょっといいですか?ご苦労さん。
なんだと?「あんた若い男を目撃したなんて嘘じゃないのか?」「別の目撃者が40過ぎの男が逃げていくのを見たって証言したよ」
(矢杉)「その男あんたの亭主桜木敏彦と同じ緑のパーカーを着てたそうだ」
(館山)「どういう事だ!」
(館山)またお前か。
嘘なんかついてないよな?ついてないよな?お前さんたちが目撃した桜木敏彦緑のパーカーを着て白いデッキシューズを履いていたんだろ?現場からデッキシューズの足跡も見つかったよ。
あんたが目撃したのは若い男じゃなく桜木敏彦じゃないのか?遅くまでご苦労さま。
あっ日名子さんニュース見ました?神崎フーズの社長殺されたらしいですよ。
…そうみたいですね。
どうなってんですかね…。
ああ物騒だ。
戸締まり戸締まり!
(扉を閉める音)桜木春美さんは夫をかばって嘘の供述をしてるのね?ちょっと整理してみましょうか。
そうよ整理しましょうよ。
ねっ。
こんなんじゃ全然わけわかんないわよ。
ほら整理整理。
整理整頓。
ねっ。
ほらここ片づけてまず。
(浅野)はい!ほら。
よろしくあと全部。
浅野君ほら早く片づけて!えっ?ちょっと皆さん…えっ?なんで僕だけ…。
整いました。
まず神崎涼子は自分に従わない吾妻早苗さんを殺害して埋めた。
その証拠は指紋が残った万年筆。
その現場を前島美雪さんが見たのかもしれないわね。
目撃された事を知った神崎涼子は口封じのために前島美雪を公園に呼び出し殺害。
(パトカーのサイレン)
(浅野)そして凶器の包丁をここにわざと見つかるように捨てた。
神崎涼子は前島美雪殺しを彼女に恨みを持つ桜木の犯行に見せかけたんだな。
でもどうやって桜木の包丁を手に入れたんですかね?はあ〜わかんねえかなあ。
二階堂隆二…ですね。
うん。
桜木の下で働いてた二階堂は神崎涼子に取り入ろうとしていた。
だから協力したのかも。
(浅野)桜木の包丁を持ちだして神崎涼子に渡した。
そこまでやらなくても…。
浅野君裏口は?あちらです。
店の鍵を開けておけばそれで十分よ。

(浅野)なるほど!そこで協力した見返りが自分が新しく出したこの店桔梗へのサポートですね。
神崎涼子は二階堂を甘く見てたのかもしれませんね。
脅されて仕方なく言う事を聞いたんでしょうね。
(二階堂)サポートを打ち切るって事ですか?
(涼子)これ以上あなたの言いなりにならないわ。
こんな店神崎フーズの名前に泥を塗るだけよ!これ何かわかりますか?
(二階堂)あんたが吾妻早苗を埋めた場所ですよ。
(二階堂)あんた前島美雪から吾妻早苗殺しの事で脅かされてたでしょ?
(二階堂の声)あんたと何やら言い争っていた前島美雪の様子がおかしかったから後をつけたら秩父の山奥で地面に向かって手を合わせてたよ。
俺はピンときたんだ。
そこに死体が埋まってるってな。
(二階堂)その場所がここだ。
心配するなって。
簡単には解読出来ないからさ。
しかしあんたもひどいよなあ。
2人も殺しちまったんだから。
サポートを打ち切るなら何もかも警察に話してやるよ。
神崎涼子はその脅しに耐えきれなくなって…。
ここで二階堂を殺害した。
(浅野)現場はあちらですね。
死んでいたのがここですね。
お酒を飲みながらのり巻きを食べようとしたところを後ろから神崎涼子が刺したんです。
(刺す音)
(倒れる音)
(浅野)その神崎涼子を桜木敏彦は殺害しその罪を奥さんの春美さんはかぶっているんですね。
片岡さんどうしたんですか?なんか間違ってるような気がするんだよな…。

(警察官)ちょっといいですか?待ちなさい。
ちょっと…。
わかりました。
ありがとうございます。
桜木敏彦が見つかりました。
取り調べが始まったようです。
ちょっと行ってきます。
「ですから神崎涼子を殺したりしてませんし狸穴陸橋になど行ってません」「あんた情けねえな」「奥さんあんたの事かばって嘘の供述までしてるんだよ?」「死んだふりして5年間も妻子を放って逃げ回っていたような男をよくかばう気になるなあ」「5年前はああするしかなかったんです」
(本田)「前島美雪殺したのお前じゃねえんだろ?」「なんで逃げ回ってたんだ?」
(桜木)「それは…」片岡さん…。
「だからお前はなんなんだ!」「すみません!」「少しだけ話をさせてください」「
(ため息)」「3分間だけな」「おう」わかるよな?俺。
はい。
逃げるなって言ったろ!この野郎。
すみません…。
5年前も逃げるしかなかったのか?はい。
殺人容疑がかけられた時誰も信じてくれないような気がしたんです。
奥さんもか?信頼関係もなくなってましたから。
ふ〜ん。
吾妻早苗が原因か?そうです。
でもそれは妻の誤解なんです。
私は早苗さんとは何も…。
わかってるよそんなもん。
5年前あんたはなんにも知らずにいたんだろ?吾妻早苗さんがいなくなった事も何も。
はい。
その頃店の経営状態は悪くなる一方で日々借金の返済に追われて妻や子供にも迷惑をかけてましたから。
ふ〜ん。
そんな中で殺人容疑がかけられたのか。
無実を訴えたところで誰にも信じてもらえない気がしたんです。
だから死ぬしかないと思いました。
私が死ねば借金はなくなるし妻や子供も幸せになれると思ったんです。
あなたがいないほうが幸せになれるのかも…私たち。
ふ〜ん。
それで偽装自殺か。
はい。
本当に死ぬ事も出来ませんでした。
おいお前5年間どこで何やってたんだよ?色んなところを転々と。
そんな中3カ月前吾妻酒造の酒を目にしました。
なんだこれ…。
(桜木の声)その時気づいたんです。
先代や早苗さんが大切に守ってきたラベルが全く変わってしまっている事に。
「それで気になって秩父へ足を運んで初めて知りました」「5年前に早苗さんが失踪した事を」「私は引っかかりました」「早苗さんがいなくなったのは前島美雪が殺されて私に容疑がかかった少し前だったんです」「偶然とは思えなかったんだ?」「はい」「だから5年前の事件を調べ直そうと思って東京へ…」「それであの…娘さんのあの…えっと…里奈ちゃんだっけ?」「ええ」「そのかわいい里奈ちゃんのとこ様子見に行ったんだろ?」
(桜木の声)はい。
すみませんでした。
謝る事じゃねえよ。
アパートにも行ったんだろ?はい。
二階堂が殺された晩も行ったろ?は…はい。
奥さんと二階堂がもめてる姿見たろ?まさか二階堂が妻に言い寄ってるなんて夢にも思ってませんでした。
で後をつけたな?はい…。
で何を見た?二階堂を殺したのは奥さんだと思ってるんじゃないのか?一度見失ってしまって…。
奥さんが殺したと思い込んで逃げ回ってたんだな?はい。
神崎涼子が殺された現場にいたな?いいえ行ってません。
そうか?俺はてっきり奥さんはあんたを目撃したからかばって嘘をついてると思ったんだけどそうじゃねえんだ。
どうした?行きました。
私が…私が神崎涼子を殺しました。
(ノック)手短に頼むぞ。
はいありがとうございます。
君。
はい。
ご主人が身柄を押さえられた事聞いてるよね?はい。
神崎涼子を殺したのは自分だって自白したよ。
ご主人が逃げていく姿見たんだろ?ご主人は正直に答えました。
君も頼むよ。
見ました。
ご主人を?桜木を目撃したんだね?桜木じゃない。
さ…桜木じゃない?ちょっと待ってよ…。
見たの?見てないの?どっちなの?見た。
見たけど…。
私には主人だとは思えない。
そう思いたくないだけなんじゃないの?違います!主人の背中とどこか違った。
走り方も違った。
なるほどね。
あんたら夫婦はどっちもどっちだ。
似た者同士の馬鹿夫婦だ。
でもそのおかげでちょっとだけ見えたけどね。
行こう。
よし。
片岡さんどういう事ですか?これからだよ捜査は。
前島美雪殺しと二階堂殺しの犯行は神崎涼子の犯行に間違いない。
しかし吾妻早苗殺しに関してはどうだ?それも神崎涼子ですよね?証拠は?ですから神崎涼子の万年筆が…。
万年筆だけだろ?まあそうですけどでも指紋見つけたの片岡さんですよ?お前出来すぎじゃねえか?遺体を埋めてる最中に指紋が残った万年筆だけ落ちたっていうのは。
うん…まあそう簡単に落とすものじゃないもんね。
じゃあ誰かが意図的に落としたんですか?神崎涼子を犯人に仕立て上げるために。
見てくれ。
万年筆の周りの指紋は拭き取ってあった。
つまり犯人は自分の指紋を拭き取り神崎涼子にだけこうやって指紋を残したって事だ。
(浅野)万年筆って指紋採取器にもなるんですね。
ああ。
でもちょっと待ってください。
犯人はいつどこでどうやって万年筆に指紋をつけさせたんですか?そもそもこの万年筆元々神崎涼子のものなんですかね?俺が調べたところ神崎涼子は昔から常にこういったツイスト式のボールペンを使っていた。
じゃあ万年筆は彼女のものじゃないんだ。
うん…。
ちょっと待ってください。
これ神崎涼子だけ筆跡の質違いますよね。
筆記用具が違うわね1人だけ。
彼女だけ万年筆を使ったと考えられませんか?このDVD見てみよう。
(浅野)はい。
受付が映ってます。
渡して…。
万年筆受け取ってる!こいつか!
(川田)刑事さん今日は何か?大切な話ってなんですか?神崎涼子さん殺害に関して重要な事がわかりました。
現場に残されていた足跡の主は桜木敏彦さんと同じ服を着て同じ靴を履いて彼になりすましてました。
桜木さんの犯行に見せかけて神崎涼子さんを殺す必要があったからです。
これありがとうございました。
とても役に立ちました。
特にこれに収められていた映像が。
映ってるんだよ。
受付で神崎涼子にだけ特別に万年筆を渡しているあんたがさ。
スタートして。
はい。
ご覧ください。

(祭りばやし)」吾妻早苗さんを殺したのは…。
川田明弘お前だろ!
(浅野)この万年筆吾妻早苗さんと一緒に埋められていたものですよね?
(本田)もう逃げられんぞ。
ジタバタしなさんなみっともない!ま…待ってください。
私は悪くない…悪くないんですよ!悪いのは神崎涼子です。
(川田)あの女は私に吸収合併の話を持ちかけてきた。
悪い話じゃないと思ったから私は銀行員としてここを守るために乗ったんだ。
それなのにあの女私に買収工作までさせた!銀行員のあなたなら悪い話じゃないってわかるでしょ?しかしみんな簡単に従うとは…。
お金ならいくら使っても構わないわ。
匿名でばらまきなさい。
神崎フーズの料理には吾妻酒造のお酒が必要なの。
それを吾妻早苗さんに知られたのね。
ああそうですよ。
早苗は何もわかってない女だ。
私は…私はね彼女を愛してたんだよ。
愛していたからこの酒蔵を一緒に守ろうと思ったんですよ!それなのになんだ!妻子ある男に惚れやがって。
ええ?私の思いはどうなるんですか?踏みにじられたんですよ!?
(川田)おまけに私と神崎涼子を新作発表会の席で告発して糾弾するなんて言い出したんですよ!
(吾妻早苗)川田さん私はあなたを信じてたんです。
それなのにどうして?お前のせいじゃないか!えっ?お前が先に裏切ったんじゃないか。
私の純愛を踏みにじった!殺すしかないでしょ!ねえ?こんなひどい目にあったんだからさ。
遺体は次の日埋めたのね。
神崎涼子の万年筆と一緒に。
(川田の声)万年筆は神崎涼子を脅すための道具であり万が一のための保険ですよ。
元はと言えば全て神崎涼子の責任なんですから。
計算違いは前島美雪に見られた事かな。
あ…待ってくれ…待ってくれ待ってくれ!
(前島美雪)どうして?命令されたんですよ。
あなたの慕ってる神崎社長に命令されたんだ。
(川田の声)私は神崎涼子が悪いという事を正直に話した。
前島美雪は神崎涼子を責めたらしい。
神崎涼子が私に文句を言ってきたからね。
(涼子)私は殺せなんて一言も言ってないわ。
どうしてそんな勝手なまねを!
(川田)私はあなたの命令に従ったんです。
責任逃れはやめてください。
それじゃあ銀行の上の人間と同じですよ。
何言っているの?吾妻早苗を殺して埋めたのはあなただ。
証拠もありますよ。
あなたの指紋が残った万年筆が死体と一緒に埋まってますから。
前島美雪はどうするのよ?人殺しに加担したつもりになって自分を追い詰めてる。
警察に行くと言ってるのよ?
(笑い声)あなたは自分の身を守るためだったら簡単に人を殺せる人間ですよね?神崎涼子はあなたの筋書きに従い桜木さんの犯行に見せかけて前島美雪を殺した。
それ以来神崎涼子との関係は良好だった。
うちの酒を神崎フーズに裏で流しその見返りも十分受け取ってましたしね。
そんな汚いまねまでしてたの?あなたのような人間に酒蔵を守る資格なんかない!そしてあなたは二階堂も殺すように神崎涼子をけしかけた。
あの男かなり調子に乗ってましたからね。
私が一枚噛んでる事に気づいてませんでしたけど早めに口を封じておく必要があると思いました。
(刺す音)ああっ!死んだ人間がのこのこ出てくるからややこしくなるんだよ!私はねお前を見かけたんだよ3カ月前にこの近くで。
それからずっとお前の動きに注意してた。
だから同じ服と靴を用意して神崎涼子を殺したんだな!なんなの?話って。
早くしてよ。
近くに桜木春美がいるのよ?
(川田)知ってますよ。
ここに桜木敏彦がいます。
えっ?
(刺す音)あっ!ああ…。
ど…どうして…?あなた警察に目をつけられてます。
っていうか私が目を向けさせました。
だから死んでください。
ああ…。
最後にその罪をかぶってお前が死んでくれれば全て丸く収まったのに…。
あ〜あツイてないなあ私は。
あ…そもそも銀行から追い出された事から…。
黙りなさい!なんでもかんでも人のせいにして…。
悪いのはあなたよ。
あなた自身に原因があるの。
人の心をなくして鬼のようになったあなたに。
お…鬼は神崎涼子でしょ。
うるさい!本田さんお願いします。
(川田)なんですか!?
(館山)おい川田!痛い痛い!私は悪くないんです!馬鹿野郎だなあまったく。
あんたたちも大馬鹿野郎だよ!嘘はやめて正直になれよ。
あんたたちはお互い思い合ってんだろ?私たちはどこかでボタンをかけ違ってしまったんです。
もっと素直になってお互いをしっかり見つめていればこんな事にはならなかったと思います。
でも一度かけ違えたボタンはもうかけ直せない。
私がした事は許されません。
あんたたちには大事な鎹がいるだろう?あんたがしばらく見ないうちにね本当にかわいく育ったよ里奈ちゃん。
はい。
すみません…!謝らなくたっていいんだよ。
これからの人生奥さんと娘さんに謝り倒せ。
はい。
楽な道じゃないけどさ3人一緒なら歩いていけるだろ?すまなかった…。
すまなかった…!信じてた。
生きてるって。
いつか帰ってきてくれるって信じたかった。
おかえりなさい。
ありがとうございます。
(鈴)よいしょ!はいはいと…。
事件解決おめでとう。
あっありがとうございます。
乾杯!
(澪・浅野)乾杯!いや本当お母様のおかげですよ。
ねえ?そう?で悠介の初恋の相手はどうなったの?あっそれはまあうまく収まったっていうか…ね?そうですよ。
万事うまくいきましたハハハ…。
じゃあもう1回乾杯しましょうか。
あっその前に!お母さんにプレゼントがあるんだ。
え〜?ちょっと待っててね。
何?なんですかね?珍しい。
ジャジャーン!わあ!うわあこれ欲しかったの!もしかして里奈ちゃ…。
痛い痛い痛い!この野郎お前!痛っ!ええ…!お母さんは天使ですから。
いい子いい子いい子。
かわいい!かわいい!お母さんかわいい!
(里奈)お父さんパンダありがとう。
(桜木)いいえ。
里奈がねパンダが好きだってお母さんが教えてくれたんだよ。
(里奈)お母さんパンダありがとう。
(春美)よかったね里奈。
抱っこしちゃおうかなと!じゃあねみんなが幸せになれるおまじないのしりとり。
里奈から。
パンダ!じゃあお父さん。
だだだ…団子!はいお母さん。
ごごご…ゴリラ!
(春美)里奈里奈。
(里奈)ラッパ!2015/08/08(土) 21:00〜23:06
ABCテレビ1
土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介」[デ][字]

未解決事件の死者が復讐殺人!?美女の口元に現れた5年分の嘘…静電気で見える暗号文と、絶対に指紋が残るペンの謎!!

詳細情報
◇番組内容
寺島進ふんする型破り刑事・片岡悠介が迷宮入り事件に挑む人気シリーズ第8弾!!悠介の初恋の女性が容疑者に!?殺人犯の夫と死別し、つらい生活を送ってきた彼女を守るため、再捜査班が警察組織に戦いを挑む!
◇出演者
寺島進 原沙知絵 金子貴俊 あめくみちこ 吉田羊 吉行和子 三浦理恵子 原田龍二 黒田福美 遊井亮子
◇スタッフ
【脚本】深沢正樹
【監督】伊藤寿浩
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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